小町蘭 さん プロフィール

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小町蘭さん: 小町蘭 小説ブログ「メルヘンの園」
ハンドル名小町蘭 さん
ブログタイトル小町蘭 小説ブログ「メルヘンの園」
ブログURLhttps://ameblo.jp/komachi-ran/
サイト紹介文おとぎ話をリメイクした小品を載せています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供19回 / 142日(平均0.9回/週) - 参加 2018/04/13 13:52

小町蘭 さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • 人魚姫⑨
  •  翌朝ニーナ姫の服が海岸に打ち上げられているのを町の人が発見し、町は騒然となりました。町中どこを探しても拾いっ子さんは見つからないので、身投げしたということを皆が信じました。クリストファ王子は元よりそう考えていました。彼は泣きました。「ごめんよ、拾いっ子さん。私はあなたを苦しめたばかりか助けてやることも出来なかった。でも拾いっ子さん、どうして死んじゃうのさ。せっかく生き延びたのに、自らまたその海 [続きを読む]
  • 人魚姫⑧
  •  ニーナ姫が明日消えてしまう事を知った姉達は妹を救おうと考えました。その為にはエスタのところへ行くより他ありません。皆は頷きあってエスタのところへと向かいました。と、その途中父に出くわしました。父はこんな夜中にどこへ行くのだと問いました。娘達は父に話すのを躊躇しました。エスタの追放以来何があってもエスタのところへ行ってはならないと厳しく言われていたので、父に止められることを恐れたのです。しかし誰 [続きを読む]
  • 人魚姫⑦
  •  一方ニーナ姫が去った後のアレックスは顔色も変えずに過ごしていました。しかし時に見せるぎこちない笑顔は周囲に痛々しさを感じさせました。母や友人達は何か言葉をかけてやりたかったけれども、それはなかなか出来ないことで、「拾いっ子さん」とは口にすることも憚られるところでした。そんな時です。ニーナ姫が去って数週間が過ぎた頃、友人のヨハンネスがアレックスに縁談を持ちかけました。それはヨハンネスの気遣いでし [続きを読む]
  • 人魚姫⑥
  •  そんな矢先のことです。美しく踊る啞の拾いっ子さんの噂が広まり、国の王室にまで届いて、王子クリストファが是非その娘を見てみたいとアレックス達の住む町へやって来ました。クリストファ王子は一つ踊りを見せてくれと言いました。ニーナ姫は先日のように溜息の出る程美しい踊りを披露しました。クリストファ王子はその美しさに溜息の出る余裕もなく、瞬く間に恋に落ちてしまいました。クリストファ王子はまだ若い十六歳でし [続きを読む]
  • 人魚姫⑤
  •  その後ニーナ姫はアレックスの店の手伝いをするようになりました。ニーナ姫は「啞の拾いっ子さん」と呼ばれ少し有名になりましたし、大したべっぴんでしたから、店はお客が増えて繁盛しました。ルイーセは病身でしたからニーナ姫が働いてくれて大変助かりました。やがて店はアレックスとニーナ姫できりもりするようになりました。かわいいニーナ姫と毎日近くで接しているアレックスが徐々にニーナ姫に惹かれていくのは自然なこ [続きを読む]
  • 人魚姫④
  •  翌朝、朝日で目を覚ましてみると、どうでしょう、ニーナ姫のあの白いひれが消えて可愛らしい人間の娘しか持っていない美しい白い脚がついているではありませんか。それにエスタの言った予想外のことは起きていないようでした。ニーナ姫の顔はほころびました。「これであの人に会うことができるわ」 そう思って喜んでいると不意に背後から話しかけてくる人がいました。「君、そこで何しているの?」 振り返るとそれはニーナ姫 [続きを読む]
  • 人魚姫③
  •  ニーナ姫はエスタの住処にやって来ました。そこは華やかな珊瑚も海底を飾る水草もない、ただ砂地だけの殺風景なところで、魚もいなく、暗くて薄気味悪いところでした。ニーナ姫は怖さで肩を縮めながらそこにぽつんと佇むエスタの家へ近づきました。「こんにちは、エスタさん。いらっしゃいますかしら」 ニーナ姫が呼びかけると中からエスタが出てきました。黒い髪を高くきつくまとめ上げ、虎のような鋭い眼、やせ気味の身体と [続きを読む]
  • 人魚姫②
  •  海の上へ頭を出した時、ああその感動といったら! 高い高い青天井とその空間の大きさは驚くばかりでした。それからお日様の眩しさ、風に吹かれる気持ちよさ。「素晴らしいわ、本当に素晴らしい世界だわ!」 ニーナ姫はわくわくして散策に出かけました。エマ姫が話してくれた入江に行くと初夏の水遊びを楽しむ子供達がいました。港の方へ行くとアナ姫が気に入った音楽を聴くことができました。夕暮れになるとサラ姫の話してく [続きを読む]
  • 人魚姫①
  •  これはヨーロッパの北にある、海が臨める小さな国のお話です。その国の海の底には人魚の住む王国がありました。王様の名前はルカスといって、ライオンの鬣のように燃えるような黄金の髪と光り輝く金の鱗のひれをお持ちの立派な王様でした。人魚のひれというのはその人物を表す色に変わります。ですからその立派な金色のひれはそれだけルカスの王としての力と権威を表しておりました。ルカスにはユーリアという優しくて美しい王 [続きを読む]
  • 雪姫⑦
  •  夜の森を南へとさまよって一時間程すると、王子達は灯りの漏れる小さな家を見つけました。「あれに違いない。行ってみよう」 王子は家のドアをノックしました。すると中から一人の女が出てきました。しかしその女を見るや否や王子も小人達も言葉を失いました。そこに立っているのはパメラ王妃その人だったのです。「私の顔を見て驚くのも無理ないね。王妃にそっくりだろう」「あなたは一体……」「私はあの子の母親さ。あはは [続きを読む]
  • 雪姫⑥
  •  雪姫を心配して早めに帰宅した小人達は雪姫の亡骸を発見して悲しみに沈みました。小人達は涙を流しながら雪姫をガラスの棺に納め、城へ運ぶことにしました。丁度その頃城には歴訪の旅を終えたジェレミー王子が雪姫を迎えに城を訪れていました。しかし城では昨日から雪姫の姿が見えぬと騒ぎになっており、それを聞いたジェレミー王子も不安に駆られているところでした。そこへ雪姫を担いだ小人達が城へやってきました。魂なき姿 [続きを読む]
  • 雪姫⑤
  •  その頃小人達の家では鉱石掘りの仕事に出かける小人達が雪姫に留守番の注意を行っていました。「気をつけて下さいませお姫様」 緑色の帽子の小人が念押しして言います。「王妃様がどんな使いをよこすかわかりません」 他の小人達も「そうだよ、そうだよ」と言います。「決して知らない人が来たら家の中へ入れてはいけません。物をもらったりするのも絶対駄目です。ああ、大丈夫かなあ、心配だなあ」 水色の帽子の小人がこう [続きを読む]
  • 雪姫④
  •  ピーターに命を助けられた雪姫はピーターの言った小さな家へとたどり着きました。恐る恐る小さなドアを叩くと、中から赤いとんがり帽子を頭に乗せた小人が出てきました。小人は自分の家の前に国のお姫様が立っているのに驚きました。「あなたは雪姫様ではございませんか! どうしてこんな辺鄙なところへ?」「助けて欲しいんです。色々と事情がありまして」「左様でございますか。お話は中でゆっくりお伺いいたしましょう。ひ [続きを読む]
  • 雪姫③
  •  歳月が流れ雪姫が年頃の娘になったある春のこと、王国に西方にあるとある王国のジェレミー王子が、成人し政治に関わる身となった為、諸国への挨拶回りで雪姫の国を訪れました。ジェレミー王子は清婉なる美しい娘に成長した雪姫を見て一目で雪姫に恋に落ちました。彼は雪姫に結婚を申し込みました。愛の告白を受けた雪姫も王子を愛するようになり、雪姫は王子の求婚を承諾しました。「あなたのような方を妻に出来る私は世界一の [続きを読む]
  • 雪姫②
  • そのパメラが、雪姫が生まれて一年が経つ前の、ある秋の木枯らしの強く吹いた日、街の市場で買い物をした後小料理屋へ入って昼食を摂っていると、パメラの近くの席で食事をしている商人らしき二人の男がマリエッタ王妃のことを話すのに出くわしました。二人はこの王国の誰もがするように王妃の美しさを大いに褒めそやしていました。パメラは腸が煮えくり返る思いで二人の会話を聞いていましたが、二のうちの赤いチョッキを着た男 [続きを読む]
  • 雪姫①
  •  昔々、ある北方の地に、若き王リオネルの治める王国がありました。父である先代の王は齢五十で病死し、リオネルは若干二十五歳で王位を継ぐこととなりましたが、民を心から愛する彼は側近達の力も借りながら慈愛に満ちた政治で国をよく治めていました。彼にはマリエッタ王妃という妻がありました。彼女は大変美しい人で、国の民は王妃は女神アプロディテの化身であると噂したほどです。そのマリエッタ王妃が、真冬のある夜、雪 [続きを読む]
  • 桃太郎⑧
  •  しかし親心にはまだ一つ、一人前になった息子において心配事がありました。ある日お婆さんは桃太郎に言いました。「お前、そろそろ結婚を考えておくれよ。来月には十八、もう結婚する歳じゃないか」 そう言われて桃太郎は胸の内に秘めていた恋心をつつかれ、急にもじもじとして黙り込んでしまいました。どうやら勇者桃太郎は恋の場となると軟弱で女々しい男らしい。しかし求婚は男にとって人生一番の大勝負、うかうかしていては [続きを読む]
  • 桃太郎⑦
  • 鬼は金棒を振り上げ、桃太郎は刀を抜き、いざ勝負の時、あたりは緊張と静寂に包まれ息もできぬ心地、そして共に最初の一手を仕掛けようとした、とその時です、檻の中から「やめておくんなせい」と一人の子供が叫びました。桃太郎が檻の方を見ると村人達は桃太郎を応援する素振りなどなく、むしろ何事も起こらないようにと桃太郎だけでなく鬼のことをも案じている風でした。はて、と思った桃太郎がよく周囲を観察すると、檻の前に [続きを読む]
  • 桃太郎⑥
  • さて一行は六夜かけて山を三つ越え、舟に乗って本島から二十キロ離れた海に浮かぶ、ゴロゴロと雷鳴を轟かす黒い雲の絶えず覆いかぶさる薄暗い鬼ヶ島へと到着しました。日の遮られたその島は植物のない寂しい岩山で、日の昇る時刻も薄暗く、濃霧が立ち込め、じめじめと湿り、ほの生臭く、幽霊も近寄らぬと思えるところでした。その陰気さに獣達の顔はこわばり、最も勇敢な犬でさえついて来たことを内心後悔していましたが、桃太郎 [続きを読む]
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