ギトン さん プロフィール

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ギトンさん: ギトンのパヴィリオン
ハンドル名ギトン さん
ブログタイトルギトンのパヴィリオン
ブログURLhttps://ameblo.jp/gitonszimmer/
サイト紹介文漂泊の“うたびと”たち ヘッセの詩とBL詩 自訳と自作
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供25回 / 36日(平均4.9回/週) - 参加 2018/04/17 17:40

ギトン さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • 詩文集(25)――“黒い森”のメルヘン(前篇)
  • シュヴァルツヴァルトの古い百姓屋敷(1898年撮影)       シュヴァルツヴァルト(黒森) 奇妙なほど魅惑的な丘のつらなり 暗色の山々、明るいのはら 赭(あか)い巌(いわお)と褐色の峪(たに) いただきは樅の翳(かげ)を纏(まと)う! とおくで町の鐘楼から慎ましやかな 鐘の音(ね)がひびき、樅を騒がす 風のおとにまじって来れば わたしはいつまでも耳を傾けていられる。 こうしていると、夜な夜な暖炉 [続きを読む]
  • 詩文集(24)――6月の風光のなかで、朝・昼・晩
  • タニウツギ,会津地方(By Qwert1234 - wikimedia comons)       朝 わたしは寝過ごしてしまった 青々とした森の袖(そで)に抱かれて: のはらで遠い叫びがきこえ 眼をこすってひらくと もう明るい真昼だった。 わたしの夢は過ぎ去った あの重苦しい悪夢は! いま わたしの周りはきれいに整えられた世界 わたしのようなさまよう旅人たちを 受け容れる余裕もある里だ。 日よ、おお若き日よ! わたしはおまえ [続きを読む]
  • 詩文集(23)――きみと歩いているとき、時間は止まる
  •       夜間歩行 夜になった:街道には静けさ むこうのほうで河が微(かす)かな波音をたて 鈍い流れは圧(お)し黙った漆黒の 闇をめざして漂う。 河がその底深い寝床でざわめく すっかり不機嫌になって荒れているのだ まるで静かに寝たいのにとでも言いたげに; そしてわたしも彼とおなじくらい疲れているのだろう。 それは夜と異郷をこえてゆく 悲しいみちづれの旅路 圧し黙り、脇目もふらずに足をはこぶ二 [続きを読む]
  • 詩文集(22)――忘れていた匂いに出会うとき
  •      クリスマスのころ 私はクリスマスには好んで旅をする 子どもらの歓声から遠ざかり 雪にうもれた森を歩いていると けっして毎年とはいかないが しばしば自分の最良の時に出会うのだ さまよう森のどこかで とつぜん周りのすべてから 生きかえるような子どもの頃の匂いが蘇(よみがえ)り 胸深く私を包みこむ そして私はふたたび少年になっている…… 私たちは、はじめて訪れた場所に、ふとなつかしい気配を [続きを読む]
  • 詩文集(21)――白い柱列と赤い馬
  •      リラの花こぼれる庭辺(ヴィルラリルラ) 白い胸像を載せた白い柱列 どの小径(こみち)にもリラの香り とびかうツバメはさわがしいほど繁く、 はば広い階段で時が眠っている; アカシヤの花は雪のように降り 見ればテラスの上で枝をひろげている。 壁のくぼみに身を寄せて わたしは杏子の実の落ちる音を聞く 砂地におちた柱列の巨きな影が ゆっくりと入れ替ってゆくのを見る 時はどこへ行ってしまったのだ [続きを読む]
  • いまごろ【自己紹介】です←
  •  申し遅れまして!! º(^^)o ギトンでございます。  いわゆる川向うに住んでおりまして、もうオッサンもいいとこなトシなんですが(艸)、ゲイの子と同居しておりまして、どういうわけか(←)いやがられないで居つかれているので、あっというまに3年たってしまいましたです。  ゲイの日記と言えば、日常を書くことに相場が決まってをるんでありますが、同居人とはカップル未満(出すぎた主張はいたしませぬw)、ノロケを書くわ [続きを読む]
  • 詩文集(20)――輪廻転生のみちすじ
  •         あらゆる死を わたしはすでにあらゆる死を死んできた これからまたあらゆる死を死のうと思う 樹木の中で木切れの死を死のう 山の頂きで岩石の死を 砂の中で土の死を死のう ぱちぱちとはぜる夏の草むらで草の葉の枯死を 哀れな血だらけの人間の死を死のう。 わたしは花に生まれ変わろうと思う 樹木に、草に生まれ変わろうと思う 魚(うお)に鹿に、鳥に蝶に、 どんな形姿をとろうとも 高みへの憧れ [続きを読む]
  • 詩文集(16)――ショパン:ノクターンと雨だれのプレリュード
  • ヘッセのコンサート会場へようこそ!!まずは詩を! そして、ユンディ・リーのピアノを聴いていただきましょう‥      ノクターン ショパン・ノクターン、変ホ長調。高窓の あかりが床にまるい輪をおとしていた。 おまえのきまじめな表情にも 煌々(こうこう)と後光がさしていた。 ひそやかな銀いろの月のひかりが この夜ほど、ぼくの心にふれたことはない 胸の奥深くで、名づけようもなく甘い うたのなかのうたを [続きを読む]
  • 詩文集(19)――ききわけのない幽霊
  •      夜間歩行 くさむらと草原、灌木とのはら だれもが満ちたりて、しずまっている 皆みずからをわがものとし じぶんの夢のなかに沈んでいる 雲はただよい星はひかる 高みからの監視の使命を帯びて 峰は切り立った段をみせ 暗く、高く、はるかに聳える すべてはたたずみ、たしかに存在しているのに わたしだけがあくせくと悩みに駆られ 神のみこころを遥かにはなれ 気もそぞろになお歩きつづけるのだ ヘッセ [続きを読む]
  • 詩文集(18)――崩壊する石仏たち
  • 大津市滋賀里  ある日本の森の谷間で風雨に曝される         太古の石仏 かどはとれ肉はおち、雨と寒さに 傷められ、青く苔むしたあなたの おだやかな頬、閉じられたおおきな瞼(まぶた)は しずかに行く手に向けられている すすんで迎える崩滅、形なく境なき 万象生成のまほろばへと向かう。 なお消え残る物腰が、あなたに託された 王の使命の高貴さを告げているが あなたは湿気と泥と土にまみれ、あらゆる [続きを読む]
  • 詩文集(15)――あこがれる恋と、奪う愛
  •      しらかば(Die Birke) 詩人のこころのからくさ紋様とて これほどこまやかに枝分かれしてはいないかもしれない これほどかろやかに風に撓(しな)りはしないかもしれない これほどけだかく天に立ちあがってはいないかもしれない やさしく、かぼそく、みずみずしく おまえの垂らす白い長い枝は 高鳴る鼓動を抑えつつ ひといきごとに顫えている しずかにゆらゆら揺れている おまえの微(ほの)かなおののき [続きを読む]
  • 詩文集(17)――ヘッセの夜、カフカの夜
  •      真夜中を一時間過ぎて 真夜中を一時間過ぎて 森と遅れた月のほかには目覚める者とてなく たったひとりの人間の魂もまだ起きていない このときひろびろと、巨きなすがたで立ちあがる わたしとわたしの夢たちが住む白い城砦 広間から広間へ、豪奢なまぼろしがうちよせてゆく 夢たちがわたしを訪ねてきたのだ おごそかに巡る美酒の杯、けれど 挨拶の唄と割れるような拍手 をもたらすのは、幕間に現れる気の早 [続きを読む]
  • 詩文集(14)――海と砂丘と湖と
  •      砂丘にて まねき寄せる海の音(ね)にゆられて おまえはしずかに辷(すべ)るように、おまえの人生を溯(さかのぼ)る、 おまえの荒々しい運命が咆え猛るのを聞き おまえの奥深い苦悩が解けてゆくのを感じる。 かつておまえを炎のように燃やしたもの かつておまえを魔法のように衝き動かしたもの それらがいま吹き飛ばされ、こなごなに砕かれる、 なにもかも、砂に寄せる波のたわむれだったのだ。 えみを浮 [続きを読む]
  • ”あなたの歌を聞かせて”
  •      砂丘にて まねき寄せる海の音(ね)にゆられて おまえはしずかに辷(すべ)るように、おまえの人生を溯(さかのぼ)る、 おまえの荒々しい運命が咆え猛るのを聞き おまえの奥深い苦悩が解けてゆくのを感じる。 かつておまえを炎のように燃やしたもの かつておまえを魔法のように衝き動かしたもの それらがいま吹き飛ばされ、こなごなに砕かれる、 なにもかも、砂に寄せる波のたわむれだったのだ。 えみを浮 [続きを読む]
  • 詩文集(13)――クヌルプの思い出に
  •      旅の途上でクヌルプの思い出に   悲しむな、もうじき夜になれば 青ざめた野山のうえで寒そうな月が こっそりと笑いかけてくるだろう ぼくらは手をつないでやすらうとしよう 悲しむな、やすらぎの時はもうじきだ ぼくらの小さな十字架は明るい街道のわきに ふたつ並んで立つだろう そして雨は降り雪は積み 風は往ったり来たり  ――――――――     悪い時 ぼくらは会話もとだえ 歌を口ずさむこと [続きを読む]
  • 詩文集(12)――孤独と友愛
  • 市門(アルトドルフ)     ある夜の徒歩旅行 山間(やまあい)から夜を徹して下りてきたみちは ぼんやりと光るのはらのふちをめぐり 淡い影をおとしているのは闇に沈んだ樹々 古い町のひらいた門に達していた。 長い通りがつづき私はゆっくりとあるいて行ったが 家々のガラス窓はみなまっくらで、ひとさしの 蝋燭の灯りさえ見えない、やすらう場所とてないのだ 街は寝しずまり夜のしじまがひろがっていた。 わたし [続きを読む]
  • 詩文集(11)――神々の廃墟とユートピア
  •      神 殿 そこは墜落した神が深い闇に覆われて 道ばたの丈高い草の中に横たわっている、 そこは暗い木立ちが梢をそよがせ 崩れ落ちた神殿の墟(あと)に悲しくたたずむ。 神々の聖なる御息所(みやすどころ)、年古る糸杉は冷ややかな うたを奏でる、この暑い埃だらけの苦悶の道のかたわらに わたしの重い荷物を降ろさせたまえ! あなたはわたしを知らないでしょう、何年ものあいだ この聖所の静けさから遠ざか [続きを読む]
  • 詩文集(10)――きみが居ることの幸せを知り
  •      春 うす明かりの墓穴のなかで ぼくはもう永いこと おまえの樹々、おまえの青い風、 おまえの匂いと鳥たちのうたを夢見ていた いま、おまえは奇蹟のようにひらかれて 誇りと輝きにみち 惜しみなく注ぐ光を浴びて ぼくのまえによこたわる おまえはぼくを再びその眼にみとめ やさしく引き寄せる おまえが居ることのふるえる幸せが ぼくの手肢(てあし)をつらぬいてはしる 「おまえ」とは、春を擬人化して、 [続きを読む]
  • 詩文集(9)――魂の響きを聴く
  •      終 音 くもはとび、切るような風が 病みあがりのからだを冷やす。 しずかな子どものように わたしは休らぎ、病(やまい)は癒えた。 胸の奥の響きだけが わたしの貧しい愛の残滓(ざんし) 高らかなあらゆる歓びが、いまは声をひそめ さびしそうに消え残っているのだ 風と樅のざわめきのあいだから 聞こえ来る名づけようもないその響きに わたしは何時間も何日も、圧(お)し黙ったように 耳を傾け浸って [続きを読む]
  • 詩文集(8)――カフカの城とヘッセの城
  •      王 子 隣人はみな寝しずまり 家々の窓はみな暗くなった夜半過ぎ まだ頬のほてりも冷めやらず 眠れぬわたしは故国(ふるさと)を喪(な)くした王子 そこでわたしは深紅の夢を身にまとう: 帯に冠、金銀細工 金の縁どりをした裾が 膝でさざめく王族の衣装 いまわたしの心はぴんと伸び 望みと憧れ、力強くまた青じろく、 夜のしじまに声もなく現れるのは 月に照らされた郷愁の国だ ヨーロッパの各地には、 [続きを読む]
  • 詩文集(7)――戦場の友へ
  • 1919年ドイツ・ミュンヘン     夜半に友を想う この禍々しい年は秋が早い…… 夜ひとりで歩いていると、風は帽子に吹きすさび、 雨は音を立てる…… そしておまえは? おまえはどうしているか、わが友よ? おまえはあるいは野辺に立ち、三日月を見ているかもしれない、 小さな弓の形が森を渡って行き 野営の紅い炎と漆黒の谷間、 あるいはおまえは空の下で藁に臥し、眠っているかもしれない、 おまえの額と兵隊外 [続きを読む]
  • 詩文集(6)――漂泊の詩人(うたびと)たち
  • ヘラクレスの泉(アウクスブルク)     流浪者の宿 それはなんと縁遠く、ふしぎなけしきなのだろう 毎晩毎晩途切れることもなく 楓(かえで)の影から冷たく醒めざめと 泉が音もなくあふれつづけるのは そして昨日も今日も、ただよう香りのように 月のひかりが破風を照らし 冷たく暗いそらの高みを、かるがると 雲の編隊がとんでゆくのは! それらはみなしっかりと立ち、存在しているのに ぼくらはひと晩のやすら [続きを読む]
  • 詩文集(5)――いなびかり
  •      呪われたぼくら 移り気な雲はいきなり青ざめて 稲びかりが森の地平を透かし出す 夜の幻影がおまえを幾千の 悪夢の中へと追いやる、蒸しあつく 重苦しい晩夏の宵のまぼろしだ。  それというのも俺たちは炬火の光明に照らされて 乱れ散る薔薇の桂冠を被せ合ったのだから、 おまえは甲(かん)高い官能の笑い声をあげたのだから。 おまえは眠れぬ夜々を運命の宣告のような 時の鐘を数えてすごすがよい。重苦しい [続きを読む]
  • 詩文集(4)――ナイトハイクと歩行愛
  •      美しの女神(シェーンハイト)に(An die Schönheit) あなたの軽やかな御手をぼくらに! なじんだ母の手から引き離されて ぼくらは暗闇の隈をめぐり 見知らぬ国をさまよう子どもたち。 ぬばたまの闇からあなたの歌う 妙なる調べ:故郷(ふるさと)の曲(うた)が聞こえてくれば それは不安なぼくらの行く手を照らし そっと慰めてくれるのだった。 行き先もなく路もなく 果てしなき夜をさまようぼくら;  [続きを読む]
  • 詩文集(3)――血の色ブナ
  •      血の色ブナ(Die Blutbuche) 血の色ブナの若木が立っているのは ぼくの初恋のせいなのだ そうしてぼくの最初の詩(うた)がうまれたとき ぼくはその樹幹(みき)に彫りつけ、じっと眺めたものだ 春を彩る数多(あまた)の樹々のなかで その樹(き)ほど贅を尽くしたものはない これほどあざやかに夏の夢を抱くものはなく またいきなり枯れ落ちるものもいないのだ 血の色ブナの若木が立っている ぼくの夢とい [続きを読む]
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