八朔みかん さん プロフィール

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八朔みかんさん: Nikki Drop
ハンドル名八朔みかん さん
ブログタイトルNikki Drop
ブログURLhttp://nikkidrops.blog.fc2.com/
サイト紹介文オリジナルBL小説ブログです。医師×看護師、調理師×専門学校生、薬剤師×薬剤師。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供19回 / 37日(平均3.6回/週) - 参加 2018/04/20 21:42

八朔みかん さんのブログ記事

  • 過去の記事 …
  • プレシャスデイズ 〜 春の嵐 6
  •  この当たり障りのない返答に肩を落とす成瀬。彼の発した言葉が上辺だけに聞こえたからだが、自分も同じことをしたのだ。『先生で良かった』なんて嘘っぱち。あんな別れ方をした元彼と同じ職場で働くなんて困惑以外の何物でもないのだから……「成瀬君はここへ来て6〜7年経つって聞いたけど、その前はどこで働いていたの?」  松岡が初めて過去について質問してきた。これまで交わした会話は業務のことと ほんの少しの雑談だっ [続きを読む]
  • プレシャスデイズ 〜 春の嵐 5
  •  暖かな陽光が降り注ぐ昼下がり。 午前の業務を早めに終わらせた成瀬は外へ出た。今から行われる花見の準備をするためで、駐車場の隅にある桜の木には既に人が集まっている。 急いで駆け寄ると、馴染みの女性が皺だらけの顔に笑みを浮かべて言った。「走って来んでもよかったのに」「シートを敷くの手伝います」「じゃあ、頼んますね」 ブルーシートを受け取った成瀬は2人がかりで広げた。そして、飛ばされぬよう杭を打ち込む [続きを読む]
  • プレシャスデイズ 〜 春の嵐 4
  •  もしかして急患? と、身が引き締まった成瀬はテーブルに置きっぱなしの携帯に手を伸ばして耳に当てる。『夜分遅くに申し訳ないね』と言う松岡の声音に切羽詰った様子がなく、違ったか…… と安堵していたら『明日の昼なんだけど何か用事がある?』と聞かれた。「いえ、別にないですけど」『実は花見の誘いなんだ』「花見?」『診療所の向こうに大きな桜の木があるだろう? 明日の昼、その下にゴザを敷いて弁当でも食べようっ [続きを読む]
  • プレシャスデイズ 〜 春の嵐 3
  • 「あの年で離婚は寂しいけど、浮気が原因なら自業自得だよな」 朝の残りの味噌汁を啜りながら投げやりに呟く。「もし、こっちへ移住したきっかけもそうなら、どういうつもりだったんだろう。奥さんへの当てつけ? それとも腹いせ?」 箸先が里芋の煮っころがしを捉えて口へ放り込む。この食事、米飯と汁物は自分で用意したが、おかずは近所からのお裾分け。毎日、誰かが診療所に持って来てくれるのを有り難く頂戴している。「そ [続きを読む]
  • プレシャスデイズ 〜 春の嵐 2
  • 「この顔を見て『老けた』と思っただろうな……」 そう…… 鏡に写った50歳の自分は目尻や口角が下がり、皮膚の張りもなくなり、白髪も多くなった。つい最近、合わない老眼鏡を持ち上げて目を細める姿を見られたし、立ち上がる際に「よいしょ」と言ったら二ヤリとされた。その上、高齢者ばかりの過疎地で仕事しかしてこなかったから自分磨きを怠り、髪型や服装、持ち物にも無頓着になって…… と、今の有様に閉口した成瀬は、そ [続きを読む]
  • プレシャスデイズ 〜 春の嵐 1
  •  穏やかな日差しが窓から差し込む午前中の診察室。 成瀬が診察を終えた患者の処置をしていた時、松岡の視線が首元に注がれていることに気がついた。  そこにぶら下がっているのは、恋人の形見の指輪。 今から十数年前、彼が予後の悪い病気にかかっているとわかった時に揃いでつけるようになったもので、数年の闘病生活後、帰らぬ人となった時に細く冷たくなった指からこれを抜き取って自分のものと はめ替えた。それ以後、肌 [続きを読む]
  • 新連載のお知らせ
  • 皆さま、お久しぶりです。この度、【プレシャスデイズ 〜 銀色の指輪】の続編が連載の運びとなりましたのでお知らせします。今度は成瀬視点。酸いも辛いも嚙み分ける中年になった彼ですが、元恋人との再会に戸惑いを隠せません。そんなところを面白がっていただけたらと思います。なお、連載は明日から毎日9時更新。はっきりしませんが、全8話くらい。楽しんでいただけたら幸いです。八朔みかん [続きを読む]
  • プレシャスデイズ 〜 銀色の指輪 最終話
  •  持ち寄り弁当も底をつき、そろそろお開きという頃、松岡はこの村の展望について尋ねてみた。 彼女らは、村人のほとんどが農業・林業で生計を立てているが後継者不足が悩みの種だと口を揃える。このままでは衰退の一途を辿るばかりなので、観光資源を開発して地域振興を図ろうとしているところだと言うのだが……「大河ドラマを誘致できるような歴史上の人物はおらんし」「道の駅を造ろうにも道路が整っていないし」「温泉でもあ [続きを読む]
  • プレシャスデイズ 〜 銀色の指輪 8
  •  滲むような笑みを浮かべて耳を傾ける成瀬。そんな彼を見て二十数年間の距離が縮まったように感じた松岡は嬉しくなってきた。「息子が来たら紹介するよ。昔お世話になった看護師さんと一緒に働くことになったと言ったら さぞかし驚くだろうな」 そして、「写真があるけど見る?」と言うと、スマホをタップして皆に回す。「爽やかやね〜」「背が高か〜」「先生に似とりませんね」と女性陣が感想を口々に述べた後、最後にスマホを [続きを読む]
  • プレシャスデイズ 〜 銀色の指輪 7
  • 「そうだったんだ……」と、自分と別れてからの その後が紐解かれて感慨に耽る松岡。しかし、心の片隅でこんなことも考えてしまう。――― 指輪の男とは、そんな中で出会ったんだな「でも、どうしてここへ来ようと思ったの? 過疎地の看護師になろうと決めた理由は?」「親友が この村の出身者で過疎地の医療現状を聞いたのがきっかけです。その彼が亡くなり『生きる意味』を考えた時、ここを思い出しました。このまま組織の一部 [続きを読む]
  • プレシャスデイズ 〜 銀色の指輪 6
  • 「大層な心掛けじゃなかですか! まだここへ来て日が浅いから、皆 様子見していますけど、信頼されるのも もうじきですよ。ねえ、ひかる先生?」 すると、傍で話を聞いていた成瀬の唇に笑みが浮かんだ。「僕もそうでしたけど、一旦心を開いてくれると親戚の様に気さくに応じてくださいますから。ほら、ここにいる皆さんみたいに。だから、心配されなくても大丈夫です。それから津原さん、その『ひかる先生』っていうの止めてくだ [続きを読む]
  • プレシャスデイズ 〜 銀色の指輪 5
  •  松岡が桜の下に辿りつくと、皆からシートに上がるよう勧められ座布団に座った。目の前には女性たちが持ち寄った重箱が並んでいて、蓋が次々と開けられる。 山で採った山菜入りのちらし寿司に畑で採れた野菜を使った煮しめや かき揚げ、筍の木の芽和えに巾着かぼちゃ、出し巻き卵に桜餅……etc どれも心のこもった手作りで、彼女らのもてなしの気持ちを有り難く感じた松岡は不覚にも目頭を熱くしてしまった。 ここへ赴任する前 [続きを読む]
  • プレシャスデイズ 〜 銀色の指輪 4
  •  春のうららかな日差しの中、午前の診察がひと段落付いた松岡は診療所の出入り口に立って大きく伸びをした。 広さばかりが目に付く駐車場の片隅に、樹齢50年の桜の木が両手を伸ばして薄紅色の花を咲かせている。ここ数日の間に5月上旬の温かさが続いたため一気に開花し、今が見ごろ。明日になれば花びらが散り始めると危惧しての今日の花見となったが、それが正解だったな…… と、松岡はブルーシートを敷いている女性陣と成 [続きを読む]
  • プレシャスデイズ 〜 銀色の指輪 3
  • 「【おとこおんな】だって!?」と聞き返した声が大きいとばかりに、人差し指を唇に当てて睨まれる松岡。「今時の言葉で【ゲイ】って言うとですか? 本人がそう言っていました」「彼、カミングアウトしたんだ……」「カミング……?」と怪訝そうな顔をする女性をよそに『まさか、村人に公表するなんて……』と成瀬の覚悟の様なものを感じた松岡は息を呑む。「でも、いきなり告白されて驚きませんでしたか?」「わたしゃ人づてに聞 [続きを読む]
  • プレシャスデイズ 〜 銀色の指輪 2
  •  成瀬の態度でそれが結婚指輪だと確信した松岡は、彼が隠した理由を考えた。 かつての恋人に異性と結婚したことを知られるのが気まずいのか? と勘ぐってみたが、どうも腑に落ちない。何故なら、彼には家族がいなかった。診療所からさほど遠くない場所にある農家の離れを借りて一人暮らしをしているのだから。 ならば、単身赴任中? 首からぶら下げているのは清潔保持の為? などと憶測したけれど何故かしっくりこなくて、松 [続きを読む]
  • プレシャスデイズ 〜 銀色の指輪 1
  •  松岡の視線がある物を捉える。それは成瀬の首元から覗くネックレス。そこに垂れ下がっていたのがシンプルな銀のリングだったので、松岡は思わず目を見開いた。――― コイツ、結婚していたのか!? ここへ赴任して2週間が過ぎたが、成瀬とは当たり障りのない会話しかしていなかった。自分と別れた後、どこで暮らしていたのか? 仕事は? どうしてこんな僻地の診療所で働くようになったのか……等々、聞きたいことは山ほどあ [続きを読む]
  • 新連載始めます
  • ブログ村の皆様、お久しぶりです。実は、明日から連載を開始することになりまして、それをお知らせするためにブログ村に再登録して舞い戻ってきました。【裏切りは蜜の味】の続編です。松岡と成瀬が別れて20数年後。過疎地の診療所で再会したその後の話で、お互いどう接していいのか分からず相手を様子見している姿を描いています。松岡視点、全9話、毎日22時更新。ほぼ60才×ほぼ50才の中年カップルではありますが楽しんでいただ [続きを読む]
  • お知らせ
  • いつもお世話になっていますNikki Dropの八朔みかんです実は大切なお知らせがありまして、3月28日を持ちましてブログ村から一旦抜けることにしましたこちらではしばらく連載をしない為で、また新たな話を始める際に再登録する予定ですこれまでランキングバナーを押して応援して下さった方、ありがとうございましたなお、ブログは生きていますのでちょこっとした小説をアップすることもあるかと思いますなので、たま〜に覗いていた [続きを読む]
  • 非常階段の恋人 〜 あとがき
  • 1年半かけて連載していた【非常階段の恋人】もようやく終わりました。読みに来てくださった方、拍手やポイントを押してくださった方、コメントを寄せてくださった方、本当にありがとうございました。いかがだったでしょう?満足のいくラストになったでしょうか?大まかなあらすじを考えただけでスタートし(攻めと受けと脇役を考えて、話の舞台を決めただけ)、その後はその時の気分で書き連ねていったため、どこに着地するのか3 [続きを読む]
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