gekkolu さん プロフィール

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gekkoluさん: 月は見えているか
ハンドル名gekkolu さん
ブログタイトル月は見えているか
ブログURLhttps://ameblo.jp/gekkolu/
サイト紹介文突如として月に出現した謎の機械群と地球世界の四半世紀を超える戦いの行方は・・・
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更新頻度(1年)情報提供14回 / 24日(平均4.1回/週) - 参加 2018/05/04 02:03

gekkolu さんのブログ記事

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  • 「その日の夜に、月を見上げて」 九十六
  •   第一分隊の先鋒は、俺の前方100メートルでトラップの解除作業をしていたはずだ。 そこで起こった爆発は眩い閃光を拡散しながら衝撃波とともに俺達をも吹き飛ばした。 この辺りのように瓦礫や鉄材などが積み重なった場所では、これらが莫大な運動エネルギーを獲得して宙を飛び、破砕効果を倍増させて殺傷能力を向上させる。 事実、俺の周囲にもそれらは降り注ぎ・・・俺は幸運にも被弾しなかったが・・・第三分隊の仲間 [続きを読む]
  • 「その日の夜に、月を見上げて」 九十五
  •   意外なことに、浜辺に砂塵はなく、視界は良好だった。 内陸の「ビーバー砦」の異名を頂くもとになった、巨大な壁と言うか断崖と言うか絶壁と言うか、月からの爆撃の影響で決壊した三峡ダムから押し寄せた大泥流とともに押し寄せた瓦礫やら鉄骨やらの堆積した異様な光景まで伺える。 その時、この都市部は大泥流の到達以前にアメリカの反撃で亜純粋核融合弾の複数弾頭の地上爆発で壊滅していたわけなんだが・・・つまりこの [続きを読む]
  • 「その日の夜に、月を見上げて」 九十四
  •    なんて、カッコよく担架切ったものの、俺は実は体力増進訓練の期間中あわや脱落って窮地に陥ったことがある。 俺が放り込まれた第2機動騎兵連隊第8訓練隊の24名は砲術にいたのとか主計だったりのとか色々いるんだけど、それでもほとんど全員が海防軍入隊と同時に陸防軍と同様の、この基礎訓練を消化した連中だったから、まあ言ってみれば慣れた訓練メニューで余裕綽々って感じだったんだけど、そんな阿修羅みたいな集団 [続きを読む]
  • 「その日の夜に、月を見上げて」 九十三
  • 2071年11月9日 中国大陸沿岸部某所  砂塵が舞っていた。 まったく、海岸から7キロも離れてるっていうのにこの有様じゃ、上陸した後も視界不良でまともに展開できなくなるんじゃないかって、俺はテッパチと呼吸支援防塵装置及び多目的戦闘ゴーグル一体型フルフェイスマスクですっぽり覆われた上に、シェルドライスーツのフードまで被っちゃってて宇宙人のロボット見たくなった頭で空を仰いだ。 大気中に渦巻く [続きを読む]
  • 「その日の夜に、月を見上げて」 挿話十五の二
  •   かつて月科学都市主義者達が回廊と呼んだ、この呪われた地下通路に初めて足を踏み入れた彼ら彼女らは月面車による三日間の行軍の後にアルファ基地に到達したという。 その当時の地下通路は照明もなく月科学都市主義者達は先頭を行く月面車の鼻先に緩衝用のブームを取り付けて万が一の事故に備えたのだ。 それこそ川代レポートが語るように平均時速40キロで呑気にドライブなんてのは眉唾物じゃないかと思えてしまう。 あ [続きを読む]
  • 「その日の夜に、月を見上げて」 挿話十五の一
  •    挿話 始まりの迷宮・・・地下通路二日目 2071年6月11日  装甲月面車は前進を続ける。 暗黒に包まれた地下通路を24両の装甲月面車が隊列を組み、無灯火で前進を続ける。 昨日、日本国航空宇宙防衛軍とアメリカ宇宙総軍混成艦隊によるセモード部隊がエドルの有力な地下生産施設に対して強襲降下を敢行した。 降下したセモード部隊と、これを迎撃するエドルの群れとが破壊の限りを尽くし合い、月の静寂を [続きを読む]
  • 「その日の夜に、月を見上げて」 九十二
  • 何て言うか、ちょっと気まずい沈黙が続いた。 俺は、正直なところ、急な招集の覚悟はできていたんだけど、母親との別離という事態が訪れる時、その時にどのような態度を示せば良いのかということに思いを寄せることを意識的に避けていたような気がする。 ある日突然に招集がかかり、吉川静治はいついつどこそこに出頭せよみたいな辞令を受けてから、その日が招来するまでには幾ばくかの猶予があって、その中でお互いに折り [続きを読む]
  • 「その日の夜に、月を見上げて」 九十一
  • そうして俺は、まず最初に棟内の被服課へ連れていかれ、海上防衛軍の制服に着替え、どでかいバックに予備の制服だの下着だの洗面道具だのを詰め込んでもらい、お次は経理課で入隊時の支度金を支給され・・・現金は必要最低限所持して、残りは防衛軍戦時銀行に貯金することを勧められたので、そうすることにした・・・その他いろいろ手続きを踏んでからようやくおふくろの待つ応接室へ石塚海将補殿直々に案内していただくこと [続きを読む]
  • 「その日の夜に、月を見上げて」 九十
  •  街の景色が流れる。 函館第一高校が建つ八幡坂を下り、十字街の街並みを抜ける。 ・・・あ、あそこのアーケード街の角・・・ ああ、あそこは優香に張り倒されて俺がひっくり返った通りだな。 あそこで俺が女子相手に何かやらかしているって勘違いされた花巻艦長殿御一行とのファーストコンタクトがあって、それから不思議な縁で海防軍司令部屋上でカモメ達に餌付けをするようになって・・・あの時の優香の笑顔がたまらな [続きを読む]
  • 「その日の夜に、月を見上げて」 八十九
  •   校長室で俺は、卒業証書を受け取り、志願に関するいくつかの書類にサインし、石塚海将補殿から招集後の簡単なレクチャーを受けた。 石塚海将補殿がおっしゃるには、必要なものはすべて防衛軍からの支給があるから身一つで出頭しても支障はないが、もしも必要なものがあるなら途中で家によっても構わないとのことだったんだけど、俺は丁重にそのご好意を辞退した。 確かに持って行きたいものは、それなりにあるんだ。 函 [続きを読む]
  • 「その日の夜に、月を見上げて」 八十八
  •  「それじゃあ、行こうか」 今まで沈黙を守っていた鈴木先生が俺を促した。 いつもと同じ、ちょっと飄々した素振りがいかにも鈴木先生らしいなって俺は思った。 実際のところ鈴木先生が俺の出征に対して、どのようなお考えなのかをはかり知る術はない。それでも鈴木先生がいつも通りの様子でいてくれてるのが俺にはありがたかった。  出征は、何も特別なことじゃない。 その時が来れば、行くべき奴は行かなけりゃならな [続きを読む]
  • 「その日の夜に、月を見上げて」 八十七
  • 教室に姿を見せたのはお三方。 担任の佐竹先生と、学年主任の鈴木先生。 そして海上防衛軍の制服に身を包んだ函館根拠地隊の副司令を務めておられる石塚孝海将補が連れ立って教壇に登ったものだから、あまりの物々しさで教室の全員が水を打ったように静まり返った。 これから何が起きるのか、わかり切った状態だったな。 そして、佐竹先生が強張った声で俺の名前を呼んだ。 「吉川志願生、荷物をまとめて教壇へ立ちなさい [続きを読む]
  • 「その日の夜に、月を見上げて」 八十六
  • 「あれですよ」 そう一息ついてから斎藤君が話し始めた。 「第四次月派遣艦隊が大損害を被ることになった憑依現象対策ですよ」 それは忌まわしい、第四次月派遣艦隊の悲劇だった。 一般には戦術的には大損害を被ったが、戦略的には大勝利だったと・・・ずいぶんと矛盾した話だけど・・・連合宇宙軍では反撃への契機になった一大反抗作戦だったってことになってる、地球世界が月事変勃発後、初めて実施した本格的な大攻勢 [続きを読む]
  • 「その日の夜に、月を見上げて」 八十五
  •   俺は、八幡坂を登りきるために朝っぱらからほぼ全力を使い果たし、干からびたスルメみたいに生気の欠片もない眼で教室のドアを開けた。 いつもと同じ朝の始まりだった。 何人かの顔見知りが声をかけてくれて朝の挨拶をしたり、渡辺さんやら岡本さんやらの生暖かい眼差しと義務的な「おはよう」の声に応えたりしながら自分の席へと辿り着く。 多盛川の方へ視線を向ける度胸はなかった。 やっぱり、あの一件が、どうしよう [続きを読む]
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