suzuro さん プロフィール

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suzuroさん: すずろーぐ
ハンドル名suzuro さん
ブログタイトルすずろーぐ
ブログURLhttp://suzuro.work
サイト紹介文精神医学とその周辺の話題を思いつきで気もそぞろに書き記していきます。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供26回 / 184日(平均1.0回/週) - 参加 2018/05/31 12:31

suzuro さんのブログ記事

  • 対人援助職のひとが幸せになりにくい理由
  • 精神保健の支援者向けに講演をすることがあったので、 いろいろ考えたことをまとめてみました。支援者を支援することうちの精神科クリニックには、悩みを抱えた対人援助職のひとが数多く訪れます。ダントツで多いのは保育士さん。ついで介護士さん、教員、看護師、作業療法士、理学療法士、社会福祉士、心理士などなど。同業の精神科医療従事者も多い傾向にあります。患者さんや支援の対象になるひとたちの権利が保たれるようにな [続きを読む]
  • ASDと定型発達が共感するまでのプロセス
  • 以前の記事(ASDをもつひと同士は共感しやすいのか?)では、自閉スペクトラム症(ASD)をもつひと同士、定型発達(TD)のひと同士、つまり似たもの同士は共感しやすいということについて書きました。では、ASDをもつひととTDのひと、違うタイプのもの同士が共感し合うにはどうすればよいのでしょうか?一般的にはASDのひとへの対応方法として視覚化しましょう。見通しを立てましょう。具体的に説明しましょう。などなどよく聞くフ [続きを読む]
  • 不登校の対策として「子ども部屋」を活用する
  • IKEA>キッズ>お部屋のアイデア自律を育む子ども部屋の機能前回(自立はややこしいので、とりあえず自律しておこう)紹介した環境心理学者の北浦かほるは、自律とプライバシー意識を形成していくために、子ども部屋が果たす機能を4段階にまとめています。ひとりで考えごとをする空間をコントロールする自分の行動を選択するプライバシー情報をコントロールする住まいの絵本にみる子ども部屋: 自律をうながす空間の使い方北浦 かほ [続きを読む]
  • 自立はややこしいので、とりあえず自律しておこう
  • 自立と自律の違い日本語では読み方が同じ「じりつ」なのでまぎらわしいのですが、自立と自律は全然違います。英語では、自立/自律は、independence/autonomy なので、全く別モノであることがよくわかります。自立 independence【in - dependence】【in】は「否定」、【dependence】は「依存」原義は「依存しないで生きていく」です。つまり、誰にも援助されず依存せず、独立していることとされています。自律 autonomy【auto - n [続きを読む]
  • ASDをもつひと同士は共感しやすいのか?
  • 共同作業によってシンクロする脳MRIはひとりで測定するものだと思っていたのですが、最近は2人の脳機能を2台のfMRIで同時に測定する実験ができるみたいです。『「私たち」の脳科学に向けて : 2個人同時計測MRI研究』定藤規弘|自然科学研究機構生理学研究所それによると、2人で共同作業をしているときに、シンクロして作動する脳部位(右下前頭回)が特定されましたが、ASDをもつひととペアを組むとシンクロが起こらなかったようで [続きを読む]
  • 俯瞰の過剰がまねく4つの問題
  • 俯瞰の過剰がまねく4つの問題「過剰な共感」は、対象との距離が近すぎてしまうことによって生じ、様々なデメリットを引き寄せます(共感のダークサイド)。なので、対象との距離をとって状況を俯瞰して見ることによって、冷静かつ客観的に状況をとらえ、問題を整理し、見通しを立てることができるようになる、というメリットがあります。ところが、「灯台もと暗し」という言葉の通り、過剰な俯瞰もまた様々なデメリットを引き寄せ [続きを読む]
  • センセイはASD。
  • フラットな人間関係/ヒエラルキーの人間関係自閉スペクトラム症/ASDをもつひとは友人関係などフラットな人間関係が苦手だったりしますが、ヒエラルキーにおける上下関係なら比較的うまくやれたりします。フラットな人間関係はルールが不明瞭でコロコロ変化するので臨機応変な立ち回りが必要になったりしますが、ヒエラルキーの上下関係はルールが明確で固定的かつシンプルなので見通しを立てやすいからです。最もわかりやすい上 [続きを読む]
  • 認知の歪みvs抑うつリアリズム
  • うつ病の原因は本人の素因よりも環境要因が重視されるようになってきました(職場はうつ病の玄関口か?)が、いま流行ってる認知行動療法の基本的な考え方である「認知行動モデル」はそれと対立する部分があったりします。うつ病の認知行動モデルこころのスキルアップ・プログラム認知行動モデル|認知 > 感情認知行動療法のコンセプトである「認知行動モデル」は、環境よりも「認知」つまり「モノのとらえ方/自動思考」が極端に [続きを読む]
  • 職場はうつ病の玄関口か?
  • うつ病が増えた原因としてSSRIが発売されたこともひとつの要因でしょう(SSRIを飲めばハッピーになれる?)が、今回はそれ以外の要因についてまとめてみました。ホンモノのうつ病とは?最近はすっかり、うつ病は「ストレスの病」として認識されていますが、もともとうつ病はめずらしい精神病の一種でした。僕が精神科医になった当時はメランコリー親和型のひとに多い「内因性うつ病」こそがホンモノのうつ病だと言われていました( [続きを読む]
  • SSRIを飲めばハッピーになれる?
  • 前回は「秩序を重んじて、律儀で、几帳面で、責任感が強い」というメランコリー親和型の特性が、現代社会においてはリスクになっているかもしれないことと、「すばやく変化できる柔軟性、したたかな能動性」という特性が有利になるかもしれない、ということを書きました。後者はかつてピーター・クレイマーが「ハイテク資本主義に適合する人材」として記述した特性で、世界で最初に発売された新しいタイプの抗うつ薬/SSRIであるプ [続きを読む]
  • 伽藍にとらわれる統合失調症、バザールに順応する発達障害。
  • 内海健『ADDの精神病理』から考える。その① ADDの症候学と診断基準の見直し内海健『ADDの精神病理』から考える。その②ADDの代償行動と二次障害について前回までに紹介した内海先生の講演を通して、今回はいろいろ考えてみました。内海健の変遷もともと内海先生は統合失調症の病理学がご専門で金字塔的な仕事があります。研修医の頃は聖典にしてたりしました。スキゾフレニア論考―病理と回復へのまなざし内海 健星和書店2002-10 [続きを読む]
  • 内海健『ADDの精神病理』から考える。その②
  • 前回は内海健先生の講演『ADDの精神病理』で症候学や診断基準の再検討についてまとめました。今回はひきつづき、代償行動や二次障害についてまとめてみます。青年期の発達障害は特性そのものよりも、それをどう代償しているのか、いかに二次障害を防ぐことができるか、がとても重要です。目次ADHDの代償行動/Coping二次障害/『ドラえもん』から『闇金ウシジマくん』へ二次障害としての『dysphoria』ADHD症状とクリエイティビティ [続きを読む]
  • 内海健『ADDの精神病理』から考える。その①
  • 先日、日本を代表する精神病理学者である内海健先生の講演をみてきました。タイトルは『ADDの精神病理』です。とてもよい刺激を受けたので紹介しつつ理解を深めていきたいと思います。内海先生は以前ASDの精神病理について書籍を出版されて話題になりました。今度はADHDについて取り組まれているようです。自閉症スペクトラムの精神病理: 星をつぐ人たちのために [単行本]内海 健医学書院2015-11-24講演のタイトルはADD(不注意優 [続きを読む]
  • 共感のダークサイド
  • いいことずくめのようにみえる共感にもダークサイドがあるようです。目次共感の時代?精神科医の仕事は共感すること?共感によって失われるもの共感に抵抗することがむつかしい理由 共感の時代?共感の時代へ―動物行動学が教えてくれること [単行本]フランス・ドゥ・ヴァール紀伊國屋書店2010-04-22動物行動学者のフランス・ドゥ・ヴァールは、チンパンジー社会でも観察できる共感能力が、ヒト社会において薄れているのではない [続きを読む]
  • 共感するロボットを設計すること
  • 目次ロボティクスによる発達の理解ロボット工学(ロボティクス)という思考法人工共感の設計カウンセリング・ロボットの可能性ドラえもん療法ロボティクスによる発達の理解Asada Laboratory Emergent Robotics Laboratory共感というシステムは生物種を越えて拡張可能であるだけでなく、ロボットでも可能になるということで、人工的に共感するロボットを設計するというおもしろい試み「情動発達ロボティクスによる人工共感設計に向 [続きを読む]
  • 共感の起源としての群れ/共感を媒介するオキシトシン
  • 前回は「ふたつの共感」についてまとめました。今回は共感の起源とオキシトシンとの関係をまとめてみました。目次共感の起源群れから社会へ共感を媒介するオキシトシン共感の拡張性は?共感の起源群れのメンバーが近接した距離で共存し,安定して群れの移動が維持されるためには行動を同調させる必要がある。「オキシトシンによるヒトとイヌの関係性」菊水健史(PDF)この論文によると、動物における群れの機能が共感の起源と関連 [続きを読む]
  • 共感のバランス
  • 「共感」という言葉は当たり前のように使われ過ぎていて、深く考えることがなかったりします。あらためてよくよく調べてみると、けっこうややこしくて奥が深いモノだったのでまとめてみます。EEとCE、ふたつの共感まず、共感は大きく分けて2種類あります。①情動的共感(Emotional Empathy:EE) ②認知的共感(Cognitive Empathy:CE)①EEは、相手の感情に自らも同調して生じる共感です。古い系統発生の原始的なシステムで、生 [続きを読む]
  • 色彩感覚からの共感能力
  • ASDのひとは黄色が苦手?自閉スペクトラム症(ASD)の症状のひとつである感覚過敏は、普段の色の好みにも影響しているのか、という研究。正高信男 霊長類研究所教授、マリン・グランドジョージ レンヌ第一大学講師らの研究チームは、自閉症スペクトラム障害(ASD)の特徴の一つと考えられる知覚過敏の中でも色彩に着目し、ASD児の色彩感覚にどのような特徴がみられるかを調査しました。http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/resea [続きを読む]
  • オオカミの社会性、イヌの定型発達症候群
  • 出典:オキシトシンによるヒトとイヌの関係性 菊水健史(PDF注意)エライ人に従順なひとのことを「◯◯の犬」 とバカにしたりしますが、いいオトナになっても「社交辞令のひとつも言えやしない」不器用なひともいたりして、なかなかどうして犬の社会的能力はあなどれないのです。というわけで、最近はイヌについて勉強しています。イヌ どのようにして人間の友になったか (講談社学術文庫) [文庫]ジョン.C・マクローリン講談社201 [続きを読む]
  • 直立二足歩行からの観光、サルコペニアについて。
  • wikipedia /Human Y-chromosome DNA haplogroupホモ・サピエンスの拡散速度最近、人類史に興味があって読書に励んでいるんですけど、ホモ・サピエンスの何がスゴイって、その移動速度なんですよね。アフリカで誕生してからめちゃくちゃ短期間で全世界に拡散したわけです。もちろん、当時は乗り物なんてないわけで、歩いて全世界を踏破したわけです。つまり、ホモ・サピエンスの移動能力が優秀だったからこそ、驚異的な速度で全世界 [続きを読む]
  • 子育て神話の呪縛
  • 話題の子育て本を読んでいると、とても興味深いことが書いてあったので紹介いたします。「子育ての大誤解」タイトルはかなりアホっぽいのですが、意外とエビデンス重視の骨太な内容の分厚い本でした。子育ての大誤解〔新版〕上――重要なのは親じゃない (ハヤカワ文庫NF) [文庫]ジュディス・リッチ・ハリス早川書房2017-08-24子育ての大誤解〔新版〕下――重要なのは親じゃない (ハヤカワ文庫NF) [文庫]ジュディス・リッチ・ハリス [続きを読む]
  • 「イエ」の呪縛について
  • イングルハートの価値マップ visual representation of World Values Survey「世界価値観調査」の視覚的表現国民性による価値観の違いをマッピングして俯瞰すると何がみえてくるのか?アメリカの政治学者ロナルド・イングルハートは、全世界の人々の価値観をプロットするために、ふたつの文化的な対立軸を設定し、大規模なアンケート調査を行いました。縦軸は、「伝統的価値 Traditional Values」と「世俗ー合理的価値 Secular-Rat [続きを読む]
  • 自閉スペクトラム症のグレーゾーン問題
  • 平等 equalityと公平 equityの違いの図です。公平の図では、結果が平等になるように箱を積み上げて高さを調節しているのですが、身長は実際には連続的に変化しているので、箱単位では公平さは保たれません。例えば、左端の水色のひとがもう少しだけ身長が低ければどうなるでしょう?このように、ちょっとだけ身長が低いひとが最も公平ではなくなってしまいます。公平にするために箱をひとつ積むか2つ積むか、あるいは積まないか、 [続きを読む]