a.o さん プロフィール

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a.oさん: a.oブログ
ハンドル名a.o さん
ブログタイトルa.oブログ
ブログURLhttp://areiookuma.hatenablog.com/
サイト紹介文創作文章(ショートショート) 詩 個人的哲学 などを公開しています。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供43回 / 17日(平均17.7回/週) - 参加 2018/06/08 16:51

a.o さんのブログ記事

  • 夜半過ぎ
  • 夜半過ぎ、石畳の小径の向こう側から静かな音色が聞こえた。音は一粒一粒が小さな星のように揺れていた。女は、癇癪持ちの骨を起こさないように魂だけゆっくりと起き上がり、戸口をそっと抜け出でて、石畳の上を泳いでいった。ほのかな音の粒を追ってゆくと、森のすぐそばに焚き火が見えた。焚き火の周りをいくつかの魂たちが囲んでいる様子で、静かながらもざわめきが感じられた。一人の人物が弦楽器で音を紡いでおり、小さく [続きを読む]
  • 宗教勧誘の断り方と創価学会あれこれ
  • 創価学会について書いたのなら、創価学会及び宗教の勧誘の断り方を書かないと話が締まらないという気持ちに駆られ居ても立ってもいられなくなった。しかし私の性質上、話を推敲せず思うまま書くので、実際の断り方のアプローチだけを読みたい!という方は…☆☆☆←このマークまでスクロールしていって結末だけ読んでください。創価学会は普通に断ればいい…のではない。彼等は一種のマゾヒストであり、逆境に居て「戦っている [続きを読む]
  • 宗教と家庭
  • 宗教の話をすると人が逃げて行くが、その割に神社仏閣には利益を求めているようで、私はそのあたりの事情が未だによくわからない。私の育った家庭では、父は無宗教。母は創価学会をやっていた、それも母の両親の代から。母の両親は戦争体験者だ、母方の祖父は戦争時馬に乗っていたらしいが、その辺りの事は本人は一切語らず、代わりに題目を唱えていた。神社参拝への不信感から新しい思想に没入したのだと思う。創価学会をやっ [続きを読む]
  • 浮いちゃう人
  • 子供の頃、こういう雨の日に襲われた。今日みたいな雨の日もあったし、もっと轟音の雨の日もあった、奴らは卑怯だ。人間は屑だという意識が湧き上がる。どこへ行っても集団の中で大概浮くので、人との繋がりというものに何故そこまで熱くなれるのか不思議で仕方が無い。恋人、という関係も二人ひと組のように語られるがその実それ自体が幻想で、いつまでも一人に過ぎない。昔から一人で居た、何故と問われても返事のしようがな [続きを読む]
  • 一番困っていること
  • ちょっと怖いなあと思っていた人にまっすぐな笑顔を向けられ、意外なほど何かが通じ合い、自分が人見知りしていたのだと気付いたことが最近2度もあった。今までわからなくてすみません、あなたを知ろうともせずに居てごめんね。そのうち一人は職場の人なので…せっかく仲良くなれたのに来年には私もう居なくなる、あなたはもっと笑った方がいい、私ももっと人を見た方がいいね…なんだか切ない。人の中身を知るには自分から知 [続きを読む]
  • ハーレム主義と唯一の相手
  • 「一緒に死んでくれないか」という頼み事は互いに心からそう望んでいた場合強烈な快楽をもたらす。同意の死は生きることとは真逆なのに快楽なのだ。性に於いても唯一の人を探すのが真実の愛のように語られる。同意の性、唯一の人を互いに探し出せた人こそが善人のように語られる。一緒に死ねる人と共に死んだり生きたりするのが善であるという風に語られる、果たしてそうだろうか。私は多分手術をすると思うが…その後の股の開き具 [続きを読む]
  • 100人に一人
  • 整形外科医に、階段の上り下りの時に痛む事があり、この調子で60歳までのあと20〜30年過ごすのは困難だから、骨切り術(寛骨臼回転骨切り術)をやりたいと申し出る。昨今は、若い人も人工股関節化しているようだが手術を繰り返す(入れ替えが必要なため)度に歩行成績が落ちるという話もある。そういうわけで骨切り術かなあと思い、私の臼蓋形成不全を見抜いた目利きの整形外科医に相談してみたのだ、ついに。目利き整形外科医は意 [続きを読む]
  • 客室の舞い
  • 朝のホテルは薄暗い。外階段側のドアを開け、機能するのかどうなのか不明の非常ベランダの扉も開ける。この二つを開けると通路に光が差し、さらに空になった客室のドアを開ければ客の残り香が消えて行く、一つ一つの部屋がきちんと死んでゆく。その時客室はまだ少しだけ生きていて、その芽をつまんでゆく。歯ブラシ、ティッシュ、くずかごの中に埋もれた瓶と缶を取り出して分別し、ベッド下にわざわざ置かれたコンドームにぶつく [続きを読む]
  • 骨切り手術に至るまでの思考模様
  • 鳥になりたいので唐揚げを作って食べている、ニンニク醤油唐揚げの大葉のせ。鳥になるのは舞い上がるためだ、俯瞰するためだ、身体の内に居てはならない、思考模様が見えない。臼蓋形成不全で骨切り手術しようかと考えている。2ヶ月ほどの入院、半年ほど松葉杖らしい。なんだかんだで100万くらいかかるんじゃないのか、ローンは通るのだろうか、通らない場合手術自体出来ないのだが…。まだほとんど調べていない、何もかも [続きを読む]
  • 「今」の制作手順
  • 「今」の制作手順をご紹介します。今の空気、今の味、今の景色をかき集め、緩やかに、無限記号を描くように「今」をひとつの球状の物体にします。「今」が物体になったのを感じ取れたら、その今を、両手でこねていきましょう、少し根気の要る作業です。「今」というものをこね終えたら、しばらく空気を吸わせ、膨らませます、歌を聴かせるのもよいでしょう。「今」が空気やあなたの声を吸って勢いよく膨らみ、円形になったら霧 [続きを読む]
  • カラスの森
  • 少年はカラスを捕まえていた。寺院までの道のりは長かった、それまでに何羽捕まえられるか少年は楽しんでいた。寺院に併設された広大な敷地の内ほとんどが、庭園になっていた。その庭園から見えないように、数の増えすぎたカラスは捕らえられ、網の張られた簡易小屋に入れられ、処分される日を待っていた。少年は少年で口減らしのために幼少期から寺院に預けられていた、カラスを処分するのが彼の役目だった、彼はその役目を楽しん [続きを読む]
  • 影は海の色をしている
  • 真夜中、影と話をした、影は身体の奥深くに潜んでおり日中は出てこない。稀に、日中でも影として立ち現れ、それを見た人を酷く混乱させるらしい。影は言う、「人間はすべからく近親殺しの末裔だ」、影は叫び声を好む。影は海の色をしている。死んだ人間が子を成すことは無い、嬰児殺しが、親殺しが、血縁殺しがどれほど行われてきたのかどうして隠そうとするのだと影は言う。骨の髄に組み込まれているのだよ、同族殺しの血が、 [続きを読む]
  • 死後空港
  • 「死後空港」は広大だった。女は意識が遠のいてからの日数を覚えておらず、気がついたらこの空港へ来ていた。自分の肉体が、あの趣味の良い静かな家の中で腐敗し、破裂し、どこからともなく小さな虫たちが湧き出でて、彼等の新たな王国の苗床になっていることなど女にとってはもう些末な事柄だった。はじめのうち女は自分がいつのまにやら空港に来ていること、股関節も痛まないこと、何やら若くなっているらしいこと等を訝しがっ [続きを読む]
  • ギター
  • 洞窟の中は湿っていた、女はそれとなく洞窟内の岩肌に手をついたが、何かが這うような気配を感じ手を引っ込めた。「呼ばれている」嫌な予感は拭えなかった。カラスが一回鳴いた、大丈夫という意味だ。外のカラスが二回鳴いた、まだ大丈夫という意味だ。木々の遠くからカラスが三回鳴いた、この場所なら大丈夫という意味だ。カラスの呼応に女も答えたかったが、それに対する声を女は持たなかったので無言のまま洞窟内に進んだ。 [続きを読む]
  • 洞窟
  • 神託はいつも「今」と出た。洞窟のすぐそばの祭壇で女はカードをめくり、自分が神託を引き始めてからというものずっと、この神託の結果が変化しない事について、不思議さを通り越し女は半ば呆れていた。外は快晴だった、南洋特有の甘く腐ったような匂いは女を含め、肌の色の浅黒い現地人にだけ嗅ぎ分けることが可能だった。現地の言葉でその香りを「虚無」と言い、虚無が来たら逃げるように言い含められていた。女は立ち上がりカード [続きを読む]
  • 代理
  • 「あなたの子供って本当に可愛い、ちっちゃな鳥みたい」女はそう言って素裸のまま写真を見つめていた、昼下がりの光がブラインドを通して女を照らしていた。「ねえ、子持ちの浮気ってきっと、自分たちのペアが死んだらって時の事を考慮して、子供を育ててくれる相手を漠然と探しているんじゃないのかしら?だって自分と寝てくれる相手は…遺伝子的にも自分を好んでいるわけで…自分の子供を好んでくれる確率も高いでしょ?」確か [続きを読む]
  • 診療時間
  • あの人は他者の言葉や態度の奥に、幾重もの光の帯が連なっているのを見ることが出来るのです。私にはすれ違う人や大勢の他者のことは、ただ漠然と砂粒のように映ります。あの人はそれを見ることが出来る、だからあの人はいつも光の帯を纏っています、だから美しいのです。私が誰かを砂粒だと思っているその時、私自身が砂粒になるのです。今までの人生がそうであったのは私自身が、他者の光の帯を観測出来なかった事に原因があ [続きを読む]
  • シスターメイの秘蹟
  • 修道女は昼下がりの礼拝堂で、跪いて夫を見ていた、夫は祭壇で高らかに教えを述べていた、夫のものではない教えを、神の教えを、イエスの精霊について彼は自動的に述べていた。述べる、というのは少し語弊があった。というのも修道女の夫の述べているのは…その声に現れているのは、最早言葉では無く、ただの支離滅裂な声に過ぎなかった。修道女はそのまま夫の方を見続けた、自分の子供たちも言葉を壊して声を出すという行為に没 [続きを読む]
  • 右腕に小さな火傷をしてしまった、僕はほんの一息、ため息をついて仕事場を後にした。連休明けだが休みは無い、身体的な立ち振る舞いとしては僕は仕事をしている、それも休み無く数十日に渡って。信号の灯りが虚空から何かを訴えているようだった、深夜だった、腹は減っていなかったし眠くも無かった、身体は自動的に動くものだと、どこか遠くで僕は自分自身に感心していた。自転車に乗って、夜の空気の中、飛ぶように帰宅しよ [続きを読む]
  • 脱皮
  • 女は鏡に映った自分を見た、鏡には意外なほど健康そうな様子の女が居た、内部から光っているような女が鏡の中に居た。女は苦笑した、と同時に考えを改めてもよい気がした。「過去は幻想、かしらね」と、女は呟いた。「黄金の時間を過ごしてきた人物、で、いいのかもしれないわね」と、女は笑いながら言った、それでいいのかもしれないと心底思った。女は自身の体験に反して、大抵どこへ行っても、何の恐怖も知らず、何の苦労もし [続きを読む]
  • 魂についての彼女の話
  • 「魂って電池みたいに、ただの力として身体に入ってくるだけなんじゃないのかしら、電池を抜いた機械はただの器だけれど、電池が入るとまた視点が生じる、人間も一日眠ったら、魂は入れ替わってるんじゃないのかしら…昨日と今日の私は別の魂かもしれない、きっとそうよ」魂は数珠の一粒みたいに、入れ替わり相互的に結ばれている、それがポンポンと今日はあっち明日はこっちと、移動を繰り返していると彼女は言った。魂は一所に居 [続きを読む]
  • 老人と人影、あるいは魂
  • 「ここにも出たよ、出てきたよ、そろそろ行くしかない」老人は菓子の入った袋を持ち上げた、すると中から小さな沢山の人影がこぼれ落ちた。こぼれ落ちた人影たちは一時的に慌てていたが、やがてまたテーブルの上をうろうろと、落ち着いた様子で歩き出した。家具の無い部屋の中は白い独房のようだった、そこを、小さな人影が無数に歩き回っていた。「影が、こんなに出てきた」老人の住む部屋は一つの都市を成していた、人影たち [続きを読む]
  • 鈍色の鉄球
  • 大きな鉄球を抱えてるみたい、と女は思った、仰向けのまま、朝まで姿勢を崩さずに横たわるのは独特の試練だった。これが定住するってことね、と女は思った、定住は避けるべきだと彼女の親は口酸っぱく言っていた、その分の税を払うことになるぞ、と。税ってお金ということではなかったのね、と女は思った、姿勢を崩さぬまま寝入ろうとしたが、鈍色に光る大きな鉄球を抱えているようで寝るに寝れずに居た。でも今が青春なの、と [続きを読む]
  • 個人的快楽を生きること
  • 人間らしい生き方、人間としての尊厳、そういうものを突き詰めてゆくと、個人の喜びに行き当たる、個人的快楽に行き当たる。以前介護施設で研修を受けた事がある、その介護施設には介護度の高い高齢者が入っていた…というよりも収容されていた。何故なら、彼等は自らここへ来たという認識がほとんど無かったからだ、彼等が個人である、という意味がその場所にはなかった。胃瘻をつけ、食物を流し込み、尿はチューブを伝って外 [続きを読む]
  • ロミとシンの道しるべ
  • 「あの子に気付かれずに済んだね、シン、あの送電線をニライカナイへの道しるべだと言って歌ってた、この裏山が船になって送電線を伝って海原を越えるんだって…もういい歳なのに」老人は妻の言葉に静かに頷いた。鬱蒼と視界を遮る初夏の草木、虫の音、そこは彼等の住処から少し離れた裏山だった。人界から隔離された場所、誰も道を逸れて山中へと踏み入れては来ない。「あいつにもここは見えなかったみたいだな」老人はほくそ笑ん [続きを読む]