KYOKO OKAMOTO さん プロフィール

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KYOKO  OKAMOTOさん: いつも ここから
ハンドル名KYOKO OKAMOTO さん
ブログタイトルいつも ここから
ブログURLhttp://kokokara1806.blog.fc2.com/
サイト紹介文諦めていた。永遠に白い道にはたどりつけないのだろうか、と。いつも、ここから始めたい。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供84回 / 104日(平均5.7回/週) - 参加 2018/06/20 11:20

KYOKO OKAMOTO さんのブログ記事

  • 一陣の風が首すじをなでて通り過ぎる湿った空気かすかな匂いをともないそれはながくなじんできたおまえの匂いだったそうださようならとおまえが告げている風が後ろからわたしの背を押しているさようなら行くときが来たようだ。にほんブログ村 [続きを読む]
  • 終わらないもの
  • 覚えていてほしいあの日風が通り抜ける街かどで右手をはすにかざしまちがいのように出会ったことたださようならを言うために出会ったことを忘れないでほしいあの日雨の降りしきる公園でおびえ震える捨てられた子犬のように出会ったことただ泣きじゃくるために出会ったことをそんな日があったそんな日もあったのだ   今は   走りきったとしても   駆け抜けたとしても   もう出会うことはない二度と立ち上がれないような [続きを読む]
  • 小鳥
  • ふいにとびこんできた小鳥を両手のなかにやわらかくつつみこんでみるちょっと力をくわえるとつぶれそうな小鳥がなまあたたかくうごめいている手をほどけば飛びたってしまうのだろうかきたときとおなじふいに飛びたってしまうのだろうかつまらぬ思いをめぐらせときがすぎる自堕落にときはすぎるおもいきって手をほどくと手のなかに小鳥はいなかったじかんとともにとけてしまったのかもしれないそうだわたしはこれまでも今もあしたも [続きを読む]
  • 夢の中
  • 街は暗く鈍く光る街灯の中雨がはすかいに糸を引いているおまえはそこにはいなかった細かな霧に濡れながらぬかるみに足を取られおまえを探しあぐねわたしは激しく泣いていたやがて夜が明け霧は流れ雨もやんだようだがおまえはどこにもいなかった夜が明けても昼が来ても街は永遠に暗く閉ざされたままだったにほんブログ村 [続きを読む]
  • しのぐ
  • 唇をかみしめているのは悔しいわけでなく腹を立てているわけでもない崩れ落ちるおまえの身体を支えきれない非力さがかなしいだけなのだ肩を落としているのは疲れたわけでなく弱気になっているわけでもないこぼれ落ちたおまえの痛みをすくいきれない弱さがあまりにつらいだけなのだ今はただ雨風が真横に吹き殴る道をひたすら身をかがめ一番もろいところを守りながら歩むがいい一心に一番もろいところをいたわりつつ歩むがいい。にほ [続きを読む]
  • そこにある
  • そこにあるそこにそうして ある明けゆく夜の足もとを見ると一番暗く滞っているところにあるポトリと落としたはずなのに見つけられないところにあるむなしいところうずまくところにあるだれにも見せず見られないところにあるそこにそうして あるにほんブログ村 [続きを読む]
  • 道を行く
  • 無人の改札口を通り抜けさびれた駅前のロータリーを過ぎると道の両側にはコスモスが咲き始めているさわやかな風が通り過ぎわたしは道を行く細く続く道を思わず早足になっているのか立ち止まり息を整えるとすっかり秋めいていても汗ばんでいるのがわかる見知らぬこの道がどこへ続くのかわからぬまま途方に暮れ佇むけれども前に進むにしても引き返すにしてもわたしはもはや遠くへ来すぎている道の向こう側に夕陽がボタリと沈んでいく [続きを読む]
  • 祈り
  • 思わず崩れ落ちた姿勢のままでいい立ち直すことはいらないそのまま崩れ落ちた姿勢のまま思うがいい祈ればいい   長い年月をへた柘榴の樹は      今年も   たわわに実ってくれるのだろうかその樹を見上げ崩れ落ちた姿勢のまま思いを馳せるがいい祈り続けているがいいにほんブログ村 [続きを読む]
  • 旅立ち
  • ここから先はおまえひとりで行く路だそびえたつ山の深い茂みに踏み入るのか荒れた田畑を越え遠い海辺に出るのかどちらにしてもここからおまえはひとりで行くわたしはじっと見ているわたしの名前を呼んではいけない名残惜し気にわたしを振り返ってはいけないわたしはここにこうしていつまでもおまえの路をじっと見ているにほんブログ村 [続きを読む]
  • しめった風が吹き過ぎた大きく見ひらきわたしを見あげた漆黒の瞳には細かな文字がいっぱい書きなぐられていたわたしに伝えるたくさんのメッセージだった読み取ろうと焦る戸惑いや苛立ちがわたしの瞳から滂沱とあふれだしおまえの身体に滴り落ちたとき追い詰められたわたしを思いやるようにおまえはやさしく目を閉じた閉じたままおまえは去ったわたしの不甲斐なさをそのまま吸い込み風の向こうに去っていったにほんブログ村 [続きを読む]
  • 別れ・その2
  • ことばは / 一人っきりになっても / まだ声をだして話していた / 自分の声がおまえの声のように / 思えた。けれども / どれほど饒舌に話してみても / 置かれた孤独をぬぐえない / ことがわかっていった。ことばは / おまえにわかってもらいたいと / もだえてみたが / むなしく取り残されていき / 時間だけが過ぎていった。ことばは / 時間に抗い / 時間に敗れた。ことばは / 声を捨てた。ことばは / 声を失い / ことばをやめた。 [続きを読む]
  • 別れ・その1
  • 夜明け前にはしとしとと細かな雨が街を包むように降っていた救いがたく重苦しいこころを濡らしわびしく降っていたおまえを見送る朝にふさわしく静かな街並みは雨に包まれ青ざめ沈んでいく少しばかり冷たい空気が頬を撫で厳かな気配が首筋を這っていくそうだおまえは行くのだこのまま行ってしまうのだにほんブログ村 [続きを読む]
  • 旅の終わり
  • 落ちてきた陽は燃え立つ赤さで池の水面いっぱい広がり小さな街を橙に染めえんじ色へと変わっていく眼を移すとおまえの頬は渋くくすんだ柘榴のようにキラキラと輝き細かな汗が光っている長い旅がようやく終わろうとしているやがて夕闇が急に濃く迫り水面に褐色の影を落とし始めるおまえはしんと動かず一本の影のように街の色が暗く沈むのを見つめている長い旅が今ようやく終わろうとしているにほんブログ村 [続きを読む]
  • 過ぎゆく歳月
  • 期待に胸高鳴らせ夜明けを待ちわびた砂時計の一粒ひと粒砂の落ちる音が聞こえるように待ちわびる時を過ごした何を待っているのかだれを待っているのかすらもはやわからなくなる頃には橙色の朝がきた歳月はいつも不合理な中で過ぎてゆき何十年の不合理が重ねられていく待ちつくした果てに訪れたのは過ぎさる季節を惜しむかのような白いパナマ帽をかぶり幅広パンツにダブルのスーツおまけに鼻の下には口ひげが仕込まれているまるでレ [続きを読む]
  • 失っていくもの
  • おまえの中から欠け落ちていったものは決して目を閉じず前を見続ける勇気凛とした後ろ背であったかもしれない欠けた穴をひたひたと埋めてきたものはもろくも折れたナイフのように役目を見失いうろうろする眼差しだったかもしれないたとえばおまえがつまづきつんのめったとき思わず差し出した手にはかすかな震えためらいがまだあった救いを求めたちいさな声には耳を澄まさないと聞こえないほどの軽いおののきがあった失っていく日々 [続きを読む]
  • 夏の終わりに
  • 誰も通らない改札口途方に暮れ佇むわたしの傍らを風が通り過ぎる昨日までのセミの音にかわってヒグラシが音を立てていることにふと気づかされる持ち合わせていたカーディガンの袖を通しながらいつかおなじ場面があったことをかすかな眩暈とともに思い出すポケットから取り出したハンカチまっ白なレースの色はもう季節になじまず咲き始めたコスモスの揺れる道沿いに置き去りにする夏のわたしとともに置き去りにするにほんブログ村 [続きを読む]
  • うろこ雲
  • わたしは一心に空を眺めたボワとした小さな雲が身を寄せ合うようにたくさん集まりひとつの方向へと流れていたわたしは一心に空を眺めた淡いかなしみの皮を一枚めくると奥の方から濁ったかなしみの薄皮があらわれるかなしみの果汁があふれだすのがわかるどくどくと脈打ちうずきながらあふれだすのがわかるわたしはたった一人で一心に空を眺めていたにほんブログ村 [続きを読む]
  • 独楽
  • たとえばそれは回り続ける独楽放たれた独楽は倒れそうに大きく身を傾けながらも床一点にすっくと立ちあがり静かに回り続けるそして突然のように独楽は首を振り出す苦し気に首を振り揺らぎながらあっけなく倒れてしまうのだにほんブログ村 [続きを読む]
  • 鷹は誇った空高く飛べる自分滑るような速さ獲物を正確に捕らえる鋭い爪自分の力を誇りに思ったそびえたつ樹氷のように青く冷ややかな広い空から見下ろすと地上や木立を行き交う他の生き物がちっぽけでつまらぬ存在に思えた長い年月を鷹は孤高に生きてきた無敵の鷹にもやがて時間は少なくなってくる一粒ひと粒砂を落としながら一日いち日を落としていく羽が抜け落ちるように少しずつ力がそがれていく二度と生え変わることはないのだ [続きを読む]
  • 蝉が激しく鳴きたてる7日間のいのちいっぱい鳴きたてる力尽きしがみついた樹から蝉は地面に滑り落ちる仰向けに転がった蝉は短い足をもがき起き上ろうとする焼けつく太陽に腹をさらしむなしく羽をばたつかせてももう起き上がれないそのままだれに送られることもなくいのち果てていく蝉は戦かい尽きて逝く長い雌伏の時を土の下で過ごし明るくまばゆい地上で過ごした7日間のいのち全身全霊で戦い蝉は逝くにほんブログ村 [続きを読む]
  • 風鈴
  • うって変わった涼しげな風に風鈴はここぞとばかりに音を立ててみたかなしいことに思ったほどの音も出ずわれながら季節外れの気がしたさびしさのあまり風鈴はもう一度心をこめて音を打ち立てようとしただれに聞こえなくともいいいや だれも聞くなとばかりにもう一度全身を震わせ泣きながら小さな音を一生懸命打ち鳴らしたにほんブログ村 [続きを読む]
  • 雷鳴
  • どろどろとした蒸し暑さに寝つけないまま空が少しずつ青みがかってくる遠くから雷鳴が小さくとどろきながら近づいてくるひたひたと近づいてくるやがてひときわ激しくとどろくと窓ガラスが震え青白い光が部屋の中に入りこむ薄暗い部屋の闇を裂き私のまわりを光が走る目や耳感覚は覚めているのに動こうとしない私のからだと心ぼおと動かないわたしを叱りつけるように横殴りの雨風が激しく吹き込むようやくからだは動き窓を閉めて歩く [続きを読む]
  • 最終電車
  • ホームを見るとおとこが手を振っている照れたように笑いながら発車のベルが鳴るとおとこは立ち去る後ろ姿が急いでいる若いおんなは戸口に立ちつくしたまま動かないドアガラスに写るあわれなおんなが細い涙を流しているそんなドラマのワンシーンみたいな場面電車は『天の川の底の深く遠いところ』を走り出した『遠くのものは小さく近いものは大きく遠いものは橙や黄いろではっきりし近いものは青白く少しかすんで』(『』宮沢賢治・銀 [続きを読む]
  • ライトを浴び舞台に立つ煌々と輝きそこが真昼の世界だとしてもアゴをほんのわずか下げ足元を見ると影がある朝日を真正面から浴び歩んでいく通り過ぎる人には光り輝くその姿しか見えなくとも行き過ぎて振り返れば輝く人の影がある影はだれにも気に留められずだれの邪魔もしない影はひかりの中にあって真っ黒で他の何色にも染められず真っ黒なままだ余分ななにもないにほんブログ村 [続きを読む]
  • 日傘の母
  • 夫からプレゼントされたかわいい花柄のレースの日傘そんなシャレた傘など田舎の小さな街では見たことがなく誰もさしていない嬉々として日傘をさす美しい母キラキラと輝いていた日傘小都会の町に日傘をさして出かけた母は自分の遠く前を行く粋な着物姿の女の後ろ姿を見た見覚えのある女の後ろ背に誇らかにさされている自分と同じ日傘を見た母はだれにもそのことを言わずずっと胸に秘めていたプライドにかけてわたしが道を深く踏み外し [続きを読む]