alpaca さん プロフィール

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alpacaさん: 航跡舎
ハンドル名alpaca さん
ブログタイトル航跡舎
ブログURLhttps://glykeria.exblog.jp/
サイト紹介文文学小説 創作の部屋 同人誌「神戸文学」準備室
自由文詩・小説・評論 創作について語り合いましょう
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供18回 / 57日(平均2.2回/週) - 参加 2018/07/12 15:26

alpaca さんのブログ記事

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  • 高木敏克 小説集「港の構造」を読む 詩人 川岸則夫
  • 禍々しくも鮮やかな暗箱の中で高木敏克小説集「港の構造」を読む                                 川岸則夫 高木敏克の「港の構造」は、十篇の小説が収められた、いわゆる短編集である。短編集と言っても各篇の長さはまちまちで、表題作「港の構造」そして「KAPPA」と「グリケリアの歌が聞こえる」の三篇は、むしろ中編とも言うべきものだ。この三篇で総三百ページ弱のこの本のおよそ三分の二 [続きを読む]
  • 港の構造
  • 高木敏克 最新作 「港の構造」8月5日発売 予約受付中 紀伊国屋書店 梅田本店にて  8月6日より 限定販売開始 2016年度神戸新聞社 最優秀賞「神々の丘」 「水夫長のドア」(祖父のレジェンド改題)「グリケリアの歌がきこえる」「港の構造」などの問題作の中短編小説集「暗箱の中の滑らかな回転」(第4回神戸文学賞受賞作「溶ける闇」収録) 「白い迷路から」(小川国夫絶賛) そして     「港の [続きを読む]
  • アヴェ・マリア
  • アヴェ・マリア湖の対岸に真白なサナとリュームがあって、小さなチャペルから歌が聞こえてくる。僕は時々ヒルクライムでここまでやってきて、自転車を停め、何もせずに引き返す。湖面には虚しさが空まで突き抜けている。虚しすぎて涙が止まらない。サングラスの裏側で涙が流れると表には鳥が飛んでゆく。探しても探してもあの人の墓はない。骨もない。遺品もない。あの人の声もない。聴こえて来るアヴェ・マリアの歌だけだ。僕の首 [続きを読む]
  • 港の構造 出版にあたって 高木敏克
  • 詩人として作家として神戸の仲間たちのお世話になりながら、小説集「港の構造」を上梓させていただく運びとなりました。 発行予定日は2018年8月5日です。 航跡舎はこれまで同人誌「漿」同人誌「シリウス」などを発信し続けてまいりました。また、永末恵子の句集「発色」「留守」「借景」を出版しました。 幸いにも、いずれの作品も好評をいただきました。...しかし、高木敏克の小説集は、いずれも他の出版社からのものです。 [続きを読む]
  • 港の構造
  • 高木敏克の第三作品集「港の構造」は好評発売中です。大阪梅田の紀伊国屋書店本店 ならびに 神戸三宮ジュンク堂三宮駅前店に在庫があります。港の構造 8月5日発売予定 問題作家 高木敏克の異色の作品群表紙絵 村上鬼愁 目次 1:神々の丘           P12:記憶の森           P103:水夫長のドア         P194:港の構造           P285:KAPPA        [続きを読む]
  • 不思議な三つの風景
  • 不思議な三つの風景                               高木敏克浮森 君が死んでしまっているのに僕がまだ生きているということは、それだけで不思議な風景なのに、君はまた言った。「不思議な風景ねえ」三木市別所町の辺りを車で走っていると、五月なので田に水がはられていて、山際まで水鏡が鈍く光っていた。「ねえ、山が水に浮かんでいるわ」「ほんとだ、水面と山の間には確かに闇のすき [続きを読む]
  • オドラデック
  • オドラデックとはなにかフランツ・カフカ「父の心配」の考察 takagi binkoku 人生、なかったことにしてほしいことが多すぎる。なかったことにしてほしい後悔はその裏舞台の幕を剥ぐと見る者の喜劇となる。なかったことにしてほしい願望はフランツ・カフカの作家活動を通じて最初から最後まで見受けられ、最終的には [続きを読む]
  • フランツ・カフカ「ある流刑地の話」の考察
  • 高木敏克フランツ・カフカ「ある流刑地の話」の考察 ?木敏克離島の処刑場にやって来た旅人は死刑を執行しようとする将校に尋ねた。「この男は処刑されることを知っているのですか?」将校は傲慢に次のように返答した。「知らせても仕方がないでしょう。自分の身体に書いてあればわかることです」不審そうに見返す旅人に、将校は次のように付け加えた。「つまり、 [続きを読む]
  • 境界の文学
  • 境界の文学高木敏克(一)えらぶ!境界からの思考 えらぶとは沖永良部島のことであり、前利潔氏によると「この島の境界としての特徴は、北からは日本本土と鹿児島、そして南からは沖縄の政治行政の力、近代の力、そして文化の力がぶつかりあう境界空間にあり、これらの力が交差する「場」という点である」 この境界から、いったい何が見えるのか、私は二〇一八年一月十五に鹿児島から、インド料理のナンの形をした「えらぶ」に着 [続きを読む]
  • 母「青幻記」 と 父「太陽と鎖」のあいだのエラブ
  • 母「青幻記」 と 父「太陽と鎖」のあいだのエラブ高木敏克(2018.1.15)一色次郎の「青幻記」情景は実に生き生きとして美しい。主人公の「稔」が母の「さわ」とともに、生まれ故郷の沖永良部島に戻ったのは母が三十二歳、稔が小学校五年生の時であった。自然は限りなく大きく、人間は限りなく小さく感じられる。自然の風景は極めて端正で清潔に見えるのに対して小さな人間存在は不安げで不定形に見える。鳥も魚も植物も神が直接 [続きを読む]
  • 神戸から島尾敏雄を問う
  • 島尾敏雄のいきちがい 高木敏克 島尾敏雄は私小説の作家として語られることが多く、そのために作品の内容については様々な現場調査や現認報告書のような評論が発表されている。しかし、神戸からの視点で島尾敏雄を読むと彼はやはり小説家であり決してノンフィクション作家ではない。つまり、彼は作品を事実にもとづく話として読んでほしいのではなく、虚構として読んでもらうことを意図して書いていたことが分かる。作品を作品とし [続きを読む]
  • 島尾敏雄のいきちがい
  • 島尾敏雄のいきちがい 高木敏克 島尾敏雄は私小説の作家として語られることが多く、そのために作品の内容については様々な現場調査や現認報告書のような評論が発表されている。しかし、神戸からの視点で島尾敏雄を読むと彼はやはり小説家であり決してノンフィクション作家ではない。つまり、彼は作品を事実にもとづく話として読んでほしいのではなく、虚構として読んでもらうことを意図して書いていたことが分かる。作品を作品と [続きを読む]
  • 孤島にて
  • 孤島にて 灰色の海の彼方へ消えつつある記憶の中から船はやってくる。老人は窓から外を見る。いったい、もう一つあるはずの灰色の海はどこにあるのか。と、水平線を見たが青以外の何もない。恐ろしい青の深さだ。「たしかに、わしは過去から目覚める。これは、若い時とは違う今の目覚め方だ」そう思いながら、今度は潮風で曇りはじめた鏡を見る。逆光を背負って影の中の自画像を確かめる。すると船も見える。「明るいのは白髪だけ [続きを読む]
  • 母「青幻記」 と 父「太陽と鎖」のあいだのエラブ
  • 母「青幻記」 と 父「太陽と鎖」のあいだのエラブ高木敏克(2018.1.15)一色次郎の「青幻記」情景は実に生き生きとして美しい。主人公の「稔」が母の「さわ」とともに生まれ故郷の沖永良部島に戻ったのは、母が三十二歳、稔が小学校五年生の時であった。自然が限りなく大きく、人間が限りなく小さく感じられる。自然の風景は極めて端正で清潔に見えるのに対して小さな人間存在は不安げで不定形に見える。鳥も魚も植物も神が直接 [続きを読む]
  • 銀座六丁目のその店は
  • 銀座六丁目のその店は♀有楽町か銀座で会いますか 予約できたらメール入れるわ♂12時15分に東京駅につくよ♀そのころ 電話入れるわ なにたべる?(あきらかに 彼女は東京弁になっている ナニのアクセントが高い)♂今、電車の中だよ♀ひとこと 返事して なに食べる(関西弁にもどった)♂スシ♀わかった 個室のあるところ探しとくね(ぼくたちは10年近く個室で昼食を取ってきたので 24歳から34歳の彼女を知っている ぼ [続きを読む]
  • 小詩篇【記憶の森】
  •                    ☆森の鳥たちは朝からけたたましく縄張り争いの声をあげているね。それなのにぼくの耳にはそれがとても美しい声に聞こえるのはなぜだろう。森の記憶がよみがえるのは森の現実が記憶をよびさませているからだ。いわば、森は鳥たちの脳、記憶は森の中にある。鳥の意識は記憶に接することなく現実そのものに接している。もしこの現実が現れなかったら死者の記憶もそのようにして消えてゆくのだ [続きを読む]
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