雪乃 精レイ さん プロフィール

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雪乃 精レイさん: ゆきのスピリッツ〜創作の宴
ハンドル名雪乃 精レイ さん
ブログタイトルゆきのスピリッツ〜創作の宴
ブログURLhttp://yukinospirit.blog.fc2.com/
サイト紹介文裸の恩返し 執筆中
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供39回 / 35日(平均7.8回/週) - 参加 2018/07/13 12:50

雪乃 精レイ さんのブログ記事

  • 裸の恩返し 41
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 41「おぉ!あれは…。」額にタオルを昆布…もとい、タオルをネジリハチマキに巻いた男は真っ赤な顔で登場だ。カッカと汗をしたたらせるのは先日の支配人。どうやら一切の権限は彼が握っていると推測が働く。そうだとすれば、おそらくパスポート返還という私の暴挙に怒りを持って現れたのではないか。騒がしく、荒れ果てた店内の状況もよくない。支配人の気分を害することだろ [続きを読む]
  • 裸の恩返し 40
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し40なぜ女性店員Bは事の収拾にあたらないのか?次々と私の前に現れる客は、なぜ火に薪をくべる様な発言や態度、行動しかできないのか?もしかするとこの展開を面白がっているのか?馬鹿にされているのか?ここは狸の縄張りでこれはごく普通の出来事なのか?もうひとつ。ここへ私は何をしにきたのかだ。ざわつく店内に惑わされ、うっかり忘れそうになっていた。そう、パスポー [続きを読む]
  • 裸の恩返し 38
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 38「聞いてんのかコラ。早くそこどけ。お?ケッ。」憤怒のビートとスパイスの効いた怒りの催促はついさっきの銀行以来のドカジャン魔狸。やまない言葉の応酬に私はますます気分が悪くなっていくと同時に恐ろしさも増していた。目つきはこの世のものではない。魔界の鬼のように鋭いものだから魔狸と名付けた。眉尻が逆ハの字にキューッと上がると怒りのボルテージが上がっているのが伝わって [続きを読む]
  • 裸の恩返し 39
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し39「そこそこ。いいからどきなよ。そこ。あ、もう、メーワク。遅いから。」さっそうとステージ・アリーナに駆け上がってきたのは言うまでもない。短文連射、不明快。主語、なし。不明瞭。柵を乗り越えてきたのはメコンブ。頭にタオルを昆布の様に巻いた女の事で現在ブータラ物申している。どうしてジッとしていられないのか?なぜ待てない?それで大人なのか?「たんたん。短気なメコンブ狸」 [続きを読む]
  • 裸の恩返し 37
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 37「おめ、何さっきからぶつくさ言ってんの?ケッ。」出た出た。黙ってられないのかね?ポンポコポン。イチャモン狸がポンと出た。自分勝手な言葉を述べ連ねている。状況を見極めるべく熟考して見守るとか、感情を抑えて止めに入るとかできないのか?「答えんかい。ケッ。」私に食って掛かってきたのはついさっき銀行でひと悶着あったドカジャンでまたもや同じような場面を迎えていた。ここ [続きを読む]
  • 裸の恩返し 36
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 36私の店員への一言。これが良くなかった。Bといえばニッカリ笑顔で返答なし。聞こえていないのか耳に手を当てはい〜?と言ったポーズを決めこんでいる。この状況になんの説明もなく受付の順番を繰り上げることもせず傍観者になっているのはなぜか?この状況に違和感を感じていないのか?業務怠慢か?疑問だらけだ。結果、私の声は小さく周囲に刺激を与えたに過ぎなかった。静まり返ってい [続きを読む]
  • 裸の恩返し 35
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 35「なに、やってんのかなー。あーもう。遅いな〜。」我ながら、なかなかのめゼリフを発したものだ。主語がサクッと抜け落ちてはいるものの堂々たる言い回しと言っていい。直後に細かなポージングも用意周到考えた。受付台に左手の肘をつき頬杖を決め込む。右手人差し指でトントト、トントンと台を叩く。ひたすらこの動作を維持、繰り返す。眉間には少々皺も寄せておこう。これが何を意味す [続きを読む]
  • 裸の恩返し 34
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 34後ろに並ぶ大名行列を見て私の口がパカンと大きく開いた。「おぉーさぶ。オサブ。ブルルルゥ。おおぉ。」ガヤガヤウルサイ輩はゴツイ集団の男どもだ。よくよく見ればヨクミレバ…これは昨夜のオデコ、ズガガガンの元になった奴らではないか。私のオデコはカサブタという恥ずかしい形状になっている。ゴツイ集団は押すな押すなと私に迫っていて今にもこちらに倒れ込みそうだ。前夜の二の舞 [続きを読む]
  • 裸の恩返し 33
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 33これを中座と言わず何という?失礼極まりない。するとBはニコっと笑ってペロッと言い出した。「お客様、今、お話聞いていました?」何か重要な話の聞き漏らしがあったのだろうか?奇跡の返金話に浮かれ、うかつにモウロウとしていたかもしれない。「えぇ、聞いていたのですが…聞き覚えがありません。」聞いていたのに覚えていない…。私は支離滅裂な返答を堂々並べ立てた。聞き漏らしが [続きを読む]
  • 裸の恩返し 32
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し32さぁ、なんと言う?どう返事してくれる?払ったものは返せませんというのか?私は即答で納得がいかないと言うだろう。生活が立ち行かないのだから必死だ。それなのに私は最悪のケースに思いを巡らせていた。「どうせ駄目さ。」最良を希望するものの最低、最悪の結果が頭の中で渦巻く。これはどうしたことか?現実からの逃避にも似た諦めか。いつでも利用され騙されてきた過去からの教訓か。 [続きを読む]
  • 裸の恩返し 31
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 31「あの、パスポート返せますか?」単刀直入、ど真ん中の直球を投げ込んだ。決してムス顔でもなく笑いもせず平静を保ちつつ述べたつもりだ。一転、ボッとついた怒りの炎を収めたのは私にも考えがあった。慎重にいかなければならない理由が一つある。焦るな。まずはA,B店員の様子を伺う事にしよう。私の問いかけにもまだクスクスと笑いを浮かべている。女性は男性より良く笑うのか?同時発 [続きを読む]
  • 裸の恩返し 30
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 30「パスポートお持ちですか?」背格好も容姿も…アップにした髪型さえもそう変わらなく見える女性店員。AともB共とも判別のできない女性店員の同時発声を受けた。二人は顔を見合わせ満面の笑みだ。一呼吸間があって店内に声が響き渡った。「やだー、一緒に言っちゃったじゃな〜い。もーやだー。」この店はどうも緊迫感がない。こちらは意を決して敷居を跨いだというのに拍子抜けだ。こっち [続きを読む]
  • 裸の恩返し 29
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 29道路をまたぐと、ぼんやり灯りが見えてくる。丸一日ぶりの天然温泉ゆあみ。パスポートはレシートやらポイントカードでパンパンに膨れた財布の中。入り口付近でガサゴソ取り出すと左手で軽く握りしめた。「衝動契約だ。破棄しよう。」頭に浮かんだ言葉…。聞いたことのない即席、四文字熟語。もちろん私もバカじゃない。健全な社会人なわけで中小零細企業ではあるが取締役を仰せつかってい [続きを読む]
  • 裸の恩返し 28
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し28「うぅ…余計な立ち寄りだった…。」誰宛の独り言か?とてつもなく空虚な現実だ。即、温泉「ゆあみ」に行って返金してもらい帰ればよかった。しかし銀行残高の現実を目の当たりにした今。残金が口座に千円もないとなれば今後の生活が不安になる。心許ない現金。どうにかならないか?では他の方法は?ここで暴露話を一つ。私は数年前よりカードローンを現在使えないスーパーブラックリストに [続きを読む]
  • 裸の恩返し 27
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 27この狸族の一味、ノッコミ過ぎなんだよ。男の腕に私の体がかすったか?当たったか?当たった所でイチャモンでも付ける腹づもりか?背後できていた行列に気づかなかった。モタツキ電卓魔になっていたのは私。早くしろと怒鳴られて…。それでも謝れない私はこんな時、自分を何者かとさえ思えてくる。「オーヘーだってば。」わかっていても見苦しい言い訳三昧を脳内に列記しているのが現実の [続きを読む]
  • 裸の恩返し 26
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し26次の順番を待つ男性は眉尻がビビンと跳ねあがっていて仁王立ちしている。寒さの中待ちくたびれた事に怒っているだろう事は容易にわかる。しかし…よくもまぁ、あんな変顔ができるものだ。「ん、あぁ〜…。おぉ…嫌だ。嫌だね〜。」小さく、小さく呟いた。聞こえてしまったらヤヤコシクなること間違いないからだ。抗議の主はこの男に違いない。他の待ち人は五人いたが全て女性だったからだ。 [続きを読む]
  • 裸の恩返し 25
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 25しばらくすると私の順番が訪れた。「うーん。残金…なんとか残っていてくれ。頼む。」一枚ずつ丹念に九枚のカードをATMに通すものの残高は全て千円以下。この場では引き出し不可能な残高だ。自分の入金した額が少なければ残っているはずもない。無茶な願いというべきだろう。いや。見間違いかもしれない。もう一度九枚全てのカードを入れ残高を足してみることにした。生活費の厳しさは毎 [続きを読む]
  • 裸の恩返し 24
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 24「ふ〜。ほっほっ。」吐く息が白い。車を温泉ゆあみ専用駐車場に止めると店に向かったのは銀行ATM。時刻は20時少し前。今日は珍しく仕事が順調に終わり早くも戻ってこれたから気分も良いはずだった。しかし私はイラつきと焦りを強く感じている。パスポートを手に入れ一か月間の快適お湯ライフのはずだった。それなのに何だかスッキリしない。一日かけて自分なりに分析をしてみてわかった [続きを読む]
  • 裸の恩返し 23
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 23翌日。一日考えていたのは昨夜の事だ。約半年ぶりの湯に浸かれた嬉しい夜だったはずなのに何か気まずい雰囲気を風呂屋に残してしまった後悔を感じていた。「あんなにイライラする事なかったか?」入店するきっかけは衝動的だった。ガラスに激突したのだから衝突的だ。今も額が時々ズキンと痛む。痛みが昨夜起こした自分の行動と重なってきてやけに重たい。悪い態度だったと今更ながら思う [続きを読む]
  • 裸の恩返し 22
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 22退出途中、5,6歩進んだ所でカウンター真上にある時計をチラリ振り返り見やるとまた背を向け下駄箱へ向かった。時刻は23時を回っていた。振り返ったのは二人の女性店員がどんな表所をしているか気になったのもある。しかし表情を直視する勇気はなかった。なんとも情けない。時計を見るふりをして誤魔化した形だ。気分を害したのだ。私の大きな声の意味は相手に伝わったのだろう。追いかけ [続きを読む]
  • 裸の恩返し 21
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 21何かのついでに私に謝りに来たのか?もし私にだけ謝りに来たのならなんと律儀な店員だろうか。緊急の用事があって上役を呼ぶ。なんて事はないごく当たり前の事と捉えていたから申し訳ないと謝られる筋合いがない。または私の考えの及ばない何か失態でもあったというのか?とさえ思ってしまう。「申し訳ありません…。」いくら狸に囲まれた「たぬきの世界」に生きていようが私は人間だとい [続きを読む]
  • 裸の恩返し 20
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し20「話の途中ですみませんね。また来てくださいよ。その時また話しましょう。ねっ。」あ〜。私の事をついさっきパポートのお客さんと自分で命名していたではないか。今日から一か月は嫌でもここに来るわけだし会いもするだろう。忘れっぽいのか適当なのか。支配人と呼ばれた彼はここから姿を消した。どんな急用か知らないがまぁとにかく騒々しい店だ。支配人とはこの館内のトップだろうか?貫 [続きを読む]
  • 裸の恩返し 19
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴 裸の恩返し 19 「あ〜、あっはっは。ウィッヒヒヒ。」陽気に笑いつつ目線は水平移動、私から遠のいていくのがよくわかる。タオルを昆布の様に巻いた女をスルスルで目で追っている。話の途中に私をそっちのけ、気もソゾロというのは如何なものか?この男性店員はどんな人なのだろう?よく笑っているけどそれだけじゃないような気もする。お店のムードメーカー?ただのスケベさんだったりはしないか?「 [続きを読む]
  • 肌の恩返し 18
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し18「で?どんな風に言えば良かったですかねー?」男性店員は興味津々、どうぞ教えてくださいと言いたげだ。「え?」何は私は虚を突かれた格好。私は言いっぱなしの素知らぬふりで退店するはずだったから何の言葉も用意がない。皮肉を込めて返答したはずがどうも男性店員には伝わっていないのか、違う意味で受け止められているのか?男性店員は変わらぬ人懐っこい笑顔をお供して私に問いかけて [続きを読む]
  • 裸の恩返し 17
  • ゆきのスピリッツ〜創作の宴裸の恩返し 17はぁ〜。パスポートのお客さんか。印象薄いな。いや、どういう意味?パスポートって紙きれでしょ。受付書類、書いてるんだから名前で呼んだっていい。まぁ、いいか…。関われば関わる程どいつもこいつも肝心なところで尻尾を出すだけの人型狸でしかないわけだから。嘘、嫌味、自己中、身勝手。どれも受け付けない。正体を現せばがっかりもするし、嫌気もさす。最終的には頭に来る。私は狸 [続きを読む]