lemar さん プロフィール

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lemarさん: l's blog-p
ハンドル名lemar さん
ブログタイトルl's blog-p
ブログURLhttp://blog.livedoor.jp/lemar-p_/
サイト紹介文another stories of the Parallel world
自由文期間限定このお話の最後まで
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供58回 / 73日(平均5.6回/週) - 参加 2018/08/08 05:44

lemar さんのブログ記事

  • ブログ道”一旦”跋文中
  • このパラレルは別乾坤が終わった後王譓・ウンジョンの二人の関係性をもっと深く書きたくて二人をヨン・ウンスに置き換えて書き始めたものです。そして少し大人の表現を試す場所でもありました。最初の頃、そうした表現が多くなっているのは意識して書いていたからです。ただ、少ししてからいろいろと二人の設定に肉付ができてくると「young noir(ヨン ノワール)」(黒いヨン)とも言える新しいストーリーになっていきました。そ [続きを読む]
  • plastic change 143
  • 上着とあの目立つサングラスをつけて「J?金でも数えてるのか?」俺を殺したJとしてこの場を離れることになるのだから「こんなところで。」慎重に殺らないと。大事な服を汚さないように…。「J…?」返事をしなくなったJはだらしなく足を投げ出したまま俺が貰うはずだった上着をその血で汚していた。どんな人気も感じなかった筈だ。Jはもう生きてはいないのだから。これも菩薩のご加護か?俺ではない誰かが厄介な仕事を一つも [続きを読む]
  • plastic change 142
  • 人通りの多い街並みでは薄汚れた俺の格好は随分と奇異に映った。しかし、もうわざわざ隠れる必要もなかった。もうすぐ俺は新しい俺になる。終わったらどこかで新しい俺に似合いそうな服を手に入れよう。ウンスに選んでもらってもいい。この街並みに溶け合うように二人で歩く姿を想像すると高い酒を飲んだ時のように贅沢な気分になる。だが…やっぱりそれはまだ早い。ウンスに会うのは安全だと確信できてからの方がいい。用心するに [続きを読む]
  • plastic change 141
  • さっきの衝撃のせいかイヤホンにはまた雑音が混じるようになってもうタワーマンションの前にいるというのに電話をしているらしいあの男が何を話しているのか殆ど聞こえなくなってしまった。まあいい。今日はもう用はないから。必要になればまた別のを仕掛ければいい。イヤホンだけではない。上着の肘が擦り切れて穴が開いていた。一昨日家を出てから着替えていなかったから他も随分とくたびれた酷い格好をしている。だが今日もあと [続きを読む]
  • plastic change 140
  • 口をつけないままのエスプレッソを残して席を立つと「何か問題でもありましたか?」さっきの女がわざわざ声をかけて心配そうに近寄ってきそうになったので「大丈夫だ」と言うつもりで手を上げてその場に金を置いた。それでも尚、何か言いたげな女は何が気になるのかしきりと帽子に隠れたこちらの顔を覗き込むようにした。念のため店を出て建設現場とは反対の大通りへと道を渡ったが振り返るとまだ女が見ている。こういう時は何気な [続きを読む]
  • plastic change 139
  • 映画の中のフェイ・ダナウェイは本当に格好良かった。でも映画はともかく「ユ先生、”キムさん”がお目覚めです。」実際のボニーとクライドは結局は犯罪者だ。私が犯罪者になんかなったら「今行きます。」父さんと母さんはきっとすごく悲しむだろう。悲しくて死にたくなるかもしれない。「ユ先生、結局資料を作ったんですか?」パン先生は「子供の誕生日だから」と今夜は必ず帰宅するつもりでさっきまで荷造りしていたそうだ。「や [続きを読む]
  • plastic change 138
  • 「どんな音楽がお好きなんですか?」エスプレッソを運んできた店員がワイヤレスのイヤホンを見て話しかけてきた。「英会話の教材。」まだ何か話したそうなその女の視線を避けて窓の外に目を向けるとさっきのパトカーが執拗に巡回していた。『…口座の金なら今持っている携帯で振り込めるだろう。』Jは引き出せるだけの金を引き出したいのか声を抑えて脅すような口調を使っている。だが、残された時間は思ったよりも短いようだ。パ [続きを読む]
  • plastic change 137
  • 時計を見るともう間もなく五時になろうとしていた。そろそろ”キムさん”が目覚めてもいい頃だ。電子カルテに手術を記録しながら”キムさん”への病状説明の文言を整理していたが実際にそのことを考えると気が重い。細胞診の結果を待つまでもなく”キムさん”の予後の見通しは悪い。このまま手術ができなければ肺高血圧の症状が進行して診療方針は緩和ケアを中心に病状の悪化を抑える処置しか選択できないだろう。チャン先生ならも [続きを読む]
  • plastic change 136
  • CCTVを避けながら階段を使って地上へ出るとさっきとは違う道を使った。いつも通りの喧騒の江南の街に溶け込むように殺気を消すよう気を配りながらタワーマンションを目指した。最近気づいた俺の弱点ー、俺はウンスが絡むと余裕がなくなる。だから爺さんにも見事にそこを突かれてしまったのだ。暫くするとイヤホンを通して雑音が聞こえ始めた。足を早めると突然音がクリアになってあの男の苛立った声が聞こえた。『だったらいく [続きを読む]
  • plastic change 135
  • 会場からは何ブロックも離れているというのにパトカーが数分おきに巡回していた。電話中だった俺を覗き込むようにして追い抜いていったパトカーが路肩に駐車したままのジェネシスのナンバーをチェックしていた。自分の車を使ったのは間違いだったかもしれない。今日でこの車は捨てるつもりだったが今すぐにでも捨てた方が賢明なようだ。のろのろと進むパトカーを追い抜いて検問の多い幹線道路を外れるとイヤホンからとぎれとぎれの [続きを読む]
  • plastic change 134
  • 「着いたのか?」Jは珍しく紺のスーツ姿だった。しかも、約束までまだ三十分はある。Jも落ち着かないのだろう。「お前は?」しかし、サングラスだけは相変わらずいかにもなイカツク見せるブルーのグラスの入ったものをかけている。こうした連中に免疫のないあの男に脅しをかけるという意味では丁度いいかもしれない。「検問があって遅れそうだ。」”好都合”なことに今日は昨日よりも警官の数が増えている。会場からはかなり離れ [続きを読む]
  • plastic change 133
  • 昔、母と祖母が夢中になっていたドラマの中では王が死んだ後、主治医である侍医はその罪を問われて死んだ。だとしたら侍医とは死が約束された地位だったことになる。人は誰も、例え王であったとしても死から逃れられないのだから。では今回のケースは?さっきまでは私の判断をしきりと感心してくれていたパン先生も今は手を洗いながら払われるはずだった高額なインセンティブ がどうなるのかそのことを頻りに気にしている。「ただ [続きを読む]
  • plastic change 132
  • 酒臭い寝室の大きなベッドの真ん中でその男はのんきにも裸で寝ていた。爺さんにとってこの男はつい最近までは大切な手駒だったはずなのにこんなにも簡単に捨てるんだ。爺さんとしては次の権力にも自分の力を残しておきたくてこの男を利用していたのだろうが…。今はもう必要ではなくなったということか。それはこの男が爺さんより”今”の総裁に近づきすぎたからなのか”今”の総裁自体がもう捨て駒なのか。理由はどうであれこれが [続きを読む]
  • plastic change 131
  • 「それではただ今より”キムさん”の右肺動脈血栓内膜摘手術を行います。ファン先生?」目の前に横たわる体はもう”キムさん”という名前を失って呼吸や拍動を監視される誰でもないptになった。指先一本上下させるだけで他人の人生をどうとでもできるほどの力を持つこの人も今は神の差配で命を等しく左右される存在になったのだ。「呼吸、血圧ともに正常値で推移しています。ユ先生、麻酔完了です。」医者は神ではない。神…とも [続きを読む]
  • plastic change 130
  • 「お前と俺だけで?」電話を通してもJの声色が急に変わったのがわかった。「俺は交渉事は苦手だ。俺にはお前が必要なんだよ。」Jの頭の中でどんな計算がされているにしろ「説明してみろ。」今、この提案は願ってもみないものに思えるはずだった。「実は一度は病院に侵入したがどうしてもあの女医に近づけなくてその上死にそうになった。」そしてそこに一滴の…。「どうも俺の行くことが既に知られていたようだ。情報が漏れていた [続きを読む]
  • plastic change 129
  • Jは今まさに指の隙間から零れつつある手に入れ損なった金を数えてさぞ眠れない夜を送っているのだろう。「J、すまない、心配かけたな。」俺の言葉にかぶさるような前のめりのJの声は「どういうことだ。何てことしたんだ。」初めて聞くほど焦っていた。「お前、俺の…いやどうするつもりだ。」既に手に入れたと思っていたものが今や失われそうなのだ。その焦りようもしかたなかろう。人はこういう時に失敗しがちだ。不幸の後の光 [続きを読む]
  • 月魄 plastic change 0  
  • 寂しい背中の窪みに集まった夜を掬いとるように口づけるとウンスの心が光りを求めるように溜息を漏らした。白い背中の中心に沿って辿ると俺の舌が翳を舐めとったせいでウンスの体が弓なりに逸らされた。ツンと立った乳房の先が窓から差し込む皓月に晒されて震えている。月には仙人になり損なった男が住んでいるらしい。その男に見られたら大変だとばかりに俺は両の手でウンスの乳房を隠すように包み込んだ。月に閉じ込められたまま [続きを読む]
  • plastic change 128
  • 昨日ヤン先生が持ってきた検査資料は不測の事態を引き起こす可能性を孕んだファクターの一つとして検討されその対応の為の何パターンかのシミュレーションも済ませた。「ユ先生、そろそろ出ますか?僕もう行けますけど。」どんなファクターにも対応できるよう事前に周到な準備をするところから既に手術は始まっているともいえる。「はい、私も大丈夫です。パン先生、手術室の手配ですが念のためもう一度確認しておく方がいいですか [続きを読む]
  • plastic change 127
  • 爺さんが選んだ人間は驚いたことに爺さんの息子だった。と言っても実際には血は繋がっていない。何度目かの妻の連れ子だ。優秀な男のようで母親が爺さんと離婚した後もグループに残り今は暫定的な総裁である爺さんの甥の下でその補佐をしている。質の悪いsoap operaのような展開なら次の王殺しの役回りには十分すぎるぐらい見合う人間ではあるが…さて、どうやって王殺しの汚名を着せようか…?胸の携帯がまた震えだした。俺の携帯 [続きを読む]
  • plastic change 126
  • 物悲しさの記憶と甘い感覚が交互に訪れてその狭間にすとんと落ちたような瞬間目が覚めた。体を起こすと暗い部屋の中に私一人になっていた。フットライトのぼんやりとした明かりだけが灯りベッドヘッドに置いた腕時計は夜中の二時をさしている。さっきまでの甘い快感が不確かな記憶のように去っていくとあれは夢だったのかもしれないと少しの間だけ思ったが新しく胸を飾るように咲いた赤い痣がそうでなかったことを教えてくれた。そ [続きを読む]