tanukiinu さん プロフィール

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tanukiinuさん: 弁護士引退日記
ハンドル名tanukiinu さん
ブログタイトル弁護士引退日記
ブログURLhttp://tanukiinu88.blog.fc2.com/
サイト紹介文引退準備中の老弁護士の日記。引退までの日々を綴ります。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供42回 / 121日(平均2.4回/週) - 参加 2018/08/13 16:42

tanukiinu さんのブログ記事

  • 非弁から「一緒に仕事しない?」
  • 独立して間もないころ、知人から「先生に法律相談をしたいと言っている人がいる」というので面談することになりました。その方は中年の男性でしたが、なかなか法律相談を始めません。変だな・・・と思っていると、法律相談をしに来たのではなく、「自分を事務員として雇って欲しい」ということが分かりました。債務整理に特化して仕事をしたいということです。当時、多重債務者の債務整理は弁護士にとって魅力のない仕事で、私も債 [続きを読む]
  • 会社員は弁護士より良い? 
  • 小学校高学年の時、私の父の写真が「重要参考人」として全国紙の新聞に載りました。当時、父はゼネコンで働いており、ダムやトンネルの土木工事の現場で陣頭指揮をとっていました。母によると出世頭であったということです。父が何をしたか、当時は分かりませんでしたが、今から考えると「贈賄」の嫌疑をかけられたのではないかと思います。父は逃亡生活を続け、その間、毎日のように刑事が自宅にきて、朝から晩まで家族の行動を監 [続きを読む]
  • 老化現象と認知症の境目
  • 年齢を重ねると記憶力、理解力、意欲が低下するのを実感します。これは加齢性の自然現象ですが、認知症でも同じような症状が現れます。だとすると、認知症と老化現象との境目はどこにあるのでしょうか。その境目を知っておくのは自分や親のためにも、無駄ではないと思います。以下は「知っておきたい精神医学の基礎知識」(誠信書房、上島国利・上別府圭子・平島奈津子編)からの引用です。「(アルツハイマー型認知症の)症状の特徴は [続きを読む]
  • 吉野弘の詩 「仕事」
  • 吉野弘という詩人の「仕事」という詩を紹介したいと思います。いかにも詩人風のもってまわった言い回しや難解な表現はなく、分かり易い詩です。停年で仕事を辞めたひとが− ちょっと遊びに といって僕の職場に顔を出した。− 退屈でねえ− 良いご身分じゃないか− それが、一人きりだと落ちつかないんですよ元同僚の傍に椅子に坐ったその頬はこけ頭に白いものがふえている。そのひとが慰められて帰ったあと友人の一人がいう。 [続きを読む]
  • 暇になったら何をする?
  • 弁護士引退後は時間があります。その時間を何に使うかが問題となります。引退後は「やらなければならないこと」と「やりたいこと」があります。「やらなければならないこと」は実家の問題の解決です。親の介護、相続、実家にあるおびただしい動産の処分、家と土地の処分・・・様々な問題があります。考えるだけで頭痛がしますので、弁護士の仕事があることを口実に先延ばしにしていました。弁護士をやめたならば、この面倒な問題に [続きを読む]
  • 続く低空飛行
  • 現状報告です。引退寸前ですが、なかなか、引退できません。引退すると決めてから、実際に引退するまでの道は結構、長くなると実感しています。手持ち事件は現在1件。受任は平成27年春、訴え提起はその年の暮れ。これがなかなか、終わりません。現在、最終準備書面を作成中です。地裁の判決が下されても、控訴、上告も考えると、まだまだ終わらないのではないかという危惧があります。この状況はある程度の予想はしていましたが [続きを読む]
  • 弁護士人生の転機
  • 一本道の弁護士人生もあれば、そうでない人生もあります。私はそうでないほうの人生でした。予想もしない転機が訪れ、人生の節目になることがあります。弁護士になった年、損保から事件の依頼がありました。イソ弁でしたが、ボス弁の仕事もし、自分の事件もこなし、2年で独立しました。早い独立でしたが、独立後は損保から次々と依頼があり、弁護士として快調な出だしでした。最初は一つのサービスセンターからの依頼でしたが、や [続きを読む]
  • 面倒くさいの正体
  • 弁護士として大っぴらには言えませんが、仕事が面倒くさくなりました。若い頃はそんなことはなかったのですが、60歳位を境に精神的な変化が明らかありました。「アレッ」と思ったのは数年前の年末、海を一望できるホテルで過ごした時です。年明けに予定されている証人尋問のことが頭を離れず、不快感があり、リゾート気分を味わえなかったのです。この不快感は何が原因か・・・とつきつめていくと、面倒くさいという感情だとおぼ [続きを読む]
  • 弁護士の老々介護
  • tanukiinuは69歳ですが、99歳近い母が実家で1人暮らしをしています。99歳とは言え、車椅子も杖も使わず歩行でき、身の回りのことや家事は1人でしています。しかし、2〜3年前から、さすがに理解力、記憶力、体力が低下し、他人のサポートが必要になってきました。切れた電球を変えたり、こまごまとした買い物をしたり、物を頻繁に紛失するので捜したり、通院に付き添ったりと、私のやるべきことは多岐に渡っています。庭にモグラが [続きを読む]
  • 不愉快な手紙
  • 弁護士会から不愉快な手紙が来ました。「お前は公益活動をやっていないけしからん奴だ」という手紙です。もうすぐ、70歳のジジイに委員会活動をしろと言うのです。仮にどこかの委員会に所属し、出席しても、ピントはずれの意見を言うか、議論のための議論をふっかけるか、オレは皆の知らないこんなことも知っていると自慢する位です。先輩の「ご意見」をありがたく拝聴しなければならない立場の他の人には迷惑でしかありません。 [続きを読む]
  • 最後の証人尋問終わる
  • 多分、弁護士人生最後の証人尋問が終わりました。少し前、裁判所から和解案が提示されており、こちらは受け入れる意向でした。和解案は依頼者には色々と不満があったのですが、依頼者に配慮している点もあり、受け入れることにしたのです。実際、裁判所の和解案は良く工夫されており、双方に有利不利な部分がありました。しかし、相手方はこちらに有利な部分のみを指摘し、不満があるとして和解を拒否、証人尋問となりました。正直 [続きを読む]
  • 年金で暮らそう
  • 今日は10月15日です。偶数月の15日は高齢者にとっては特別な日です。年金が支払われる日だからです。年金や老後の資金はどの程度、確保すれば良いのか色々と言われていますが、中々、難しいところです。ざっくばらんに言いますが、私の年金収入は年400万円位です。また、終身年金ですので、死ぬまで支払われます。司法修習生時代、刑事弁護の教官は老後みじめにならないように、年金は月30万円以上を確保すべきと力説し [続きを読む]
  • 成仏する人 しない人
  • 私と同期の弁護士で弁護士生活30年を目前にして「成仏」した人がいます。彼は弁護士をやめ、60歳台でサラリーマンになりました。弁護士には「成仏」する人としない人がいます。その違いは何なのでしょうか。私の同期の弁護士を見ていると、違いは「社交性」の有無だと思います。「成仏」しない弁護士はゴルフをやったり猛獣の名つくクラブに入ったりしています。そうした目に見える部分だけでなく、陰に陽に社会生活全般で社交 [続きを読む]
  • 此処じゃない何処かへ
  • このまま努力をしないとロクでもない人生になりそうだな・・・と思ったのは大学院生の頃です。大学、大学院で専攻していた学科には興味も能力もありませんでした。学歴だけは立派でしたが、それだけじゃ駄目だと自分でも分かっていました。人生のレールを敷き直すしかないと考え、大学院を中退しました。「此処じゃない何処かへ」の始まりです。幸い司法試験に合格、弁護士になり、それなりに充実した人生を送ることができました。 [続きを読む]
  • 弁護士業務 不安への対処
  • 弁護士になって一週間ほど経った頃、ボス弁の仕事で一人で暴力団事務所に行くことになりました。暴力団員が代理人になっていた事案の示談交渉です。そもそも、示談交渉などしたことありませんし、暴力団事務所に行くのも初めてです。強烈な不安を毎日のように感じましたが、とうとう、当日になってしまい、仕方なく暴力団事務所に足を運びました。こうした経験から、弁護士の仕事には不安がつきものだと実感しました。これほど極端 [続きを読む]
  • 今日の気分
  • ただいま、手持ち事件が一件だけです。少し前、解決が見えてバンザイと叫びたい気分でしたが、予想に反してずるずると続きそうです。ぬか喜びでした。当分、経費だけが出て行く状態になります。事件が長引くのは相手方に決断力がないからです。それにしても、細かいことに目をつぶり「エイヤッ」と思い切って事件を解決する弁護士は少なくなったのでしょうか。迅速な事件解決よりも、細かいことにこだわり、解決を先延ばしにする弁 [続きを読む]
  • 大都市に弁護士が偏在する数学的理由
  • 仮に5人から成る集団があるといます。A、B、C、D、Eとします。紛争(民事紛争に限ります)は2者間で生じますので、紛争の組み合わせとしては10組あることになります。AB、AC、AD、AEBC、BD、BECD、CEDEの10の組み合わせです。ある人数から成る集団の2人の組み合わせを紛争上限数と呼ぶことにしましょう。5人の集団では10組ですが、10人の集団では2倍の20組でしょうか。簡単な計算をすれば分かりますが、10人の集団 [続きを読む]
  • 老弁のこんな話は嫌われる
  • 老弁護士は恐らく若手や中堅の弁護士から嫌われていると思います。その理由は・ 難関の旧司法試験を突破したことを鼻にかけている・ 弁護士に希少価値があった頃に稼いだにもかかわらず、自分に経営能力があるからと思っているからです。自戒を込めて、老弁護士の嫌われる話を考えてみました。・まずは経営の苦労話です。「ワシも若い頃は経営に苦労したよ、ワッハッハ」というアレです。私が弁護士になった頃、弁護士人口は約1 [続きを読む]
  • 自分を孤独に追い込む人
  • 大分、昔の話ですが、80歳を超えた方(Aさんと言いましょう)から訴訟の依頼を受けたことがあります。Aさんは詐欺的取引の被害者で大金を失いましたが、幸い訴訟により、3分の2ほどを取り返すことができました。Aさんはサラリーマンとして出世した方で、世間的な知恵はあります。そうした方が詐欺的取引にひっかかかってしまったのは不思議なことです。しかし、人をみれば分かります。理由は寂しいからです。ある日、詐欺的取引 [続きを読む]
  • どうする 自分の葬儀
  • 今年の夏、2つの葬儀に出席し、自分の葬儀について考えるきっかけとなりました。2つの葬儀のうち、一つは仏式、もう一つはキリスト教による葬儀でした。仏式では僧侶が読経しますが、何を言っているか分かりません。人間に霊魂は存在するのか、存在するとしたら死後どうなるのか、僧侶ははっきり会葬者に伝えて欲しいと思うのですが、そのあたりがはっきりしません。キリスト教の方式では牧師の言っていることは分かりますが、「 [続きを読む]
  • 狩れない狐は生きていけない
  • 私が弁護士になった時代は、いきなり独立する方は僅かで、まず勤務弁護士となるのが普通でした。ボス弁の元でボス弁が受任した事件を処理し、給料を貰うのです。サラリーマンと同じです。勤務弁護士の期間は3年程度で、それから独立するのが一般的でした。ボス弁の元で働く弁護士の勤務形態としては現在は軒弁という形もあります。軒弁はボス弁と雇用契約がなく、事務所という場所を借りているだけで、給料は支払われません。仕事 [続きを読む]
  • 最近の法律相談から考えるHP集客
  • 引退間際の弁護士に法律相談を希望する方などおりませんので、「最近」とはここ10年くらいのこととお考えください。最近の法律相談には一つの特徴があります。それは相談者が既に弁護士に依頼していることです。相談者はセコンドオピニオンを求めているというよりも、今、依頼している弁護士を解任して新たな弁護士を選任したい意向があり、相談に来るのです。大法律事務所の中には派手に宣伝をしているところがあります。相談者 [続きを読む]
  • 老いの意味
  • 「ツナグ」(辻村深月著)という小説があります。死者を呼び出せる人物が小説の主人公で、死者に会いたいという人のため、彼女はホテルの一室に死者を呼び出します。小説の中でこんな詩が紹介されています(映画では樹木希林が朗読します)。楽しい心で年をとり働きたいけど休みしゃべりたいけど黙り失望しそうなときに希望し従順に、平静に、おのれの十字架を担う若者が元気いっぱいで神の道を進むのを見てもねたまず人のため働くより [続きを読む]
  • 学べないものがある
  • つい最近、当弁護士会の重鎮が数ヶ月の闘病生活を経て亡くなりました。A弁護士と呼ぶことにしましょう。実務修習時代の弁護教官で、A先生の法律事務所で4か月間、修行をしました。修習中のある日、A弁護士から「君、スキーやったことあるかね」と訊かれたので、ありませんと答えると、「弁護修習の一環としてスキーをやる」と宣言されました。気が乗らなかったのですが結局、私、A弁護士、勤務弁護士、事務員2人の計5人でスキー [続きを読む]
  • 最後の事件
  • 弁護士引退を決めてから新件を受任しないので、手持ち事件は減っていきます。現在の手持ち事件は1件のみです。平成27年に受任し、同年に訴訟提起した事件です。3年近く腐った丸木橋を渡るような不安を抱えていましたが、長々と続いた訴訟もようやく、先が見えてきました。解決まで時間がかかる訴訟では依頼者の精神は疲弊し、時に感情的になります。それに対応する役割が弁護士に回って来ます。本来の仕事ではないのですが、感 [続きを読む]