Dr. ETC さん プロフィール

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Dr. ETCさん: 長い長いお医者さんのつぶやきブログ
ハンドル名Dr. ETC さん
ブログタイトル長い長いお医者さんのつぶやきブログ
ブログURLhttps://blogs.yahoo.co.jp/easygoing1616
サイト紹介文思いつくまま気の向くまま,医学,医療に関するちょっとした事柄を末端医者の立場から気軽に発信します!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供53回 / 87日(平均4.3回/週) - 参加 2018/09/12 11:45

Dr. ETC さんのブログ記事

  • 糖尿病による皮膚疾患
  • 第86回 糖尿病による皮膚疾患  糖尿病の慢性合併症の一つとして様々な皮膚疾患があります。血糖コントロール不良の糖尿病患者さんの尿には糖分が多いですから,排尿時に御自身の陰部などの皮膚に尿が付着すれば多少なりともかゆみが出るかもしれません。また糖尿病性腎症を合併している方はむくみ(浮腫)があるかもしれません。それらは別として,同時期に生じている血管障害や神経障害,免疫性低下に随伴した皮膚疾患につい [続きを読む]
  • 日本人研究者の活躍した脚気とビタミンB1の歴史2
  • 第85回 日本人研究者の活躍した脚気とビタミンB1の歴史2  脚気はビタミンB1欠乏症の一病態です。ひどいと脚気衝心といって肺高血圧症を伴う高拍出性心不全で死に至ります。ずっと昔から存在していたと思いますが,脚気が「流行」したのは精白米を食べる習慣が皇族や貴族,上級武士などの上流階層から一般人にも広がった江戸時代(特に元禄の頃から)と言われています。 精米の過程で削り取られてしまう玄米の表層には,食物 [続きを読む]
  • 糖尿病による免疫力低下
  • 第84回 糖尿病による免疫力低下  糖尿病の慢性期合併症としての細血管障害,神経障害,網膜症,腎症については様々なホームページで紹介されています。私も第78,79,81,83回で触れさせていただきました。何せ患者さん御本人の心身,生活に重い負担をかける合併症ですから,何とか防ぎたい代表格のものです。もちろん,血管障害は毛細血管に限りませんので,心臓を支配する冠(状)動脈が障害されれば,狭心症や急性 [続きを読む]
  • 糖尿病性腎症
  • 第83回 糖尿病性腎症  腎臓は血液をろ過して余分な水分や老廃物(尿素窒素,尿酸,クレアチニンなど),電解質を尿として体外に排出する臓器です。糖や蛋白など生体に必要なものは決して漏らしません。ナトリウムと水分の調整のみならず,レニン−アンジオテンシン系と呼ばれる調整機構も伴って,血圧の維持管理にも関わっています。腹部大動脈から分岐した1本の腎動脈が腎門部から腎臓内に入り, 区域動脈,葉間動脈,弓状動 [続きを読む]
  • 日本人研究者の活躍した脚気とビタミンB1の歴史1
  • 第82回 日本人研究者の活躍した脚気とビタミンB1の歴史1  脚気(かっけ)(英語Beriberi)はビタミンB1欠乏症によって末梢神経障害(多発神経炎)と高拍出性心不全(脚気心)を生じる疾患です。栄養学の知識のない昔の日本は,肺結核症や梅毒などの感染症に負けず劣らず多くの脚気患者を出し,死因の上位でした。 ビタミンB1(C12H17N4OS)は水溶性ビタミンの一種で,別名チアミンです。生体内では各組織においてチアミンピ [続きを読む]
  • 糖尿病性網膜症
  • 第81回 糖尿病性網膜症  眼球をカメラに例えると,網膜はフィルムカメラのネガフィルム,デジタルカメラのイメージセンサー(撮像素子)に相当します。網膜は眼球の内面後方に存在します。光や色を感知する神経細胞(視細胞)の敷き詰められた膜状組織(厚さ0.2〜0.3mm)で,細い血管(網膜動脈,網膜静脈)が張り巡らされています。長径40mm前後とされていますが,そのうち黄斑と呼ばれる径2mm前後の狭い領域は,視細胞のう [続きを読む]
  • 消毒法の父ゼンメルヴァイスの悲運
  • 第80回 消毒法の父ゼンメルヴァイスの悲運  第69回,第75回でも触れさせていただきましたが,細菌(結核菌を含む)や梅毒トレポネーマへの感染に対して治療が出来るようになったのは,今からせいぜい70〜80年前からです。第二次世界大戦中の1943年,イギリスの首相ウィンストン・チャーチルがチュニジアで肺炎に罹患した時,ドイツで開発された抗菌薬サルファ剤で助かったという皮肉なエピソードがありますが,それこそ感 [続きを読む]
  • 糖尿病性神経障害
  • 第79回 糖尿病性神経障害  糖尿病の合併症の一つに糖尿病性神経障害(ニューロパチー)があります。高血糖による一過性,可逆性の神経障害もありうるのですが,ここでは血糖コントロール不良が長期に継続したことで発症するものについて述べさせていただきます。糖尿病の重症度や治療の程度,生活習慣,個体差によって発症時期が異なると思いますが,血糖コントロール不良が継続すると,1〜5年程度で大なり小なり糖尿病性神経 [続きを読む]
  • 糖尿病は血管を傷める
  • 第78回 糖尿病は血管を傷める  糖尿病治療の不十分な状態が続くと,何が怖いかと言いますと,重大な合併症です。特に症状のあまりない糖尿病の方には血液中の糖分が高いだけでしょうと思われるかもしれませんが,知らず知らずのうちに徐々に血管が傷めつけられて,挙句の果てに重大な臓器障害を生じてしまうのです。 ヒトによって差はありますが,血糖コントロール不良の期間が5〜10年程で糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜症 [続きを読む]
  • 糖尿病の基本知識
  • 第77回 糖尿病の基本知識  飲食物を摂取すると,主として胃から小腸において消化され,必要な栄養素が吸収され,やがてブドウ糖(グルコース,C6H12O6)が血中に増加します。静脈血中のブドウ糖濃度を「血糖値」と呼んでいます。人間の体はよく出来ていて,血糖値が高くなりすぎたり低くなりすぎたりしないように,調整する機構が備わっています。この機構に障害が生じると,耐糖能異常が起こります。一定の基準を超えたもの [続きを読む]
  • ヒ素は毒にも治療薬にもなる
  • 第76回 ヒ素は毒にも治療薬にもなる  色々なことが起こるものです。ある製造会社のBCGワクチンを溶かす生理食塩水から微量のヒ素が検出されたとの報道がありました。生理食塩水をガラス製の容器に入れ加熱する過程で容器からヒ素が溶け出たのが原因で,2008年以降の製品にはヒ素が混入していた可能性があるが,あまりに微量のため安全性には問題はないとのことです。ガラスと言っても様々な種類(組成)があるそうで,ヒ素を [続きを読む]
  • 猩紅熱
  • 第75回 猩紅熱  猩紅熱(しょうこうねつ,Scarlet fever)という病気をお聞きになられたことはないでしょうか?第69回で肺結核症に触れさせていただきましたが,それと同様に,かつて猛威を振るった細菌感染症です。文学作品を読むと登場人物の誰かが猩紅熱に苦しめられる場面に遭遇するかもしれません。 例えば,「若草物語」「続・若草物語」(ルイザ・メイ・オルコット作)では,マーチ家三女のベス(正式名エリザベス [続きを読む]
  • アスクレピオスの杖
  • 第74回 アスクレピオスの杖  国際連合の一機関である世界保健機構をはじめとして,医学,医師に関する組織,団体の多くに,「アスクレピオスの杖」がシンボル,ロゴに組み込まれているのを御存知でしょうか? アスクレピオスはギリシア神話に登場する医神です。主神ゼウスとレトの間に生まれたオリュンポス十二神の一柱アポロン(太陽,医術,音楽,家畜,弓術,予言の神)は,ギリシアのテッサリア地方のラピテース族王プル [続きを読む]
  • 人工知能が病理診断
  • 第73回 人工知能が病理診断  2018/11/01(木)に西日本新聞朝刊の「九州大学発AI病理診断第1号ベンチャーソフト開発。数分で解析,費用は半分に」という記事を読みました。いやあ〜すごいですね〜,とうとう人工知能が医者の領域に入って来ましたか!というか,単に時間の問題だったのでしょうね。人工知能が必要なのは何も自動運転だけではありませんからね。 理由は色々でしょうが,長らく病理医は全国的に不足しています [続きを読む]
  • 健康食品は健康に良くないこともある
  • 第72回 健康食品は健康に良くないこともある  楽〇〇〇やY〇〇〇〇!ショッピングのようなホームページを拝見すると,実に多種多様な健康食品が販売されていますね。以前なら耳にしたことのない小さな会社ばかりが販売していましたが,最近は大手企業も積極的に参画しているようですね。  ビタミン剤やカルシウム剤,栄養ドリンク,養命酒,高麗人参,ハブ酒,にんにく,プルーン,クロレラ,ロイヤルゼリー,冬虫夏草といっ [続きを読む]
  • ヒポクラテスの木
  • 第71回 ヒポクラテスの木  医学部医学科キャンパス内や大学病院などの傍らに,1本のプラタナス(和名:鈴懸,すずかけ)の木が植えられているのを御存知でしょうか?その木の横にはきっと解説が添えられていると思います。「ヒポクラテスの木」と呼ばれています。トルコとの国境に近いギリシアのコス島にある,本場「ヒポクラテスの木」由来の苗木や種子を譲り受け育てられたものです。 プラタナスは公園や街路でも見かける [続きを読む]
  • 臨床研修と消えゆく病理解剖
  • 第70回 臨床研修と消えゆく病理解剖  医学部医学科の専門課程に入ると,最初に解剖学の講義と実習が始まり,非常にたいへんな系統解剖によって医学を学ぶ者としての洗礼を受けるということを第4回で触れました。今は医学部医学科に入学したら,早いうちに医療の現場に触れるとか,医の倫理の講義を受けるとか,私の学生時代にはなかったようなカリキュラムの工夫がありますが,私が経験した洗礼は,その時代,どの大学でも同 [続きを読む]
  • 肺結核症の今と昔
  • 第69回 肺結核症の今と昔  宮崎駿監督のジブリ映画「風立ちぬ」を御覧になられたでしょうか。堀越二郎の恋人,里見菜穂子が発熱したり喀血したり高原の療養所に入院したりする場面があります。映画の中で病名は出て来ませんが,まさに肺結核症です。 肺結核症は結核菌感染による肺炎のことで,かつては労咳(ろうがい)と呼ばれていました。日本の明治期から戦前の三大死因の一つでしたが,弥生人や鎌倉時代末期の遺跡から発 [続きを読む]
  • 体がきれいすぎる?現代人
  • 第68回 体がきれいすぎる?現代人  私達医療従事者は,もちろんマスク着用や手洗いの徹底など予防策を心がけているものの,常に病原体に被曝する危険性をはらんでいます。私が卒後5年目頃まで職場では(今は行わなくなった)ツベルクリン反応検査が定期的に実施され,結核の免疫を持っているかどうかを調べられたものです。そのうち,B型肝炎ウイルスの血清抗体価測定とワクチン接種も職場で実施されるようになりました。職場 [続きを読む]
  • 救急車と病院医師は無関係!?
  • 第67回 救急車と病院医師は無関係!?  「救急」の感じ取り方は人に依るかもしれませんが,救急患者の受け入れ先については,一次医療,すなわち,外来で対処しうる帰宅可能な軽症患者(例えば,発熱や咳嗽,嘔吐,下痢,ちょっとした外傷など)は,自宅待機・経過観察の上,日中(時間内)に医療機関に受診するか,休日夜間急患センターや地元医師会の輪番医院に受診するかになります。二次医療,すなわち,入院加療が必要な [続きを読む]
  • がん化リスクのある大腸ポリープ
  • 第66回 がん化リスクのある大腸ポリープ  「TBS系の医療バラエティー番組で,ある芸能人の方にがん化リスクのある巨大な大腸ポリープが発見された。昨年も摘出手術を受けた。医師から余命5年と告げられた。」という記事を読みました。いくら仕事とは言え,自分の健康をネタにされてしまうのは少し気の毒ですね。今回はがん化リスクのある大腸ポリープについて書かせていただきます。 昔のX線透視検査(大腸造影検査)しかな [続きを読む]
  • 遅いぞ!病院の証明書
  • 第65回 遅いぞ!病院の証明書  多くの皆様は備えとして何らかの生命保険や医療保険,がん保険などに加入されていると思います。石橋を叩き過ぎて渡る前に崩壊しそうなほど慎重な私は,ファイナンシャルプランナーの相談窓口で相談しても掛けるものはもうないよと言われる位各種保険を掛けて自己満足しています。 さて,入院や手術に至った場合,退院後早速,保険会社に電話をかけるか,インターネットで書面を請求するかして [続きを読む]
  • 一喜一憂する検診結果
  • 第64回 一喜一憂する検診結果  春や秋は職場検診や住民健診が盛んだと思います。季節はいいのですが,受ける立場の方は気が重くなるかもしれません。また検査値に引っかかって病院を受診しないといけないのだろうなあとか,また同じ調査用紙に同じこと(既往歴やメンタルヘルス調査など)を記載しないといけなく面倒だなあとか,人それぞれでしょうね。昔と違って,今は検診を受けるのも仕事だと言われて決してサボることは出 [続きを読む]
  • 優生思想と強制不妊手術
  • 第61回 優生思想と強制不妊手術  最近,強制不妊手術と人権侵害の問題が取り沙汰され,国への損害賠償訴訟も起きていることは御存知かと思います。強制不妊(断種)は当時の優生保護法(昭和23年制定)に基づいて実施されました。なぜこのような法律があったのかと思われるかもしれませんが,この問題を知るには,優生思想の意味を理解し,その歴史をひも解く必要があります。  動物の世界では,環境からの圧力によって優れ [続きを読む]
  • 戦争と医学研究
  • 第54回 戦争と医学研究  第53回で医学研究と人体実験(ヒトの生体実験)と題したブログを書かせていただきました。人体実験という言葉に敏感になられる方がいらっしゃるかと思いますが,今回のブログを見据えてあえてその言葉を使わせていただきました。2018/9/27(木)に産経新聞デジタル「人体実験疑い」の731部隊論文,京大が予備調査の方針」という記事を,9/28(金)に北海道新聞電子版「検体求め倫理を逸脱?北大教授 [続きを読む]