くまひろ さん プロフィール

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くまひろさん: くまひろさんの創作部屋
ハンドル名くまひろ さん
ブログタイトルくまひろさんの創作部屋
ブログURLhttp://kumahirosan.blog.fc2.com/
サイト紹介文絵本やぬいぐるみを作っています。小学生のピュアラブ×里山ファンタジー『ナイショの妖精さん』を連載中!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供96回 / 91日(平均7.4回/週) - 参加 2018/09/19 20:46

くまひろ さんのブログ記事

  • 《1》 あたしの背中の羽のこと1
  •  あたしの背中には、アゲハチョウの羽がある。 キラキラ、りんぷんでかがやく、銀の羽。 だけどそれは、人にはナイショ。◆   ◆   ◆「あ〜あ。人間の世界って、めんどくさい」 あたしは、ダイニングテーブルに両手でほおづえをついて、ふてくされてる。「『めんどくさい』ってなにっ!?  ママは、綾(あや)のためを思って、言ってるのよっ?」 夕飯をつくっていたママが、エプロンで手をふいて、わざわざキッチン [続きを読む]
  • ナイショの妖精さん 2 これまでのあらすじ&もくじ
  • ★ナイショの妖精さん 2★● もくじ《1》 あたしの背中の羽のこと ⇒こちらからジャンプ 《2》 かごの中の人面蝶《3》 デートスポットには、オシャレして《4》 告白の後先《5》 決戦は卒業キャンプで● これまでのあらすじ  *ネタバレ注意!!小学6年の和泉綾(いずみあや)は、クラスのボスでモテモテ君の中条葉児(なかじょうようじ)と、近所の浅山(あさやま)で妖精を見る。葉児の亡くなった父親はイギリ [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー18
  •  あたしが蹴とばした石っころが、ころころヨウちゃんの足元まで、坂をのぼっていった。「ふ〜ん。そうやって、ヨウちゃん、自分が言ったことを、なかったことにする気なんだ〜。サイッテー。このごろリンちゃんたちとも、たくさん話してるみたいだしね。どうせ今に、リンちゃんたちにも、『オレがいる』とか『おまえだけだ』とか、都合のいいこと、言いはじめるんでしょ〜?」「……おまえな。オレが、倉橋たちと話してんのは、お [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー17
  •  低く連なる一戸建ての向こうに、浅山の山並みがのぞいている。 堤防の向こうは、白い海。海の上の空も白い雲でおおわれている。 季節はいつの間にか、秋。 高台の並木を涼しい風が吹き抜けていく。 詩人になった気分で歩いていたら、先行く背の高い背中がふり返った。「――で。綾。なんでオレについてくんだよ? おまえの家は、逆方向だろ?」 坂のとちゅうで、ヨウちゃんが立ちどまって、腕を組んでる。 いつも思うんだ [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー16
  •  ガチャって、部屋のドアが開いた。「どう? 傷は治った?」 にっこりエクボで、ヨウちゃんのお母さんが入ってくる。 う、うわぁああああ〜っ!! バッと、ヨウちゃんの両手が、あたしの背中からはなれた。「い、いや、あの、な、な、な、なぉったあああああ〜っ!! 」 ヨウちゃん、耳まで真っ赤っ赤で、ベッドの上につっぷしちゃった。次のページに進む前のページへ戻るにほんブログ村児童文学ランキング [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー15
  •  右手の甲だって、左足だって、ほっぺただって。薬を塗っただけで、するりするりと治っていく。 寝たきりだったヨウちゃんはもう起きあがって、ベッドの横に足を出して、腰かけている。「ねえ、もう、これで傷はぜんぶ?」「あとは、背中と肩だな」「パジャマ、ジャマ。ぬいで」「って、おまえは、ヘンタイかっ!? あとは自分で塗るからいいっ!」 バッと、薬ビンを奪いとられる。 なによ〜。これじゃあ、さっきまでのほうが [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー14
  • 「お願い。二階の手前の部屋だから」「は、ハイっ!」 ビンをにぎって、バタバタ階段を二階にのぼっていって。手前の部屋。 ドキドキしながら、ドアノブをつかんで引いたら、ヨウちゃんの部屋の窓の外も、白んでいた。 部屋の広さは、となりのお母さんの部屋とおんなじくらい? あたしの部屋よりは、ほんの少し、せまいかな? 男の子の部屋って、こんなんなんだ……。 ぬいぐるみとかキャラクターグッズとか、そういうカワイ [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー13
  •  あたしは、アホっ子で。 ドジっ子で。ドンくさくて。 どんなにやっても、失敗ばっかり。 だけど、ヨウちゃんだって、何度も失敗したんだから。 それでもがんばって、あたしを人間にもどしてくれたんだから。 あたしも、がんばる!「やった! きっちり、百ミリリットル!」 次は、ビーカーにそそいだ濃縮液に、分量どおりのグリセリンとはちみつを入れること。 ここまで来て、失敗したくないから、入れるときは慎重に。  [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー12
  •  かごにいっぱいの虹色のレモンバームの葉をつんで書斎にもどると、お母さんは、ヨウちゃんがつかったなべをキレイに洗って、つくえの上も整えてくれていた。「水、一リットルに、レモンバーム十グラムを入れて、濃縮」 で、出た。濃縮!「きっちり百ミリリットルまで濃縮させたら、火をとめて。グリセリンとはちみつを……」 なんかいろいろやることがあるみたいだけど。まずはまな板の上で、葉っぱの千切り。 お母さんは薬づ [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー11
  • 「うん、もどった! ヨウちゃんのつくった薬で、ちゃんともとにもどれたよっ!」「……そうか……」 だけど、ヨウちゃんは、そのままお母さんにもたれて、がっくりと目を閉じちゃった。 Tシャツもジーンズも、あっちもこっちも、かみそりで切ったみたいに裂けている。ほっぺや腕なんて、血がしみだしてきちゃってる。 い、い、痛そう〜っ!!「ど、どうしよう。お母さんっ! きゅ、きゅ、救急車っ!! 」 だけどヨウちゃん [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー10
  • 「……え?」「人間の世界には、オレがいるだろ? おまえの友だちがどっかに行こうが、おまえがクラスでひとりぼっちになろうが、オレがずっと、おまえといてやるよ。オレだけはぜったいに、綾を見放さない。だから……お願いだからっ! オレのために帰って来いっ!! 」 ……なに……それ……。 ビュンっと風が吹いた。 ヨウちゃんの右手の甲に、スパッと傷がつく。「っ!」 ヨウちゃんがとっさに手を開く。 小ビンが転げ [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー 9
  • 「……ヨウちゃん……」 琥珀色の目と、目が合ったとたん、あたしの体はとまっちゃった。 チョウの羽をパタパタと動かしているだけで、妖精たちといっしょに踊れない。 だって、玄関のポーチに立ちすくむ、ヨウちゃんの目。真っ赤に染まって、うるんでる。「……綾……行くのか……?」 ヨウちゃんののどぼとけが、ごくっとさがった。「本当に……そっちの世界に行くのか……?」「……あたし……」 ぶわっと、つむじ風が起こ [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー 8
  •  ぼんやり、うす雲をまとったお月様。虹色の輪をつくっている。 何種類も植わったハーブたちはみんな、黒い影になってしずんでる。 お月様の虹色の輪から、チラチラと、銀色の光の粉がふってきた。 光の粉がバラのアーチのそばまでおりてくると、羽をかたどっているのに気がついた。 トンボの形の銀色の羽。 羽をはやした手のひらサイズの男の子や女の子が、次々にハーブの上におりてくる。 ヒソップのお花をぽんぽんゆらし [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー 7
  • 「……仲間をさがしに行かなくちゃ」 あたしも、羽を羽ばたかせて、書斎から出ていった。 一階のお店をのぞきこんだら、ヨウちゃんのお母さんが、ひとりでテーブルをふいていた。 ヨウちゃんは、自分の部屋かな……? 二階へあがったことなんかない。二階はたぶん、中条家のすごくプライベートな空間。 あたしみたいな「くされ縁で、友だち?」みたいなヤツが、ぜったいにのぞいちゃいけない場所。 最後にこっそり、お別れだ [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー 6
  • 「あっ! くそっ!!  また失敗かよっ!」 ヨウちゃんの声が荒れてきた。 本の陰からのぞいたら、つくえの上に、失敗作の小ビンが増えていた。 さっきまで、二個くらいだったのが、もう五個。 ヨウちゃん、ガンってイスを蹴って、八つ当たり。さらにはこぶしでドンって、つくえをたたいてる。 ……だ、だいじょうぶ……? つくえの上にちらばっていたヒソップの山が、いつの間にか五分の一くらいにまで減ってるし。 何度 [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー 5
  • 「はい。それじゃ、今晩はうちでお預かりしますね。あ、綾ちゃんにかわるんですか。ご、ごめんなさい。綾ちゃん今ちょっと、お風呂に入っておりまして。ええ、ええ。お伝えしますね。いいええ〜。お気になさらないでください。うちは大歓迎ですので。それじゃあ、お休みなさい」 一階の窓の中で、ヨウちゃんのお母さんは、カフェのカウンターに置かれた固定電話の受話器を置いた。「かあさん、綾の親はオッケーだって?」 ドキッ [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー 3
  •  ヨウちゃん、「はぁ」って前髪をかきあげて、横たわっている人間のあたしのとなりで、足をくずした。「つまり、こういうことだ。綾はふつうの人間の間に産まれた、人間の子。だけど、アホだから、とうさんがくれた妖精のタマゴを、アメとまちがえて、腹ん中に入れてしまった。妖精のタマゴが孵るまでの期間は、八年。とうさんはその八年が、綾が自分に自信をつける期間にあたるんじゃないかと思った。八年たって、綾の持っていた [続きを読む]
  • うぱたろんノート第二弾!!
  • オリジナルショップ★くまひろさんちNEWアイテム、うぱたろんのノート発売です♪持ち運びに便利なB6サイズ。中は、使い勝手のいい7mm罫線。こちら、裏表紙( *´艸`)こんなパッケージでお届けしますよ!下は画像のサンプルです。写真だと色が変わってしまうので、こちらの色味を参考にしてください(^O^)/にほんブログ村人気ブログランキング [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー 2
  •  なんかヘン。映画館で、スクリーンの中の主人公に話しかけたら、主人公が観客に気づいて、ふり返っちゃったみたい。 ……ん? 待って。 ヨウちゃんの足元で寝ているのは、あたし。 じゃあ、ここで、そのふたりを見ているあたしは、だれ?「来るなっ! 寄るなっ!!  まさか、おまえ、綾を仲間にしに来たんじゃねぇだろなっ !?」「お、落ちついてよ、ヨウちゃんっ! あたしだよっ!!  和泉綾だよっ!」 だけど、ここ [続きを読む]
  • 《5》 真夜中のダンスパーティー 1
  •  日がかたむいて、うす曇りの空は、ぼんやり、ぼんやり暗くなる。 おい茂る木々に風が吹きつけ、葉は黒いシルエットになってゆれる。 浅山の頂上近くに一部分だけ、ミステリーサークルみたいに、木々が植わってない場所があった。そこは一面、お花畑。 お花畑の中に、古い赤レンガの遺跡がうまっている。 ヨウちゃんのお父さんが日記に書いてた「ヒースの茂み」って、ここのことかな? 今は、うす闇に染まっちゃって、お花は [続きを読む]
  • 「うぱたろん」の絵本、発売しました!!
  • ウーパールーパー「うぱたろん」の絵本が完成しました!BOOTHのオリジナルショップ「くまひろさんち」で販売しています(*^-^*)https://kumahirosan.booth.pm/items/1087991BOOTHオリジナルショップ★くまひろさんちウーパールーパー「うぱたろん」のまったりとした日常です。ウーパールーパーの生態も学べるかも??こちらが表紙↓中身はこんな感じ↓背表紙はこちら↓名刺サイズのリスのメッセージカード付き。台紙付きのパッケー [続きを読む]
  • 《4》 羽開くとき 10
  • 「……綾……」 だって……だってね。「妖精の世界に行くこと」は、あたしの救い。 どんなにアホっ子でも、ドンくさくても。ちゃんとどこかには、自分の居場所があるんだって、安心していられること。 それがなくなったら、あたし……どうしたらいいの……?「ヤダぁ〜っ!!  あたしは妖精だもん〜っ!! 」 ぶわっと、背中で風が吹いた。 冷たい風。 窓のカーテンを舞いあげて、あたしの体のまわりに、竜巻みたいな渦をつ [続きを読む]
  • 《4》 羽開くとき 9
  • 「……どうした? ――あ。このノート、読んだのか……?」 ヨウちゃんが立ちあがって、自分のつくえの上から、翻訳ノートを持ちあげた。「――そうか。読んだなら、わかったと思うけど。朝言ってた大事な話ってのは、このことだよ。おまえにはキツイ話だと思うけど、こうなったら、もう、ぜんぶ受け入れろ。これが、おまえが夢見てた『妖精の羽』の真実だ」 ……ヤダ。 その話、ききたくない……。「とうさんは、たしかに綾に [続きを読む]
  • 《4》 羽開くとき 8
  •  背の高いヨウちゃんの背中は動かない。 広い肩幅。足も長くって、上からリンちゃんを見おろしてて。なんだかすごく……おとなのオトコの人。 どうしよう……ヨウちゃんが行っちゃう……。 有香ちゃんや真央ちゃんが、恋したとたんに、遠い人になっちゃったみたいに。 ヨウちゃんまでリンちゃんに恋をして、あたしを置いて、おとなになっちゃう。「ごめん。オレ、倉橋とはつきあえない」 ハッとして、あたしは顔をあげた。  [続きを読む]