バイオステーション さん プロフィール

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バイオステーションさん: バイオステーション
ハンドル名バイオステーション さん
ブログタイトルバイオステーション
ブログURLhttps://jugem.hatenadiary.jp/
サイト紹介文最新の生命科学研究を分かりやすく解説します!
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供35回 / 18日(平均13.6回/週) - 参加 2018/12/31 15:40

バイオステーション さんのブログ記事

  • アストロサイトがリズムを作る
  • 昨年は本庶佑先生がノーベル賞を受賞されて盛り上がりましたが、おととしのノーベル医学生理学賞は何だったか憶えているでしょうか。おととしのノーベル医学生理学賞は"概日リズムをコントロールする分子メカニズム"の発見に対して、ジェフリー・ホール、マイケル・ロスバシュ、マイケル・ヤングに授与されましたね。-----多くの生物は地球の自転に合わせて体内時計を持っていて、睡眠や体温、行動などを変化させる。この [続きを読む]
  • long non-coding RNAは意外と、、、??
  • 生き物のゲノムにはlong non-coding RNA(lncRNA)(タンパク質をコードしていない長いRNA)が数多く存在していることが分かっている。これまで数多くの因子のlncRNAの機能が報告されてきたが、意外と発生に不可欠であるという報告は少なく、lncRNAが"死ぬほど"重要なのかどうかは不明であった。-----lncRNAが"死ぬほど"重要なのかを調べるために、筆者らはゼブラフィッシュにおいて、CRISPR-cas9を用いて、32種類のlncRNAのノッ [続きを読む]
  • ゾフルーザの作用機序 -Snatching the cap-
  • 今年もインフルエンザが広まる季節になってきましたね。当ラボでもボスを始めとして発症者が出てしまいました....ただ、去年までと様相が異なるのは、"ゾフルーザ"という新しい薬が出ていることだろうこの"ゾフルーザ"の作用機序は結構興味深いので、このブログで紹介しようと思う。一言でまとめると、ゾフルーザはキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤なのだが、それではなんのこっちゃ分からないので説明したい。---- [続きを読む]
  • Act locally !
  • 最近の神経科学のトレンドの一つとして、"軸索でのローカルなもろもろの制御"というのが挙げられる。例えばこれまで、mRNAはaxonでローカルに必要な場所で合成されるだとか、m6a修飾がaxonで特異的におこるとかが報告されてきた。さらに、最近オルガネラまでもがAxonやDendriteにローカルに存在することがCellにBack-to-backで報告される*など、ローカルな制御がグローバルに熱くなっている。ちなみにそのCellによると、ミト [続きを読む]
  • ニューロンを生むべきか、グリアを生むべきか
  • 私たちの脳はニューロンやグリア細胞といった細胞から構成される。このニューロンやグリア細胞は発生期において共通の起源である神経幹細胞から生み出されることが知られている。神経幹細胞は興味深い性質を持っていて、発生の初めの方にはニューロンだけを生み(ニューロン分化期)、そのあとにグリアだけを生む(グリア分化期)という性質を持っている。つまり、神経幹細胞は発生時期依存的に性質を変え、生み出す細胞を変化さ [続きを読む]
  • 紹介できなかった論文たち_2
  • 2018年も最後になってきたので、今年出た論文で紹介しきれなかったものを簡単に紹介する。Self-organization of a human organizer by combined Wnt and Nodal signalling, Nature, 20181924年にシュペーマンとマンゴールドの実験によって、イモリの初期胚にはシグナリングセンターのような"オーガナイザー"があることが分かっていた。オーガナイザーは誘導因子を分泌し、周りの組織の発生運命を決定する重要な領域である。 [続きを読む]
  • 二刀流 in Heart
  • 今年2018年は大谷翔平がメジャーリーグでも二刀流をこなし話題になりましたね。年の瀬ですが、Scienceにタンパク質も二刀流していたというやつが出ていたので紹介します。この論文では、心筋で筋小胞体とT tubeをつなぐ構造タンパク質として知られていたJunctophilin2が筋損傷時に核に入り転写因子として働く、ことを見出した。構造タンパク質と転写因子としての二刀流ということですね。-----心筋は収縮と弛緩を繰り返す [続きを読む]
  • シングルセルChIP-seq
  • 今回は日本初のテクニックについて紹介しようと思う。ChIP(クロマチン免疫沈降法)は、あるタンパク質がゲノム上のどこに張り付いているか調べる方法で、転写因子の解析やエピジェネティクスの研究でよく使用されている。具体的な実験としては、以下の図のように*タンパク質とDNAを結合させる↓DNAを切断する↓タンパク質を抗体で免疫沈降するという流れで行われる。実際は、最後にシーケンスすることでゲノムワイドに [続きを読む]
  • 翻訳されるnon-coding RNA??
  • 前回紹介したように、(https://jugem.hatenadiary.jp/entry/2018/12/16/145900)近年non-codingと思われていたRNAから翻訳されていた!という報告がいくつかなされてきた。今回紹介する論文も感染時に発現する翻訳される"non-coding"RNAを見つけた!、という話(☆)。さらにそいつは一般的な開始コドン(AUG)から始まっていなかったという驚きもある内容。------おそらく、初めは感染時に翻訳がどう変化するというモチベーショ [続きを読む]
  • 精子と卵子が出会うとき_2
  • 精子と卵子がお互いを認識しあうタンパク質は受精卵の形成に極めて重要である。先日紹介したように、https://jugem.hatenadiary.jp/entry/2018/11/27/192536これまで哺乳類で精子-卵子間相互作用をIzumoとJunoという因子が担うこと報告されてきた。(Izumo; Inoue et al., Nature, 2005、Juno; Bianchi et al., Nature, 2014)---では他の種でどのように精子-卵子間相互作用を行うのだろうか?研究者たちはまず、IzumoやJunoが他 [続きを読む]
  • 端のメチルが役に立つ?
  • 今回は日本人研究者の論文を紹介しようと思います*。タイトルは完全にプレスリリースのタイトルに引っ張られてます...(プレスリリースのタイトルは"メチルは端だが役に立つ")少し前の投稿でも解説した通り、最近新しいRNA修飾としてm6Aが再発見され、その生物学的意義が明らかにされつつある。多くの人はmRNAの内部に存在するm6Aに着目し、その機能を研究しているが、脊椎動物ではmRNAの5末端にも、m7Gに続く構造としてm6Amが [続きを読む]
  • CRISPRの歴史_6
  • 今回はゲノム編集ではなくて、基礎研究のためのCRISPRの応用法を。先日CellにてでたCRISPR-GOというの(1)を紹介しようと思う。遺伝子発現は転写因子やクロマチン状態などの要因で制御されることが有名ですね。しかし近年、遺伝子発現が"遺伝子座が核内のどこに存在するか"で制御されている可能性が報告されてきている。一般的には、ある遺伝子座が核膜に移行するとその遺伝子の発現はOFFになる、と考えられている。これ [続きを読む]
  • CRISPRの歴史_5
  • 今回はCRISPRを治療に使おうという潮流の論文を。この分野では、Juan Carlos Izpisua Belmonte (以下ベルモンテ) Lab (ソーク研究所)の成果が目覚ましい。*ベルモンテは日本人研究者好きで知られている。Publicationをみても日本人が1stのものも多い。ちなみに、ブログ編集者は最近某学会でベルモンテの講演を聴くまで存じ上げなかったのだが、かなりすごい成果を上げまくっている。Ratとmouseのキメラとか、若返りマウスとか [続きを読む]
  • CRISPRの歴史_4
  • 前回xCas9で紹介したDavid Liuの他の仕事について少し。David Liuさん、これまで存じ上げなかったが、2017年のNatureが選ぶ10人にも取り上げられるスーパーな研究者らしい。経歴もなかなかすさまじく、学部の時はド有機化学でノーベル賞ホルダーのE.J.Corey Lab、PhDは化学と生物の融合領域で有名なピーター・シュルツ Labを出ている。*ピーター・シュルツさんについては"ピーター・シュルツ"で検索して出てきたものを読むと [続きを読む]
  • CRISPRの歴史_3
  • 今回はCas9の改変体について。CRISPR-cas9は強力なゲノム編集技術だが、もちろん課題もある。その一つが、ターゲット配列にかかる制限だ。Cas9はガイドRNAで標的とした領域すべてを切断できるわけではなく、標的配列の近傍にPAM(プロトスペーサー隣接モチーフ)が必要である。現在広く使われているCas9のPAM配列はNGG(Nは任意の塩基)で、この配列が近くにないとCas9はDNAを切断できない。GGは一応1/16で出てくるが、ノック [続きを読む]
  • CRISPRの歴史_2
  • 前回、CRISPRの歴史について紹介したが、Cellに昔出ていた"The Heroes of CRISPR"(Cell, 2015)という総説がかなり良かった。どういった人々が、どのような経緯で重要な発見に至ったかが記されている。*オープンアクセスなので誰でも読める。ぜひ。ちなみに書いたのはボストンの人なので、フェンチャンびいきになっている。同然ダウドナはこれには承服できない部分があるらしく、Pubmedで反論が投稿されている。これら議論は他 [続きを読む]
  • CRISPRの歴史
  • 最近ヒトに対してCRISPRでゲノム編集を行ったというニュースが流れた。(未だ真偽不明だが)今でこそ、CRISPRは当たり前の技術になりつつあるが、ゲノム編集のツールとして報告されたのは2012年と新しい。CRISPRはどのように発見され、開発されてきたのだろうか。今回は、CRISPRの歴史をざっと振り返りたい------1980年ごろ、塩基配列解読技術の発展によって、いろいろな生物の全ゲノムが解読されるようになった。その中で、 [続きを読む]
  • 精子と卵子が出会うとき_1
  • 今回から二回にわけて、精子と卵子が結合するメカニズムについて紹介したい。私たちの体は37兆個*の細胞からなると考えられていて、それぞれの細胞が、それぞれの場所で、それぞれの機能を発揮することで恒常性を維持している。これらのすべての細胞は元をたどれば受精卵という一個の細胞から生み出される。すなわち、受精卵の形成メカニズムを知ることは、私たちの体がどう形作られているか知るために極めて重要な問題で [続きを読む]
  • ヒストンのもつ驚きの機能
  • DNAを巻き付けているヒストンには銅の還元活性(Cu2+ → Cu1+)があるかも、という驚きの論文*がでていたので紹介しようと思う。ヒストンはDNAを巻き付けているタンパク質で、DNAを核の中にコンパクトに収納するとともに、メチル化などの修飾によって遺伝子発現を調整すると考えられている。ヒストンは進化的によく保存されていて、古細菌にもヒストン様のタンパク質が存在する。しかし、古細菌ヒストンは- N末端が短くメチル [続きを読む]
  • Ikzf2 (Helios) という因子
  • Ikzf1(Helios)という聞きなれない遺伝子に関する論文が、今日のNature*とCell Stem Cell**に報告された。Natureの方は耳の外有毛細胞の発生に関して、Cell Stem Cellの方は白血病のがん幹細胞に関してである。Pubmedで"IKZF1"を検索すると、110件しかヒットしないし、多くの論文はTreg細胞関係らしい。そういった因子が別の系で同日に(しかもトップジャーナルに)、掲載されるというのは結構珍しい気がする。今回はひとま [続きを読む]
  • 採用できなかった論文たち_1
  • 比較的最近の論文の中で、このブログで解説しようと思ったが(主に編集者の力不足により)扱い
    きれなかった論文をまとめて紹介する。まず、Molecular CellにBack-to-backで出ていた2本の論文。- Syst
    ematic Study of Nucleosome-Displacing Factors in Budding Yeast- Sequence-Directed Action of RSC Remodeler and General Regulatory F
    actors Modulates +1 Nucleosome Position to Facilitate Transcription酵母の系を用い [続きを読む]
  • レンチウイルスの作成効率を上げる
  • タイトルそのまま。レンチウイルスの作成効率を上げる方法を紹介する。レンチウイルスは目的のプラスミドとウイルスの外殻となるVSVをウイルス産生用の細胞に導入することで作成される。------今回の論文では、このときTaxという遺伝子をコードするプラスミドを導入しておくとin vitroではウイルス産生効率が10倍にも増加することを確認している。また、ウイルスを濃縮してもTaxたんぱく質自体は検出されなかったことから [続きを読む]
  • 猫も杓子も相分離_2
  • 多くの転写因子はDNA結合ドメイン(DBDs)と活性化ドメイン(ADs)を持つことが知られている。(下図、一応オレンジ色のまるで囲ってある)これまでDNA結合ドメイン(DBDs)の機能はよく研究されてきたが、ADの遺伝子発現への機能はあまりよく分かっていない。  **-----数多くの転写因子は限られた数のメディエーターを介して遺伝子発現を制御すると考えられる。しかし、タンパク質間の相互作用を制御すると考えられるADは- 転 [続きを読む]
  • 同性のマウスから子供を作る_2
  • 前回紹介した通り、同性での生殖を可能にする試みは長い間行われてきた。今回紹介する論文では、メス同士から子供を作る効率を上げるとともに、はじめてオス同士のマウスから子供を作ることに成功した。-----メス同士から子供を作るにあたって、筆者らが目指した方向性は、一方の卵子のインプリント状態を精子様に近づけることだ。具体的な方法は以下の図を参考にしてほしい。順番に説明すると、初めに(1) 卵子からハ [続きを読む]
  • 同性のマウスから子供を作る_1
  • 次世代を作るという行為は生物を生物たらしめるために極めて重要である。多くの生物は性別を持ち、次世代を作る際に遺伝子を混ぜることで、害となる遺伝子を除くなどの利点を得ている。一方で、同性での生殖が許されないと、生殖の機会が減少するため生物学的には不利である。では、同性での生殖を阻む生物学的バリアは何であろうか?同性での生殖は可能であるだろうか?という疑問は、これまで数多くの研究者の興味を集めて [続きを読む]