美味しかった、おもしろかった、楽しかった、なんて感想には、日常に戻される寂しさが混じっている。日常=つまらない、ってのとトレードオフにはなるけれど、でも、少し離れたら、日常もまた悪くないと思えてくるから不思議。結局、僕たちは、何をしても、いつかは楽しくなくなるんだ。...
美味しかった、おもしろかった、楽しかった、なんて感想には、日常に戻される寂しさが混じっている。日常=つまらない、ってのとトレードオフにはなるけれど、でも、少し離れたら、日常もまた悪くないと思えてくるから不思議。結局、僕たちは、何をしても、いつかは楽しくなくなるんだ。...
身をもって知っている、そう言い合っている、日常=つまらない、このテーゼは事実らしい。つまらないから、僕たちは旅に出る、レストランを予約する、人に会いに行く。対価を支払って、期待通りにものごとを受け取って、それだけでも非日常ではあるけれど、さらには、もっと予期しない展開で、思いもかけない景色や味や思考と出会うときには、稀有な僥倖、軽々と僕たちの日常を超えてくる。 ...
所謂(いわゆる)、つまらない日常。つまらない、を日常の枕詞のようにして、おおよそ、日常はつまらない。所謂、同じことの繰り返し。繰り返されるから同じことになり、同じことでないのなら、即(すなわ)ち、非日常である。つまらなくないのなら、即ち、非日常である。...
>そう考えると、何を選んだとしても、おおよそは、>今の自分でしかあり得なかったような気がしてくる。そんなふうに、自分の選択の失敗を許容できた気になると、選択の及ばない、そもそもからの失敗に視点が移る。例えば、選ぶことさえできなかった親ガチャや、大きくは、他の選択肢の在りようも見つからない資本主義や、さらには、都合のいい異世界を仮想することで色褪せて映る日常や。...
>どんな選択も、ただの日常になり行く。>そう考えると、何を選ぶか、ってことは、>たいして重要ではないと思われる。何を選択したとしても、重要なのは、繰り返される日常の過ごし方にある。>まだ少しも報われない日常に耐え続けること。大きな決断は、ついつい先延ばしになり、長期的な計画は、なし崩しに短期的な快楽に負けて、そう考えると、何を選んだとしても、おおよそは、今の自分でしかあり得なかったような気がしてく...
例えば、資格試験を受験する、って選択の先には、例えば、半年で、例えば、300時間の勉強を要するのなら、毎日1時間半の勉強をする日常が始まろうとしている。選択は一時的なこと、日常は継続的なこと。まだ少しも報われない日常に耐え続けること。...
何を選んだとしても、例えば、どんな仕事に就いたとしても、選んだ後には、日常が待ち受ける。どんな選択も、やがては日常になり行く。そう考えると、何を選ぶか、ってことは、たいして重要ではないと思われる。選ばれなかった選択の先にも、繰り返される日常が待っているはずだ。どれが正しいのかが分かっていて、結果まで見通せるようなときには、選ぶ、ということはない。決める、ということはない。なぜ結果まで見通せないかと...
きっと、今日も、誰かの優しさが、優しさの価値を引き上げている。優しい人は、きっと、明日も優しい。優しい人にとっては、この世界は優しい。僕の今日が、少し荒(すさ)んだ一日だったとしても、その間にも、誰かの優しさが、僕に気づかれないうちに、僕に届けられているのなら、優しくなれない僕にとっても、やはり、掛け値なしに、この世界は優しい。...
考える人は、今日も考え続ける。優しい人は、きっと明日も優しい。読みかけの本のページをめくるように、人は、日常の経験によって、来たるべき日常を規定して行く。もしも、今夜、僕が、ていねいに、生まじめに書くのなら、それは、今夜の文章はもちろん、昨夜までの文章のていねいさと、生まじめさを説明してくれる。自分が正しいと決めてかかる人は、今日も執拗に他人を責め続け、自分を棚に上げる人は、明日になっても下ろさな...
自分が言われて傷つくことは、他人にも言わない。そんなのは多くの人が、日頃からできていると思う。自分が言われて傷つくことは、自分にも言わない。それは僕たちには、上手にできないことらしい。 ―― ダヴ:リアルビューティー スケッチ あなたは自分が思うよりもずっと美しい ―― 2013、ユニリーバ...
>誰かのために考えて、言葉にして、>さらには、伝えようとする工夫が、誰かの本来の美しさを言い当てる。 ―― ダヴ : リアルビューティー スケッチ あなたは自分が思うよりもずっと美しい ―― 2013、ユニリーバ...
自分のために考えることなら、夢見がちでも、曖昧なままでも、語尾を濁して言い切らなくても、さらには、言葉にしなくてもいい。誰かのために考えて、言葉にして、さらには、伝えようとする工夫が、表現を豊かにさせるのだろう。...
日常のちょっとした選択も、未来を変えるような選択も、同じ脳みそを使っているとするのなら、日常をナメちゃいけないな、なんて思ったりもするけれど、そんなことを考える脳みそ自体が、今夜も、僕を正気に戻してくれている。...
幸福な生活、なんてパッケージがあって、そのセットを揃えようとするのは、たぶん、得策ではない。セットを揃えて生活している人がいても、きっと、日々の生活は淡々と過ぎて行く。繰り返される日常は、当たりまえの日常で、幸不幸の埒外の、ただの日常である。...
どのようなものであっても、関係など持ちたくない、って思うときには、ブロックは、逆説を連れ立たせる。ブロックなんてことをしていると、ブロックしている/されている、という関係を作ってしまう。本当は、それさえも作りたくない。 人間の形をして 生まれたからといって 人間らしく生きているなんて 限らないと今は思う ―― 君が教えてくれるもの/槇原敬之 ―― 槇原敬之 作詞作曲...
大人になって、もうずいぶん経つから、誰だって分かりやすい優しさを丸出しにして、おためごかしに提示してくることはない。僕たちは、詐欺師でもホストでもヤリモクでもない。それが拾い上げられるのを待っているようなものなら、足下の泥に埋もれたいくつもの優しさを、僕たちは、毎日、踏み潰しているのかもしれない。 「泥沼でもきれいに咲ける花が あるなら君はどうする」と 真っ白い蓮の花が...
Bさんのブログを読んでいると、Tさんを思い出すことが多い。記憶、ってのは、予期、に似ていて、どちらも、今、ここにはない事態を、現在の時制に引き寄せる。事態が過去か未来かの違いだけ。 You'd be best off alone. I'm really sick so sick so sick of you. And I hate you. ―― 喧嘩上等/東京事変 ―― 椎名林檎 作詞作曲、2006、東芝EMI...
少し離れたところで見守っていて、よくないことが起きそうになったら、気づかれないように近づいてきてくれる、そんな人たちの行動は、そんな人たちでないと分からない。同期され合う者たちを、洋風に言えば祝福したい、和風に言えば言祝(ことほ)いでみたい。 …… こよなく至福なものたちはおのずからにはなにも感ぜず、 こう言うことが許されるとしたら、 必ずや神々の名において ある他者が...
他人の気持ちが分からない人の気持ちを、どうやって分かれというのか。他人の感受性を感受する感受性を欠く人の感受性なんて、そんなのは感受性とは呼べないだろう。呼んだとしても、その感受性が何の役に立つというのか。 風が吹いて飛ばされそうな 軽いタマシイで 他人と同じような幸せを 信じていたのに ―― 楓/スピッツ ―― 草野正宗 作詞作曲、1998、Polydor...
恥知らずに思えるのは、自分が書いた文章から立ち上がってくる恥ずかしさが分からないから。見当違いの切り取りが可能になるのは、他人が書いた文章を覆い尽くしている感情が感受できないから。ユリイカ、ユリイカ。 こだわっていると思われない様に 右眼で滑り台を見送って 記憶が薄れるのを待っている ―― すべりだい/椎名林檎 ―― 椎名林檎 作詞作曲、1998、東芝EMI...
BOBOS(ボボズ)って何かというと、こんな人たちのこと。以下、『幸福の「資本」論』、橘玲 著、2017、ダイヤモンド社 から引く。 ジャーナリストのディビッド・ブルックスは、 アメリカに台頭する新上流階級を 「BOBOS(ボボズ)」と名づけました。 ブルジョア(Bourgeois)と ボヘミアン(Bohemians)を組み合わせた造語で、 典型的なBOBOS は夫婦とも高学歴で、 リベラルな都...
挿したパキラが葉をつけた。なけなしの、小さな楽しみを寄せ集めながら、季節は今日も夏に向かう。 6月6日に雨ざーざー。 ...
おおよそ、つまらない理由でも、先に与えられたときには、経験は、その理由に沿わされる。まだ言葉を与えられていないはずの、心の内が、直感からは最も遠いような、つまらない言葉に置き換えられる。ばら撒かれた石ころでも、先にタイトルが示されたときは、そのタイトル通りに見えてくるだろう。大人の理由は、利口で、立派で、それゆえに、呆れるほどにつまらないから、経験は、つまらない経験に成り下がる。欠伸が出るほどにつ...
それがかっこいい設(しつら)えかどうかも、僕が語っても仕方がないこと。僕を、趣味がいい、と思ってくれる人には、説明がなくても感受してもらえるし、趣味が悪い、という評価に対しては、反論しても覆(くつがえ)すことはできないと思う。-------------------------------------------------->悪果を一家心中にフォーカスしたときは、>悪因は女性セブン/小学館の報道になる。小学館が悪いとも言えるし、女性セブンの編集部...
剪定して、挿したウンベラータが、新しい葉をつけてくれたから、僕は、もう、生命を育(はぐく)む、とか、ていねいな暮らし、とか、そんなきれいごとを言わなくてもいい。言葉なんてのは、おおよそは、行動のパターンに名づけられた名辞で、やっている人には、自ずと備わってくるもの。そして、やってしまった人なら、もう、それ以上に、語らなくてもいいもの。聞く耳を持っている人には、ウンベラータが語ってくれるから。------...
>きっと、ほとんど相手にされないと思う。ブログ村の、哲学カテからも浮いている。でも、哲学はこんなふうに、至らない自分が、自分の身の周りを相手に、自分ですることだと思う。今、僕が、ジャニー喜多川と、市川猿之助と、G7 と、毎晩している塗装で哲学ができないのなら、僕にとって哲学は、何の役に立つのだろう。--------------------------------------------------知識は、考えるために使わなきゃ。それとも、知識を取り...
ジャニー喜多川については、メディアはなぜ報道しなかった、なんてふうに叩かれるけれど、市川猿之助については、なぜ報道した、って叩き方が混じる。マスメディアはマスに忖度しろ、ってことか。悪い結果が生じた後で、僕たちは、悪者捜しを始めるから、悪果を一家心中にフォーカスしたときは、悪因は女性セブン/小学館の報道になる。悪果をセクハラ、パワハラ被害としたときには、市川猿之助は言い逃れができない。逆説的だが、...
さて、市川猿之助については、小出しに情報が増えて行くけれど、僕たちの、日常に起きる出来事では、待っていれば誰かが続報を与えてくれる、なんてことは期待できない。僕たちは、よく分からないことを、よく分からないままで、いつまでも、宙に浮かべ続けなきゃならない。その気持ち悪さに耐えられないから、根拠の乏しい推量でも、強引に着地を試みる。その実質は、自分が観たいような世界への改編であり、その効果は、分かった...
自分の中を見渡して、やましさや、どうしようもなさ、ふがいなさ、嫌悪感や罪悪感を抱いている人は、(陳腐な言い方になるけれど)考えが深い。当事者は、(こんなことを言ってはいけないけれど)、(無理もないけれど)意外に浅かったりする。問題を自分の問題にしている人は、自分の中を探して、自分との闘いにして、その上で、っていう深さと強さがある。内面化は、深度と強度を担保する。------------------------------------...
個人の問題は、社会の問題でもあり、社会の問題は、個人の問題でもあるのなら、社会の問題は、自分の中を見渡す契機にもなる。--------------------------------------------------ジャニー喜多川の欲求と、ファンの欲求は、かけ離れたものだったのか。マスメディアの欲求とマスの欲求は、少しも一致していなかったのか。一度は欲求の充足を享受したファンたちは、それがどんなに間違ったものでも、どんなに嫌悪しようとも、自分か...
周到な論理や、考え抜かれた法律によって、護られてきた人権とか、自由とかが、どれほど弱くて、脆いものだったのかを、少年たちは、心の底から思い知らされた。大人になった少年たちは、また、今度は、自分たちを護ってくれなかった論理やら、法律やらに責め立てられている。 自分が見たこと、自分が聞いたこと、そして自分が感じたことに対して、自分なりの反応を示せないで、哲学や思想や、今まで習ってきた学問が、いっ...
ジャニーズ事務所のことなら、僕たちも、薄々は知っていたはず。報道機関もそうだけど、僕たちだって、犯罪を軽視して、目を背け続けてきた。加害者側も、被害者たちでさえも、やっと今頃になって、犯行の重大さを突きつけられた。モラルの低さ、人権意識の欠如においては、僕たちと報道機関とは、おおよそ共犯関係にある。優生保護法の廃止は1996年。この法律は、優生思想に基づく障害者差別が、正しいと考えられていた1948年に制...
白を吹きながら考えた。自分のこととして考えて、少なくとも、被害者に対する立ち位置は定まってきた。例えば、虐待を受けた後で、一晩中泣いていた、そんな13歳の男子がいたのなら、それを聞いた僕の呼吸だって苦しくなる。それは、もう、どうしようもなく、誰かの問題ぢゃなくなった、ってことだ。でも、折り合いをつけた。うまく折り合えないことでも、無理に折り合ったことにして過去にした。それなら、折り目が汚いからといっ...
気圧計/湿度計/温度計。フレームは給食の食器のようなアルマイトで、機能一辺倒の、無粋な見かけを作っている。塗料が乗りにくい素材なので、マスキングをして、透明のプライマーを吹く。 ...
黒を吹く。 ...
透明のプライマーを吹く。 ...
https://www.walkerplus.com/article/1118040/この短編を読んで、次の問いに答えなさい。問1 「じゃあ最後 勤務時間外ですけど サービスで…」 と言ったときのレンタル妹の気持ちを選びなさい。 1、依頼者に同情して、かわいそうに思う気持ち。 2、今から言うことは仕事ではなく、本心であることを伝えたい気持ち。 3、嘘に塗(まみ)れた仕事の後で、本心を言うことを照れくさく思う気持ち。 4、依頼者に...
このランタンを、露地行灯(ろじあんどん)として使う。無塗装の樹脂なので、質感が悪くて、安っぽい。なので、分解して黒く塗る。 ...
サボって金が貰えるのなら丸儲け、無料でゲームができるのはコスパ最強、結婚はコスパ最悪、子育ては回収不可能、起業はハイリスク・ローリターン。 与えらるものこそ 与えられたもの ありがとう、って胸をはろう ―― 帰ろう/藤井風 ―― 藤井風 作詞作曲、2020、UNIVERSAL SIGMA誰にでも好きな歌があるとは思うけれど、なぜだろう、きっと、その歌詞は、損か得かを価値判断の基準にしていない...
相も変わらず、ガキくさい歌が好きだ。僕の場合は、歌詞を真に受けて、時には、行動に出たりするからイタい。 君だけは君を恥じるなよ 君は君のままで 熱くあれよ ―― OH!/SHISHAMO ―― 宮崎朝子 作詞作曲、2019、UNIVERSAL SIGMA毎日は自宅と職場の往復で、帰ったら、安いビールと、無料の動画で過ごすのが大人なら、死ぬまでガキで結構だ。 ...