70歳のお母さんが亡くなりました。食道癌です。でも、その姿は痩せてしまったけれどとても穏やかなお顔をしておられました。喪主である息子さんが葬儀の打ち合わせをしています。その傍らで私はお母さんのお体を拭きます。息子さんは床屋さんだそうです。お顔を剃るの
湯灌師の経験を通して感じた心温まるエピソード・悲しいエピソード・・いろいろな人間模様を綴っています。
『死』を考えることは同時に『生』をかんがえることでもあります。一人でも多くの方が私の経験を通して『死』についてほんの少しでも良い。考えてみてください。
「生まれ変わってもまたおじいさんと一緒になりたい。」おばあさんの言葉です。96歳のおじいさんは仏様のようなお顔で眠っていました。髪の毛のない頭に切れ長の閉じた目、厚い唇はしっかりと閉じ凛とした姿で眠っていました。側には94歳のおばあさんがいます。歩くのも
彼女にとってこの1年は壮絶な1年であったに違いありません。63歳の奥様は元気だった頃の見る影もなく痩せこけていました。落ち込んだ眼は開き、頬は大きな穴が出来る程に窪んでいます。痩せてしまったお顔には歯だけが異様に飛び出して見えます。布団の上一面に元気だっ
いつもと同じ朝でした。いつもと同じようにご主人を送り出し、いつもと同じように家事をして、いつもと同じようにご主人の帰りを待っていました。でも、帰ってきたのは二度と笑う事のないご主人でした。二度と会話を交わすことも出来ない、二度と目を開ける事もないご主人
皆さんは「大往生」と言う言葉からどんな「死」を想像しますか?100歳まで生きた死。長生きをして安らかに亡くなった死。67歳のご主人がお亡くなりになりました。60代と言えばまだまだ早すぎる死です。奥様と娘さんがバタバタと忙しそうにご主人の側を動き回っていまし
82歳のお母さんは首を大きく反り口を開けて横たわっていました。着ているパジャマを脱がせ、お身体を拭いていきます。ご家族に一緒にお身体を拭くかお尋ねします。たくさんいらっしゃる親族の方々、皆さんが首を横に振ります。私が皆さんの前で、温かいタオルでお身体を拭
10月初旬、朝晩ひんやりするほど涼しくなりました。しかし、昼間はまだまだ汗ばむ陽気が続きます。それでも、真夏を思えば随分過ごしやすくなりました。外での作業も精が出ます。その油断がいけなかったのかもしれません。62歳のご主人は熱中症でお亡くなりになりました
お顔のハンカチをめくると、ぎょっとしました。49歳という若さでお亡くなりになった女性は、まるでミイラのように痩せこけていました。肌は黒ずみ、落ち込んだ眼は開いています。濁った眼球がこちらを悲しそうに見ています。痩せてしまったために歯は大きく前に突き出し、
この仕事をしていると、「もう長い事、この仕事をしているの?」とよく聞かれます。思い返せば、この仕事を始めてすでに19年が経とうとしています。あっと言う間の時間でした。初めてご遺体を目にした時、『死んだ人』と言う先入観で覚悟を持って見た事を覚えています。
お顔のハンカチをめくると、ぎょっとしました。49歳という若さでお亡くなりになった女性は、まるでミイラのように痩せこけていました。肌は黒ずみ、落ち込んだ眼は開いています。濁った眼球がこちらを悲しそうに見ています。痩せてしまったために歯は大きく前に突き出し、
96歳のおばあさんはご自宅の介護ベッドに横たわっていました。その傍らには二人の息子さんが悲しみに暮れながら寄り添っています。息子さんと言ってもすでに高齢になっています。ご挨拶の後、着せて差し上げたい物を確認すると、奥のお部屋に行き、何やら探しています。
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70歳のお母さんが亡くなりました。食道癌です。でも、その姿は痩せてしまったけれどとても穏やかなお顔をしておられました。喪主である息子さんが葬儀の打ち合わせをしています。その傍らで私はお母さんのお体を拭きます。息子さんは床屋さんだそうです。お顔を剃るの
一人暮らしの60歳の男性は自宅で亡くなりました。孤独死です。しかし、真面目な男性は仕事を一度も休んだことがなく、職場の人たちとの人間関係も上手く培っていたようです。その男性が初めて無断欠勤をしました。何の連絡もなしに休むなんて職場の人たちも不信に思い
おじいさんが亡くなりました。側にはおばあさんが寄り添って座っていますおばあさんと一緒に温かいタオルでお身体を拭いて差し上げます。すると、おばあさんがポツリポツリとおじいさんのお話を始めました。おじいさんが入院しておばあさんは一日も欠かすことなく病院に
100歳のおばあちゃんは自宅で看取られました。おばあちゃんの寝ているお部屋には2枚の遺影写真が飾られていました。一人は紋付きを着た若者。もう一人は年老いた老人。若者はおばあちゃんのご主人だそうです。結婚してすぐに戦争に駆り出されそのまま帰らぬ人となったので
20歳の青年は消えてなくなりたかったのかもしれません。跡形もなく・・・・青年は列車に身体を引きちぎられました。飛び込み自殺です。お顔だけは残っているのできれいにしてあげて下さいとのご依頼です。青年は納体袋に包まれ、お顔の部分だけが袋が開けられている状
13歳の少女が突然亡くなりました。中学校に入学したばかりです。お宅に伺うと子供部屋に横たわる少女の周りには祖父母、ご両親、兄弟、そして親族や両親のお友達と数えきれないほどの人が集まっていました。少女は皆に愛されていました。着替えをするために柄浴衣を脱が
「生まれ変わってもまたおじいさんと一緒になりたい。」おばあさんの言葉です。96歳のおじいさんは仏様のようなお顔で眠っていました。髪の毛のない頭に切れ長の閉じた目、厚い唇はしっかりと閉じ凛とした姿で眠っていました。側には94歳のおばあさんがいます。歩くのも
彼女にとってこの1年は壮絶な1年であったに違いありません。63歳の奥様は元気だった頃の見る影もなく痩せこけていました。落ち込んだ眼は開き、頬は大きな穴が出来る程に窪んでいます。痩せてしまったお顔には歯だけが異様に飛び出して見えます。布団の上一面に元気だっ
いつもと同じ朝でした。いつもと同じようにご主人を送り出し、いつもと同じように家事をして、いつもと同じようにご主人の帰りを待っていました。でも、帰ってきたのは二度と笑う事のないご主人でした。二度と会話を交わすことも出来ない、二度と目を開ける事もないご主人
皆さんは「大往生」と言う言葉からどんな「死」を想像しますか?100歳まで生きた死。長生きをして安らかに亡くなった死。67歳のご主人がお亡くなりになりました。60代と言えばまだまだ早すぎる死です。奥様と娘さんがバタバタと忙しそうにご主人の側を動き回っていまし
82歳のお母さんは首を大きく反り口を開けて横たわっていました。着ているパジャマを脱がせ、お身体を拭いていきます。ご家族に一緒にお身体を拭くかお尋ねします。たくさんいらっしゃる親族の方々、皆さんが首を横に振ります。私が皆さんの前で、温かいタオルでお身体を拭
10月初旬、朝晩ひんやりするほど涼しくなりました。しかし、昼間はまだまだ汗ばむ陽気が続きます。それでも、真夏を思えば随分過ごしやすくなりました。外での作業も精が出ます。その油断がいけなかったのかもしれません。62歳のご主人は熱中症でお亡くなりになりました
お顔のハンカチをめくると、ぎょっとしました。49歳という若さでお亡くなりになった女性は、まるでミイラのように痩せこけていました。肌は黒ずみ、落ち込んだ眼は開いています。濁った眼球がこちらを悲しそうに見ています。痩せてしまったために歯は大きく前に突き出し、
この仕事をしていると、「もう長い事、この仕事をしているの?」とよく聞かれます。思い返せば、この仕事を始めてすでに19年が経とうとしています。あっと言う間の時間でした。初めてご遺体を目にした時、『死んだ人』と言う先入観で覚悟を持って見た事を覚えています。
お顔のハンカチをめくると、ぎょっとしました。49歳という若さでお亡くなりになった女性は、まるでミイラのように痩せこけていました。肌は黒ずみ、落ち込んだ眼は開いています。濁った眼球がこちらを悲しそうに見ています。痩せてしまったために歯は大きく前に突き出し、
96歳のおばあさんはご自宅の介護ベッドに横たわっていました。その傍らには二人の息子さんが悲しみに暮れながら寄り添っています。息子さんと言ってもすでに高齢になっています。ご挨拶の後、着せて差し上げたい物を確認すると、奥のお部屋に行き、何やら探しています。
94歳のおじいさんの前歯は全て揃っていました。しかし、下の歯が全て抜け落ちているので口を開けて眠っているようでした。おじいさんの周りには、息子さん夫婦、お孫さん夫婦、それとひ孫たち。たくさんの親族がおじいさんを囲って、思い思いの思い出話をしていました。皆
14歳のケンちゃんは、年齢よりもかなり小さな身体でした。額には紫色のうっ血痕と切り傷が残っています。お母さんは何度も何度も「ごめんね。ケンちゃんごめんね。」と呟きながら泣いています。お父さんは、お母さんを労わるようにお母さんの背中をただたださすっています
20代の若者は自ら命を絶ちました。ビルの上階から飛び降りたようです。ビルとビルの間に倒れていたそうです。ご家族は取り乱していました。泣き崩れる方、呆然とする方、それぞれが死を受け入れられずに取り乱していました。血だらけで納体袋に入れられた彼を、少しでも早
60代の女性は、目を疑うくらいに傷ついていました。事故ではありません。病死されたのですが、これほどまでに可哀そうなお姿はあまり見たことがありません。お顔は腫れあがり、赤黒く変色しています。お顔のあちこちに擦り傷のような傷がたくさんあり、皮膚がめくれてしま
「生まれ変わってもまたおじいさんと一緒になりたい。」おばあさんの言葉です。96歳のおじいさんは仏様のようなお顔で眠っていました。髪の毛のない頭に切れ長の閉じた目、厚い唇はしっかりと閉じ凛とした姿で眠っていました。側には94歳のおばあさんがいます。歩くのも
彼女にとってこの1年は壮絶な1年であったに違いありません。63歳の奥様は元気だった頃の見る影もなく痩せこけていました。落ち込んだ眼は開き、頬は大きな穴が出来る程に窪んでいます。痩せてしまったお顔には歯だけが異様に飛び出して見えます。布団の上一面に元気だっ
いつもと同じ朝でした。いつもと同じようにご主人を送り出し、いつもと同じように家事をして、いつもと同じようにご主人の帰りを待っていました。でも、帰ってきたのは二度と笑う事のないご主人でした。二度と会話を交わすことも出来ない、二度と目を開ける事もないご主人
皆さんは「大往生」と言う言葉からどんな「死」を想像しますか?100歳まで生きた死。長生きをして安らかに亡くなった死。67歳のご主人がお亡くなりになりました。60代と言えばまだまだ早すぎる死です。奥様と娘さんがバタバタと忙しそうにご主人の側を動き回っていまし
82歳のお母さんは首を大きく反り口を開けて横たわっていました。着ているパジャマを脱がせ、お身体を拭いていきます。ご家族に一緒にお身体を拭くかお尋ねします。たくさんいらっしゃる親族の方々、皆さんが首を横に振ります。私が皆さんの前で、温かいタオルでお身体を拭
10月初旬、朝晩ひんやりするほど涼しくなりました。しかし、昼間はまだまだ汗ばむ陽気が続きます。それでも、真夏を思えば随分過ごしやすくなりました。外での作業も精が出ます。その油断がいけなかったのかもしれません。62歳のご主人は熱中症でお亡くなりになりました
お顔のハンカチをめくると、ぎょっとしました。49歳という若さでお亡くなりになった女性は、まるでミイラのように痩せこけていました。肌は黒ずみ、落ち込んだ眼は開いています。濁った眼球がこちらを悲しそうに見ています。痩せてしまったために歯は大きく前に突き出し、