目黒区美術館で開かれている「青山悟展」。会期末ぎりぎりになったが、出かけることができた。同展は副題に「刺繍少年フォーエバー」とある。副題のとおり、青山悟(1973‐)は古い工業用ミシンを使って刺繍作品を作る現代美術家だ。チラシ(↑)を見ると、美しい都会の夜明けが写っている。写真のように見えるが、じつは刺繍だ。「東京の朝」(2005)という作品。本展にも展示されている。実物を見ると、なるほど刺繍だ。それにしてもなんて精巧なのだろうと思う。おもしろいのは、クシャクシャになった上記のチラシが、刺繍で作られ、本展に展示されていることだ。思わず笑ってしまう。チラシとは本来、その役目を終えれば(=本展が終われば)、用がなくなるものだ。だが刺繍で作られたチラシは、本展が終わっても、作品として残るだろう。消えゆくものの記...目黒区美術館「青山悟展」