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#4239 ちはやぶる賀茂の社のゆふだすきひと日も君をかけぬ日はなし
令和6年5月15日(水) 【旧 四月八日 大安】・立夏 竹笋生(たけのこしょうず)ちはやぶる賀茂の社のゆふだすきひと日も君をかけぬ日はなし ~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻11-0487 恋歌一賀茂の社には木綿襷がかけられていますが、私も一日たりともあなたのことを気にか
2024/05/15 00:00
#4238 つれづれと荒れたる宿を眺むれば月ばかりこそ昔なりけれ
令和6年5月14日(火) 【旧 四月七日 仏滅】・立夏 蚯蚓出(みみずいずる)つれづれと荒れたる宿を眺むれば月ばかりこそ昔なりけれ ~藤原伊周 『詞花和歌集』巻9-0308 雑歌上つれづれと荒れ果てた我が家を眺めてみれば、昔と変わっていないのは月の光だけであるなあ。Photo
2024/05/14 00:00
#4237 射干しろき谷間をゆけばゆくりなく悪人の眸追ひつむるなり
令和6年5月13日(月) 【旧 四月六日 先負】・立夏 蚯蚓出(みみずいずる)射干しろき谷間をゆけばゆくりなく悪人の眸追ひつむるなり ~前登志夫(1926-2008)『非在』Photo:シャガ ~tenki.jp 射干《シャガ》は中国原産の常緑多年草で、この時期に白地に青い斑点が入る
2024/05/13 00:00
#4236 我が母の袖もち撫でて我が故《から》に泣きし心を忘らえぬかも
令和6年5月12日(日) 【旧 四月五日 友引】・立夏 蚯蚓出(みみずいずる)我が母の袖もち撫でて我が故《から》に泣きし心を忘らえぬかも ~物部乎刀良《もののべのおとら》 『万葉集』 巻20-4356私の母が袖で撫でながら私のために泣いてくれた。その思いを忘れることができ
2024/05/12 00:00
#4235 婦負川の早き瀬ごとに篝さし八十伴の男は 鵜川立ちけり
令和6年5月11日(土) 【旧 四月四日 先勝】・立夏 蚯蚓出(みみずいずる)婦負川《めひがわ》の早き瀬ごとに篝《かがり》さし八十伴《やそとも》の男《を》は 鵜川立ちけり ~大伴家持 『万葉集』 巻17-4023婦負川の早い瀬ごとに篝火をかざして大勢の官人たちが鵜飼を楽し
2024/05/11 00:00
#4234 世の常に聞けば苦しき呼子鳥声なつかしき時にはなりぬ
令和6年5月10日(金) 【旧 四月三日 赤口】・立夏 蚯蚓出(みみずいずる)世の常に聞けば苦しき呼子鳥声なつかしき時にはなりぬ ~大伴坂上郎女 『万葉集』 巻8-1447 雑歌世の常ならば胸が苦しくなるという呼子鳥の声だけど、それも心惹かれる頃になりました。Photo:SHUTT
2024/05/10 00:00
#4223 故郷の奈良思の岡の霍公鳥言告げ遣りしいかに告げきや
令和6年5月9日(木) 【旧 四月二日 大安】・立夏 蛙始鳴(かわずはじめてなく)故郷の奈良思《ならし》の岡の霍公鳥《ほととぎす》言《こと》告げ遣りしいかに告げきや ~大伴田村大嬢《たむらのだいじょう》『万葉集』 巻8-1506 相聞歌故郷の奈良思の岡に棲むほととぎすに
2024/05/09 00:00
#4232 桃の木は葉をけむらせて雨のなか共に見し日は花溢れゐき
令和6年5月8日(水) 【旧 四月一日 仏滅】・立夏 蛙始鳴(かわずはじめてなく)桃の木は葉をけむらせて雨のなか共に見し日は花溢れゐき ~大西民子(1924-1994)『花溢れゐき』Photo:春便り 大西民子は大正13年5月8日岩手県盛岡市生まれ。今日は昭和を代表する歌人の一人
2024/05/08 00:00
#4231 春のあとに夏の来るこそあはれなれアガパンサスの茎拉ぎつつ
令和6年5月7日(火) 【旧 三月二九日 先勝】・立夏 蛙始鳴(かわずはじめてなく)春のあとに夏の来るこそあはれなれアガパンサスの茎拉《ひし》ぎつつ ~岡井隆(1928-2020)Photo:アガパンサス ~LOVEGREEN 最大10日間の大型連休は昨日で終わり。心も体もリフレッシュ
2024/05/07 00:00
#4230 夕さらずかはづ鳴くなる三輪川の清き瀬の音を聞かくしよしも
令和6年5月6日(月) 【旧 三月二八日 赤口】・立夏 蛙始鳴(かわずはじめてなく)夕さらずかはづ鳴くなる三輪川の清き瀬の音《と》を聞かくしよしも ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2222 雑歌毎夕に蛙の鳴く声が聞こえる三輪川の清らかな瀬の音を聞くのは本当にいいものだ。Ph
2024/05/06 00:00
#4229 妹が着る水色衣の衣裏の薄色見えて夏は来にけり
令和6年5月5日(日) 【旧 三月二七日 大安】・立夏 蛙始鳴(かわずはじめてなく)妹が着る水色衣の衣裏の薄色見えて夏は来にけり ~正岡子規(1867-1902)『竹乃里歌』Photo:加茂川を泳ぐ鯉のぼり ~にいがた観光ナビ 今日は二十四節気の「立夏」。「立春」の日はまだ寒
2024/05/05 00:00
#4228 たまきはるきみどりみどりふかみどりいのちとりどり夏山の雨
令和6年5月4日(土) 【旧 三月二六日 仏滅】・穀雨 牡丹華(ぼたんはなさく)たまきはるきみどりみどりふかみどりいのちとりどり夏山の雨 ~林龍三(1952-)Photo:雨の日の山 ~Akimama 5月4日は「みどりの日」。もともとは昭和天皇の天皇誕生日であった4月29日を埋めるた
2024/05/04 00:00
#4227 真摯なる護憲改憲論ずるを悪しといふなら法は死すべし
令和6年5月3日(金) 【旧 三月二五日 先負】・穀雨 牡丹華(ぼたんはなさく)憲法記念日何はあれけふうららなり ~林翔《はやししょう》(1914-2009)Photo:Forbes JAPAN 大型連休を構成する国民の祝日ですが、その一つ一つには意味があります。とりわけ今日の憲法記念日
2024/05/03 00:00
#4226 夕やみに風たちぬればほのぼのと躑躅の花は散りにけるかも
令和6年5月2日(木) 【旧 三月二四日 友引】・穀雨 牡丹華(ぼたんはなさく)夕やみに風たちぬればほのぼのと躑躅の花は散りにけるかも ~斎藤茂吉(1882-1953)『赤光』Photo:船宿寺の躑躅(奈良県御所市)~関西花の寺二十五カ所 東アジア原産の躑躅《ツツジ》は桜の花
2024/05/02 00:00
#4225 木菟の声きこゆる小さき図書館に耳きよらなる少年を待つ
令和6年5月1日(水) 【旧 三月二三日 先勝】・穀雨 牡丹華(ぼたんはなさく)木菟《みみづく》の声きこゆる小さき図書館に耳きよらなる少年を待つ ~寺山修司(1935-1983)Photo:大阪YMCA専門学校 今年のゴールデンウイーク、前半はお天気に恵まれてはいないようです。そ
2024/05/01 00:00
#4224 くれなゐの牡丹の花におほひたるやぶれ小傘に雨のしきふる
令和6年4月30日(火) 【旧 三月二二日 赤口】・穀雨 牡丹華(ぼたんはなさく)くれなゐの牡丹の花におほひたるやぶれ小傘に雨のしきふる ~正岡子規『竹の里歌』Photo:牡丹 ~photoAC (さんぽ49さん) 七十二候の第18候「牡丹華(ぼたんはなさく)」。二十四節気「穀雨
2024/04/30 00:00
#4223 反芻をしてわれ生きむ馬くさき昭和の入口昭和の出口
令和6年4月29日(月) 【旧 三月二一日 大安】・穀雨 霜止出苗(しもやんでなえいずる)昭和また遠しと言はむ散り椿 ~所山花《ところさんか》(1927-2023)Photo:昭和の町並みを再現した西武園ゆうえんちの「夕日の丘商店街」(埼玉県所沢市)~iza 4月29日の今日は「昭
2024/04/29 00:00
#4222 五月には山ぢゆうに藤の花が咲く ああ天のはらひえて咲くとふ
令和6年4月28日(日) 【旧 三月二〇日 仏滅】・穀雨 霜止出苗(しもやんでなえいずる)五月には山ぢゆうに藤の花が咲く ああ天のはらひえて咲くとふ ~日高堯子(1945-)『玉虫草子』Photo:ノダフジ ~大阪市福島区役所 大阪市福島区の野田では植物学者の牧野富太郎博
2024/04/28 00:00
#4221 運命の鉄の鎖につながれて打ちのめされて立つ術もなし
令和6年4月27日(土) 【旧 三月一九日 先負】・穀雨 霜止出苗(しもやんでなえいずる)運命の鉄の鎖につながれて打ちのめされて立つ術もなし ~西田幾多郎(1870-1945)Photo:ソクラテスの死(ルイ・ダヴィッド作)ニューヨーク メトロポリタン美術館蔵 紀元前399年4月27
2024/04/27 00:00
#4220 芝桜をカラス飛び立てり ややありて二本の黒い足も飛び立つ
令和6年4月26日(金) 【旧 三月一八日 友引】・穀雨 霜止出苗(しもやんでなえいずる)芝ざくら好天あますところなし ~石原舟月(1892-1984)Photo:富士本栖湖リゾートの芝桜 ~FUJIYAMA NAVI 北国以外、木の枝に咲く桜はほぼ散ってしまいましたが土に咲く桜は今が見頃
2024/04/26 00:00
#4219 春の霜こよひも降らむ磨る墨のにほひ身に染むほどのしづけさ
令和6年4月25日(木) 【旧 三月一七日 先勝】・穀雨 霜止出苗(しもやんでなえいずる)春の霜こよひも降らむ磨る墨のにほひ身に染むほどのしづけさ ~吉井勇(1886-1960)Photo:霜の降りた菜の花畑 ~photoAC(ヒロタカ05さん) 今日は七十二候17番目「霜止出苗(しもやみ
2024/04/25 00:00
#4218 時しあらば よにあひおひの ひめ小松 君にひかるる こともありなむ
令和6年4月24日(水) 【旧 三月一六日 赤口】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)時しあらば よにあひおひの ひめ小松 君にひかるる こともありなむ ~三条実美(1837-1891)Photo:湯田温泉 松田屋ホテル(山口市) 先週宿泊した湯田温泉の松田屋ホテルは幕末の志士た
2024/04/24 00:00
#4217 八月以外の十一か月の広島にしずかな声の雨は降りくる
令和6年4月23日(火) 【旧 三月一五日 大安】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)八月以外の十一か月の広島にしずかな声の雨は降りくる ~谷村はるか(1971-) 『ドームの骨の隙間の空に』Photo:多くの外国人観光客も祈りを捧げる原爆の子の像 2024年4月16日 呉の大
2024/04/23 00:00
#4216 かつてわが戦艦大和の兵見しを夫にも子にも語りしことなし
令和6年4月22日(月) 【旧 三月一四日 仏滅】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)春がすみいよよ濃くなる真昼間のなにも見えねば大和と思え ~前川佐美雄(1993-1990)Photo:戦艦「大和」の1/10スケールの模型 (大和ミュージアム・呉海事歴史科学館)2024年4月15
2024/04/22 00:00
#4215 ヒマラヤに足跡を追い迫るとき未知の雪男よどこまでも逃げよ
令和6年4月21日(日) 【旧 三月一三日 先負】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)ネッシーに逢へる期待や霧に立ち ~泉田秋硯《いずみたしゅうけん》(1926-2014)Photo:Wikipedia 1934年4月21日、英国で最も古いタブロイド紙『デイリー・メール』にこの写真が掲載さ
2024/04/21 00:00
#4214 家思ふと寐を寝ず居れば鶴が鳴く葦辺も見えず春の霞に
令和6年4月20日(土) 【旧 三月一二日 友引】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)家思ふと寐《い》を寝ず居れば鶴《たづ》が鳴く葦辺も見えず春の霞に ~作者未詳 『万葉集』 巻20-4400故郷の家を思って寝られずに居ると鶴が鳴いている葦辺もみえない。春の霞のために。
2024/04/20 00:00
#4213 雨にぬるる広葉細葉の若葉森あが言ふこゑのやさしくきこゆ
令和6年4月19日(金) 【旧 三月一一日 先勝】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)雨にぬるる広葉細葉の若葉森あが言ふこゑのやさしくきこゆ ~斎藤茂吉(1882-1953)『赤光』Photo:かがみよかがみ 二十四節気の6番目は「穀雨」。穀物の成長を助ける春の雨が降る頃。『
2024/04/19 00:00
#4212 かぜ立ちてまだ春わかきわが庭もいちごは白き花もちてゐる
令和6年4月18日(木) 【旧 三月一〇日 赤口】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)かぜ立ちてまだ春わかきわが庭もいちごは白き花もちてゐる ~片山広子(1878-1957)『野に住みて』Photo:苺の花 ~ガーデンストーリー いちごはバラ科イチゴ属の多年草。春になると葉
2024/04/18 00:00
#4211 楽浪の志賀の辛崎幸くあれど大宮人の舟待ちかねつ
令和6年4月17日(水) 【旧 三月九日 大安】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)楽浪《さざなみ》の志賀の辛崎幸くあれど大宮人の舟待ちかねつ ~柿本人麻呂 『万葉集』 巻1-0030 雑歌さざ波寄せる志賀の唐崎は昔と変わらないけれど、大宮人が乗る船はいくら待ってもも
2024/04/17 00:00
#4210 年とるはおのが喜劇を見守れる一観客になりゆくことか
令和6年4月16日(火) 【旧 三月八日 仏滅】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)草萌えてチャップリンめく古靴よ ~細川加賀(1924-1989)『傷痕』Photo:@DIME チャールズ・チャップリンがロンドン郊外のウォルワースで生まれたのは1889年4月16日。135年前の今日です
2024/04/16 00:00
#4209 白きリラ咲きの乱れに降る雨に今日冷え冷えと春は移る日
令和6年4月15日(月) 【旧 三月七日 先負】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)白きリラ咲きの乱れに降る雨に今日冷え冷えと春は移る日 ~近藤芳美(1913-2006)『遠く夏めぐりて』Photo:ライラック ~ガーデニングの図鑑 フランス語ではリラ、英語ではライラックと
2024/04/15 00:00
#4208 わが恋は虹にもまして美しきいなづまとこそ似むと願ひぬ
令和6年4月14日(日) 【旧 三月六日 友引】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)わが恋は虹にもまして美しきいなづまとこそ似むと願ひぬ ~与謝野晶子(1878-1942)『恋衣』Photo:七十二候だより 今日は七十二候の第15候「虹始見(にじはじめてあらわる)」。二十四節
2024/04/14 00:00
#4207 あをによし奈良の家には万代にわれも通はむ忘ると思ふな
令和6年4月13日(土) 【旧 三月五日 先勝】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)藤原京より寧楽《なら》宮に遷れる時の歌あをによし奈良の家には万代《よろづよ》にわれも通はむ忘ると思ふな ~作者未詳 『万葉集』 巻1-0080 雑歌奈良の家には永遠に私も通いましょう。忘れるな
2024/04/13 00:00
#4206 日あたりの若葉ほぐるる楢山にあな珍しやちごちごの花
令和6年4月12日(金) 【旧 三月四日 赤口】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)日あたりの若葉ほぐるる楢山にあな珍しやちごちごの花 ~窪田空穂(1877-1967)Photo:オキナグサ ~光と風と薔薇と 今日4月12日は窪田空穂のご命日。この歌は神奈川県秦野市の震生湖《しんせい
2024/04/12 00:00
#4205 誕生日のあくる朝に写メールに送られてきしアネモネの花
令和6年4月11日(木) 【旧 三月三日 大安】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)誕生日のあくる朝に写メールに送られてきしアネモネの花 ~花山多佳子(1948-)『鳥影』 歌人花山多佳子さんのお誕生日は3月始め。キンポウゲ科の多年草アネモネはその頃に花を咲かせますが、園
2024/04/11 00:00
#4204 欧州に別れを告げしビッグベン テムズの岸に夕影は落つ
令和6年4月10日(水) 【旧 三月二日 仏滅】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)欧州に別れを告げしビッグベン テムズの岸に夕影は落つ ~林龍三 『塔』2016年10月号(改)Photo:テムズ河畔にそびえるビッグベン ~NEWT 1858年4月10日、ロンドンにあるイギリス国会議事堂の
2024/04/10 00:00
#4203 春まけてかく帰るとも秋風にもみたむ山を越え来ざらめや
令和6年4月9日(火) 【旧 三月一日 先負】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)雁かへる夜半の雨音いたるとき ~及川貞(1899-1993) 今日は七十二候の第14候「鴻雁北(こうがんかえる)」。二十四節気「清明」の次候にあたる5日間です。この前が「玄鳥至(つばめきたる)」で
2024/04/09 00:00
#4202 総身の花をゆるがす春の樹にこころ乱してわれは寄りゆく
令和6年4月8日(月) 【旧 二月三〇日 先勝】・清明 玄鳥至(つばめきたる)総身の花をゆるがす春の樹にこころ乱してわれは寄りゆく ~斎藤史(1909-2002)『ひたくれなゐ』Photo:桜の花びら 空を舞う ~photoAC(GTR719さん) 昨日は万葉集から桜の散る和歌をとりあげ
2024/04/08 00:00
#4201 やどにある桜の花は今もかも松風早み地に散るらむ
令和6年4月7日(日) 【旧 二月二九六日 赤口】・清明 玄鳥至(つばめきたる)やどにある桜の花は今もかも松風早み地に散るらむ ~厚見王 『万葉集』 巻8-1458 相聞歌あなたの庭の桜の花は今頃、松風が強いので散っているでしょうね。Photo:桜散る ~くまっぷねっと 満開
2024/04/07 00:00
#4200 ハードルをつぎつぎ越ゆる若き脚のむかうに暗き夏のくさむら
令和6年4月6日(土) 【旧 二月二八日 大安】・清明 玄鳥至(つばめきたる)ハードルをつぎつぎ越ゆる若き脚《あし》のむかうに暗き夏のくさむら ~柏崎驍二(1941-)『四月の鷲』Photo:第1回アテネ大会の100メートル決勝の様子を描いた絵画 ~JIJI.com「勝つことよりも参
2024/04/06 00:00
#4199 白木蓮の花の木の間に飛ぶ雀遠くは行かね声の寂しさ
令和6年4月5日(金) 【旧 二月二七日 仏滅】・清明 玄鳥至(つばめきたる)ゆふぞらにはなびら反らし紫木蓮 ~日野草城(1901-1956)Photo:紫木蓮の花 ~㈱エー・アール・アイ 3月末から4月にかけて咲くモクレン(木蓮)の原産地は中国。桜と時期は重なりますが、こちら
2024/04/05 00:00
#4198 朝まだき目醒めて想ふあまつばめ天の高処に一生を過ごす
令和6年4月4日(木) 【旧 二月二六日 先負】・清明 玄鳥至(つばめきたる)清明や街道の松高く立つ ~桂信子(1914-2004)『草樹』Photo:飛び交うツバメ ~photoAC(さんぽの道すがら) 今日は二十四節気5番目の「清明」。春の清らかに澄み渡り明るく生き生きとした様子
2024/04/04 00:00
#4197 さきほどは不在のdolce再現部に見つけてブラームスと少し会話す
令和6年4月3日(水) 【旧 二月二五日 友引】・春分 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)さきほどは不在のdolce再現部に見つけてブラームスと少し会話す ~河野美沙子(1956-)『ゼクエンツ』 「dolce 《ドルチェ》」は「柔和に、やわらかく」という意味のイタリア語
2024/04/03 00:00
#4196 日暮るればさそひしものを赤沼の真菰がくれのひとり寝ぞ憂き
令和6年4月2日(火) 【旧 二月二四日 先勝】・春分 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)日暮るればさそひしものを赤沼の真菰《まこも》がくれのひとり寝ぞ憂き ~小泉八雲(1850-1904)『怪談』Even though at twilight I called him to me! Oh, the bitter misery o
2024/04/02 00:00
#4195 八百の嘘を上手にならべても誠一つにかなはざりけり
令和6年4月1日(月) 【旧 二月二三日 赤口】・春分 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)八百の嘘を上手にならべても誠一つにかなはざりけり ~拙堂和尚(江戸中期)『格言警句集』Photo:映画『嘘八百』(2018年)予告編より 4月1日には罪のない嘘が許されるという
2024/04/01 00:00
#4194 行間に辞めたる部下の顔浮かべ日記のごとく決算書読む
令和6年3月31日(日) 【旧 二月二二日 大安】・春分 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)行間に辞めたる部下の顔浮かべ日記のごとく決算書読む ~林龍三 『塔』2016年4月号Photo:三井住友銀行 Busines Navi 国の会計年度では3月を決算月としています。日本の企業の
2024/03/31 00:00
#4193 「今暫し悪い男で生きてゐよ」春雷の夜に妻が呟く
令和6年3月30日(土) 【旧 二月二一日 仏滅】・春分 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)「今暫し悪い男で生きてゐよ」春雷の夜に妻が呟く ~西王燦《にしおう さん》(1950-2023)「短歌人」2022年6月号Photo:春雷 ~サッキーのお気楽ブログ 二十四節気「春分」
2024/03/30 00:00
#4192 毬藻のやうに描くを見れば子らが見てわれには見えぬ雲にあくがる
令和6年3月29日(金) 【旧 二月二〇日 先負】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)凉しさの累々としてまり藻あり ~佐藤春夫(1892-1964)『文人俳句歳時記』 小説家・詩人の佐藤春夫が北海道の阿寒湖に旅して詠んだ俳句です。Photo:マリモ展示観察センター(釧路市)の
2024/03/29 00:00
#4191 満月に夢の匂いを抱きしめて遥かなる道楼蘭の花
令和6年3月28日(木) 【旧 二月一九日 友引】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)満月に夢の匂いを抱きしめて遥かなる道楼蘭の花 ~飛鳥瑠璃 『永遠に届かぬ愛する人へ』 私が楼蘭《ろうらん》という地名を初めて耳にしたのは1980年に放送されていたNHK特集『シルクロー
2024/03/28 00:00
#4190 水盤の水にひたれるヒヤシンスほのかに咲きて物思はする
令和6年3月27日(水) 【旧 二月一八日 先勝】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)墨の香も孫に磨らせつ風信子 ~瀧井折柴(1894-1984) 書家である妻のアトリエはいつも心地よい墨の香りに満ちています。上質の墨は昔ながらの天然香料、甘松末・白檀・龍脳・梅花・麝香等
2024/03/27 00:00
#4189 今やかの三つのベースに人満ちてそゞろに胸のうちさわぐかな
令和6年3月26日(火) 【旧 二月一七日 赤口】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)虹の環を以て地上のものかこむ ~山口誓子(1901-1994)Photo:山口誓子が晩年の居宅跡煮立てられた句碑(兵庫県西宮市苦楽園)~西宮流 俳人山口誓子が亡くなったのは平成6年3月26日。今
2024/03/26 00:00
#4188 去年の春逢へりし君に恋ひにてし桜の花は迎へけらしも
令和6年3月25日(月) 【旧 二月一六日 大安】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)嬢子《をとめ》らが 挿頭《かざし》のために 遊士《みやびを》が 蘰《かづら》のためと 敷き坐《ま》せる 国のはたてに 咲きにける 桜の花の にほひはもあなに ~若宮年魚麻呂 『万葉集
2024/03/25 00:00
#4187 春キャベツ手で裂きながら毎日を壊してみたき欲望生まる
令和6年3月24日(日) 【旧 二月一五日 仏滅】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)春キャベツ手で裂きながら毎日を壊してみたき欲望生まる ~小田鮎子(1978-)『海、または迷路』Photo:春キャベツ ~Wow! magazine 春キャベツは普通のキャベツのように葉が葉がしっか
2024/03/24 00:00
#4186 天気図の等圧線を見てゐしが不意にわが持つ渦とかさなる
令和6年3月23日(土) 【旧 二月一四日 先負】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)木の芽雨天気予報の通りに降る ~加倉井秋を(1909-1988)『胡桃』 「木の芽雨」は木の芽の成長を助ける雨のことで春の季語になります。Photo:World Meteorological Day 2024 ~世界気
2024/03/23 00:00
#4185 池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入《こき》れな
令和6年3月22日(金) 【旧 二月一三日 友引】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入《こき》れな ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻20-4512池の水に影を映して美しく咲いている馬酔木の花を袖に入れよう。Photo:アセ
2024/03/22 00:00
#4184 めざむればいたく搖れゐる電線と雀の聲とわが窓のへに
令和6年3月21日(木) 【旧 二月一二日 先勝】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)古庭をあるいて孕み雀かな ~村上鬼城(1865-1938)Photo:ORICON NEWS (C)中野さとるさん 二十四節気「春分」の初候5日間(3月20日~24日)は七十二候の第10候「雀始巣(すずめはじめて
2024/03/21 00:00
#4183 春の野に心展べむと思ふどち来し今日の日は暮れずもあらぬか
令和6年3月20日(水) 【旧 二月一一日 赤口】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)春の野に心展《の》べむと思ふどち来《こ》し今日の日は暮れずもあらぬか ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1882 雑歌春の野に心ゆくまで楽しもうと仲間がやって来た今日一日、このまま暮れな
2024/03/20 00:00
#4182 鬱金香のにほひのもとにわづかなる眩暈をおぼえ昼もおもひぬ
令和6年3月19日(火) 【旧 二月一〇日 大安】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)鬱金香のにほひのもとにわづかなる眩暈をおぼえ昼もおもひぬ ~北原白秋(1885-1942)Photo:パレスハウステンボス前の庭園(長崎県佐世保市)~るるぶmore 「鬱金香《うこんこう》」は
2024/03/19 00:00
#4181 鴨山の磐根し枕ける我をかも知らにと妹が待ちつつあるらむ
令和6年3月18日(月) 【旧 二月九日 仏滅】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)鴨山の磐根し枕《ま》ける我をかも知らにと妹が待ちつつあるらむ ~柿本人麻呂 『万葉集』 巻2-0223 挽歌鴨山の岩を枕にして死んでゆく私のことを知らずに、妻は私の帰りをずっと待っている
2024/03/18 00:00
#4180 あしひきの山に入り日の時しもぞあまたの花は照りまさりける
令和6年3月17日(日) 【旧 二月八日 先負】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)あしひきの山に入り日の時しもぞあまたの花は照りまさりける ~花山院(968-1008)『風雅和歌集』巻2-0202 春歌中山に日が沈む時にこそ、たくさんの花が照り映えるのであるぞ。Photo:道兼
2024/03/17 00:00
#4179 桜木の魁ならむと杏花水面にそよぐ栗林の園
令和6年3月16日(土) 【旧 二月七日 友引】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)桜木の魁《さきがけ》ならむと杏花水面にそよぐ栗林の園 ~林龍三(1952-)Photo:栗林公園のアンズ(香川県高松市) 栗林公園《りつりんこうえん》は香川県高松市にある国の特別名勝です
2024/03/16 00:00
#4178 尋ね来るはかなき春もにほふらん軒端の梅の花の初蝶
令和6年3月15日(金) 【旧 二月六日 先勝】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)尋ね来るはかなき春もにほふらん軒端の梅の花の初蝶 ~藤原家隆(1158-1237)『壬二集』 下2059 春訪れてくる、儚いとも思える春に美しく咲いた軒端の梅の花に、初めての蝶が。Photo:ふら
2024/03/15 00:00
#4177 大空のミモザのごとく花火散りわれの歓喜はまた闇に入る
令和6年3月14日(木) 【旧 二月五日 赤口】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)大空のミモザのごとく花火散りわれの歓喜はまた闇に入る ~梅内美華子(1970-)『若月祭』Photo:ミモザの花束 ~AETHER(エーテル) ミモザは本来オジギソウなどのマメ科オジギソウ属の植物
2024/03/14 00:00
#4176 にはたづみ雨水流るる石畳壬生の屯所に誠はためく
令和6年3月13日(水) 【旧 二月四日 大安】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)にはたづみ雨水流るる石畳壬生の屯所に誠はためく ~林龍三 『塔』 2020年10月号Photo:旧八木邸(京都市中京区)~京とらん 文久3年(1863)年3月13日、京都・壬生の八木邸に詰めていた「壬生
2024/03/13 00:00
#4175 あはゆきは二月堂にも降りをらむ足踏みしつつ退りゆく春
令和6年3月12日(火) 【旧 二月三日 仏滅】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)あはゆきは二月堂にも降りをらむ足踏みしつつ退《すさ》りゆく春 ~鈴木禮子『雁の書』Photo:雪舞の二月堂(東大寺)~GANREF 春を呼ぶという東大寺二月堂の「修二会《しゅにえ》」の正式名は
2024/03/12 00:00
#4174 荒礒越す波は畏ししかすがに海の玉藻の憎くはあらずて
令和6年3月11日(月) 【旧 二月二日 先負】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)荒礒《ありそ》越す波は畏《かしこ》ししかすがに海の玉藻の憎くはあらずて ~作者未詳 『万葉集』 巻7-1397 譬喩歌荒磯を打ち越して寄せる波は恐ろしものだが、さりとて海に漂うきれいな藻を憎
2024/03/11 00:00
#4173 桃の花君に似るとはいひかねてただうつくしと愛でてやみしか
令和6年3月10日(日) 【旧 二月一日 友引】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)桃の花君に似るとはいひかねてただうつくしと愛でてやみしか ~金子薫園(1876-1951)Photo:桃の花 ~Flover 今日は七十二候の第8候「桃始笑(ももはじめてさく)」。桃の蕾が開いて花が咲き始
2024/03/10 00:00
#4172 世と共にうつれバ曇る春の夜を朧月とも人は言なれ
2024/03/09 00:00
#4171 新しき源泉課税の拡がりをおもひ居りつつ廻診すます
令和6年3月8日(金) 【旧 一月二八日 仏滅】・啓蟄 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)新しき源泉課税の拡がりをおもひ居りつつ廻診すます ~斎藤茂吉(1882-1953)Photo:政府広報オンライン 給与所得に対する源泉徴収制度が始まったのは1940年。歌人斎藤茂吉の本職は都
2024/03/08 00:00
#4170 おだやかにここにゐますと空に告ぐ 高層ビルの赤い光が
令和6年3月7日(木) 【旧 一月二七日 先負】・啓蟄 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)おだやかにここにゐますと空に告ぐ 高層ビルの赤い光が ~大西久美子Photo:Lmaga.jp 今からちょうど10年前(2014年2月7日)。日本一高い高層ビルとしてあべのハルカスが開業しまし
2024/03/07 00:00
#4169 うち靡く春の柳と我がやどの梅の花とをいかにか分かむ
令和6年3月6日(水) 【旧 一月二六日 友引】・啓蟄 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)うち靡く春の柳と我がやどの梅の花とをいかにか分かむ ~大典史氏大原《ししのおおはら》『万葉集』 巻5-0826 雑歌春になって芽吹いた柳と我が家の梅の花の、どちらが良いかなどどう区
2024/03/06 00:00
#4168 この虫も永遠とかいふところまで行つちまひたさうに這ひ急ぎをる
令和6年3月5日(火) 【旧 一月二五日 先勝】・啓蟄 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)啓蟄の虻はや花粉まみれかな ~星野立子(1903-1984)Photo:菰が巻かれた松の木 ~晴れと暮らす 今日は二十四節気の第3「啓蟄」。その初候5日間は七十二候の第7候「蟄虫啓戸(すご
2024/03/05 00:00
#4167 正月や冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし
令和6年3月4日(月) 【旧 一月二四日 赤口】・雨水 草木萠動(そうもくめばえいずる)正月や冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし ~一休宗純(1394-1481)正月は冥土に向かう旅の一里塚のようなものだ。めでたくもあるが、めでたくもない。Photo:東海道笠寺の一
2024/03/04 00:00
#4166 ひとづてに聞きしことばはかなしくて木馬の耳がとほくひかるよ
令和6年3月3日(日) 【旧 一月二三日 大安】・雨水 草木萠動(そうもくめばえいずる)聞き耳を冷たき耳に立てざらむ ~相生垣瓜人(1898-1985)『明治草』Photo:うさぎとの暮らし大百科 3月3日は桃の節句、ですが他に何かないか探してみるとありました。「耳の日」です。
2024/03/03 00:00
#4165 ソビエト戦車の軀幹にチェコ人民鍵十字をば書きて罵る
令和6年3月2日(土) 【旧 一月二二日 仏滅】・雨水 草木萠動(そうもくめばえいずる)ソビエト戦車の軀幹にチェコ人民鍵十字をば書きて罵る ~林宏匡『ニムオロのうた』 「プラハの春」を思い起こす歌。チェコという国は周囲の大国に翻弄され続けてきた歴史があります。Ph
2024/03/02 00:00
#4146 核実験なしたる国へと続きいて魚鱗の雲の白く広がる
令和6年3月1日(金) 【旧 一月二一日 先負】・雨水 草木萠動(そうもくめばえいずる)核実験なしたる国へと続きいて魚鱗の雲の白く広がる ~上牧右田子 『花片の冷え』 ビキニ環礁はかつて日本委任統治下にあった南洋諸島の島でしたが、敗戦後アメリカ合衆国に割譲され、
2024/03/01 00:00
#4163 春日野の草はみどりになりにけり若菜摘まむとたれかしめけむ
令和6年2月29日(木) 【旧 一月二〇日 友引】・雨水 草木萠動(そうもくめばえいずる)春日野の草はみどりになりにけり若菜摘まむとたれかしめけむ ~壬生忠見 『新古今和歌集』 巻1-0012 春歌上春日野の草はすっかり緑になっている。若菜を摘もうと誰が印をつけたのだろう
2024/02/29 00:00
#4162 やや冷えしブリ大根を熱き飯に載せてぞ食うぶ春立つあしたを
令和6年2月28日(水) 【旧 一月一九日 先勝】・雨水 霞始靆(かすみはじめてたなびく)やや冷えしブリ大根を熱き飯《いひ》に載せてぞ食《た》うぶ春立つあしたを ~島田修三(1950-)『東洋の秋』Photo:ぶり大根 ~湘南茅ヶ崎港 一俊丸 「春立つ」とあるので2月初旬の歌
2024/02/28 00:00
#4161 培へる雪割草を運び来し少女と小さき花に頬寄す
令和6年2月27日(火) 【旧 一月一八日 赤口】・雨水 霞始靆(かすみはじめてたなびく)雪を割り雪を纏はず三角草 ~稲畑汀子(1931-2022) 二年前(2022年)の今日、お亡くなりになった俳人、稲畑汀子さんが詠まれたミスミソウの俳句です。Photo:キンポウゲ科の雪割草(ミ
2024/02/27 00:00
#4160 知るらめや霞の空をながめつつ花もにほはぬ春をなげくと
令和6年2月26日(月) 【旧 一月一七日 大安】・雨水 霞始靆(かすみはじめてたなびく)如月まで梅の花咲き侍らざりける年詠み侍りける知るらめや霞の空をながめつつ花もにほはぬ春をなげくと ~中務(912?-991?) 『新古今和歌集』 巻1-0039 春歌上(梅の花は)知っている
2024/02/26 00:00
#4159 杉花粉に荒るるのどより朝まだき美しきあかき痰は出づるも
令和6年2月25日(日) 【旧 一月一六日 仏滅】・雨水 霞始靆(かすみはじめてたなびく)ピノキオや杉の花粉がとんでくるぞ ~吉岡光浪Photo:ディズニー映画 Pinocchio (1940) より 朝起きて、霞が立っていたら穏やかな春を感じるのかもしれませんが、花粉予報を気にしなけ
2024/02/25 00:00
#4158 朝霞春日の暮は木の間より移ろふ月をいつとか待たむ
令和6年2月24日(土) 【旧 一月一五日 先負】・雨水 霞始靆(かすみはじめてたなびく)朝霞春日《はるひ》の暮は木の間より移ろふ月をいつとか待たむ ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1876 雑歌朝には霞がたちこめていた春の日暮れには、木々の間をわたる月がいつ出てくるのか待
2024/02/24 00:00
#4157 世界との往き来難かる世はつづき窓開く日を偏に願ふ
令和6年2月23日(金) 【旧 一月一四日 友引】・雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)世界との往き来難《がた》かる世はつづき窓開く日を偏《ひとへ》に願ふ ~今上天皇陛下 徳仁 (令和4年歌会始の儀)Photo:ARAB NEWS 令和6年の天皇誕生日です。今年に入ってもロ
2024/02/23 00:00
#4156 高天原も卑弥呼の国もありつらむ取り巻く山のいづこも青き
令和6年2月22日(木) 【旧 一月一三日 先勝】・雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)高天原も卑弥呼の国もありつらむ取り巻く山のいづこも青き ~大西民子(1924-1994)『歌集 風の曼陀羅』 佐賀県の吉野ケ里遺跡が発見されたのは今から35年前の1989(平成元)年2
2024/02/22 00:00
#4155 春雨に萌えし柳か梅の花ともに後れぬ常の物かも
令和6年2月21日(水) 【旧 一月一二日 赤口】・雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)春雨に萌えし柳か梅の花ともに後れぬ常の物かも ~大伴書持《おほとものふみもち》 『万葉集』 巻17-3903春雨が降って萌えはじめた柳でしょうか、それとも梅の花でしょうか。どちら
2024/02/21 00:00
#4154 春の土もたげて青むものの芽よをさなき物の育つはたのし
令和6年2月20日(火) 【旧 一月一一日 大安】・雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)春の土もたげて青むものの芽よをさなき物の育つはたのし ~窪田空穂(1877-1967)『丘陵地』Photo:Pacoma 二十四節気「雨水」の初候5日間は七十二候の第4候「土脉潤起(つちのしょ
2024/02/20 00:00
#4153 薮波の里に宿借り春雨に隠りつつむと妹に告げつや
令和6年2月19日(月) 【旧 一月一〇日 仏滅】・雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)薮波の里に宿借り春雨に隠りつつむと妹に告げつや ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻18-4138藪波《やぶなみ》の里で借りた宿に、春雨が降ってきたので籠っているのだと、妻に伝え
2024/02/19 00:00
#4152 住の江や和泉の街の七まちの鍛冶の音きく菜の花の路
令和6年2月18日(日) 【旧 一月九日 先負】・立春 魚氷上(うおこおりをいずる)住の江や和泉の街の七まちの鍛冶の音きく菜の花の路 ~与謝野晶子(1878-1942) 今日の主役は菜の花ではなく「鍛冶の音」。「和泉の町の七まち」とは現在の大阪府堺市堺区の北旅籠町・桜之町・
2024/02/18 00:00
#4151 ひとかたまり菜の花咲けり春の日のひかり隈なき砂畑の隅に
令和6年2月17日(土) 【旧 一月八日 友引】・立春 魚氷上(うおこおりをいずる)ひとかたまり菜の花咲けり春の日のひかり隈なき砂畑の隅に ~若山牧水(1885-1928)Photo:あわじ花さじきの菜の花畑(兵庫県淡路市楠本) ~sogoods.net 菜の花の季節を迎えました。今月12日
2024/02/17 00:00
#4150 春一番の思いよ届け青空はあなたに続く色の階段
令和6年2月16日(金) 【旧 一月七日 先勝】・立春 魚氷上(うおこおりをいずる)春一番の思いよ届け青空はあなたに続く色の階段 ~俵万智(1962-)Photo:髪が乱れる埴輪くん ~photoAC(桃色小粒さん) 昨日2月15日には気象庁から関東・北陸・四国地方に春一番が吹いたと
2024/02/16 00:00
#4149 椿の花落ちゐる庭に埋めやりぬ眼を閉ぢることなきメジロを
令和6年2月15日(木) 【旧 一月六日 赤口】・立春 魚氷上(うおこおりをいずる)椿の花落ちゐる庭に埋めやりぬ眼を閉ぢることなきメジロを ~田口朝子 『塔』 2021年9月号Photo:椿の花にとまったメジロ ~GANREF 可哀そうに死んだメジロを庭に埋めてあげたのですね。梅の
2024/02/15 00:00
#4148 氷魚からさび鮎までの 一代を思ひてゐたり春立つ庭に
令和6年2月14日(水) 【旧 一月五日 大安】・立春 魚氷上(うおこおりをいずる)薄氷音なく破れて魚の影 ~能村登四郎(1911-2001)『羽化』 今日は七十二候の第3候「魚氷上(うおこおりをいずる)」。「立春」の末候にあたる5日間です。先週は関東甲信地方のお天気が荒れて、
2024/02/14 00:00
#4147 わろてんかおもろいからとしゃべる君しゃあない聞いたろ ギブスのわけを
令和6年2月13日(火) 【旧 一月四日 仏滅】・立春 黄鶯睍睆(うぐいすなく)わろてんかおもろいからとしゃべる君しゃあない聞いたろ ギブスのわけを ~林龍三(1952-)『塔』 2018年1月号Photo:なんばグランド花月と吉本吉兵衛(右下) 今日は吉本興行の創設者である吉本吉
2024/02/13 00:00
#4146 ぬばたまの今夜の雪にいざ濡れな明けむ朝に消なば惜しけむ
令和6年2月12日(月) 【旧 一月三日 先負】・立春 黄鶯睍睆(うぐいすなく)ぬばたまの今夜《こよひ》の雪にいざ濡れな明けむ朝《あした》に消《け》なば惜しけむ ~小治田東麻呂《おはりだのあづままろ》 『万葉集』 巻8-1646 雑歌今宵降る雪に、さあ濡れましょうよ。明け
2024/02/12 00:00
#4145 倭は国のまほろばたたなづく青垣山籠れる倭しうるわし
令和6年2月11日(日) 【旧 一月二日 友引】・立春 黄鶯睍睆(うぐいすなく)倭は国のまほろばたたなづく青垣山籠れる倭しうるわし ~倭健命《ヤマトタケルノミコト》(72-114) 『古事記』大和は国の中でもっとも素晴らしいところだ。重なり合った青い垣根のような山に籠もっ
2024/02/11 00:00
#4144 紹興酒乗せたる円卓まわされて旅の途中に春節祝う
令和6年2月10日(土) 【旧 一月一日 先勝】・立春 黄鶯睍睆(うぐいすなく)人垣に春節の龍起ち上がる ~小路紫峡《しょうじしきょう》(1926-2016)Photo:PNGTREE 今日は旧暦の一月一日、春節です。日本では新暦(グレゴリオ暦)の正月を祝日としていますが、中国や韓国、ベ
2024/02/10 00:00
#4143 鶯の春になるらし春日山霞たなびく夜目に見れども
令和6年2月9日(金) 【旧 一二月三〇日 大安】・立春 黄鶯睍睆(うぐいすなく)鶯の春になるらし春日山霞たなびく夜目に見れども ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1845 雑歌鴬の鳴く春がやってきたようだ。春日山に霞がたなびいている夜に見渡してもわかるように。Photo:ウグイ
2024/02/09 00:00
#4142 書き終へて手紙となりしいちまいのこころに朝の日は照り翳る
令和6年2月8日(木) 【旧 一二月二九日 仏滅】・立春 東風解凍(はるかぜこおりをとく)春の雨郵便ポストから巴里へ ~浅井愼平(1937-)『二十世紀最終汽笛』 主にカメラマンとして有名な浅井慎平氏は音楽やテレビのコメンテーター、芸大の教授など幅広く活動されています
2024/02/08 00:00
#4141 玫瑰の花をし見れば帰りゆかむ思ひはつのる国後島遙かに
令和6年2月7日(水) 【旧 一二月二八日 先負】・立春 東風解凍(はるかぜこおりをとく)玫瑰《はまなす》の花をし見れば帰りゆかむ思ひはつのる国後島遙かに ~東海林諦顕(1934-)『さらば国後島-故郷喪失の悲哀』Photo:国後の夜明け ~photoAC(フランクさん) 東海林
2024/02/07 00:00
#4140 「福寿草まだ出ませんね」「そうですね事情は特に聞いてませんが」
令和6年2月6日(火) 【旧 一二月二七日 友引】・立春 東風解凍(はるかぜこおりをとく)「福寿草まだ出ませんね」「そうですね事情は特に聞いてませんが」 ~大下一真(1948-)『漆桶』Photo:雪の中の福寿草 ~GANREF(H.KIMURA流離写人) キンポウゲ科の多年草、フクジュ
2024/02/06 00:00
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