『異人たち』／孤独な魂の共鳴

All of Us Strangers／監習：アンドリュー・ヘイ／2023年／105分／R15+／イギリス／配給：ウォルト・ディズニー・ジャパン立川シネマシティにて2日連続2回鑑賞。ある夜、孤独に暮らす中年のアダム（アンドリュー・スコット）の部屋を、同じマンションに住む青年ハリー（ポー

『12日の殺人』／彼女が殺されたその訳は

La nuit du 12／監督：ドミニク・モル／114分／G／フランス／配給：STAR CHANNEL MOVIESある夜、帰宅中に女子大生のクララ（ルーラ・コットン＝フラピエ）が何者かにガソリンを浴びせられ火を付けられて殺される。刑事のヨアン（バスティアン・ブイヨン）と相棒のマルソー（

『哀れなるものたち』／女が成長すると困る。

Poor Things／監督：ヨルゴス・ランティモス／142分／R18+／イギリス／配給：ディズニーものすごくハイコンテクストな作品で、もちろん悪意があるような作品ではないと思うけど、エマ・ストーンが脱ぎまくっているシーンを長時間見せられてものすごく消耗しました。当たり前

『緑の夜』／私たちが自分の人生を生きるということは

Green Night／監督：ハン・シュアイ／2023年／92分／P12／中国／ファントムフィルムズ新宿武蔵野館にて鑑賞。
中国から韓国へ渡ってきたジン・シャ（ファン・ビンビン）は韓国人の夫スンフン（キム・ヨンホ）の束縛におびえながら、保安検査員として働いている。そして、そ

『リトル・マーメイド』／プリンセス映画において危うくなってきている王子様の役割。

The Little Mermaid／監督：ロブ・マーシャル／2023年／135分／G／アメリカ／ディズニー2023年6月10日立川シネマツーにて鑑賞。エリック（ジョナ・ハウアー＝キング）の絶妙なる魅力のなさよ。正直アリエル（ハリー・ベイリー）がなぜエリックを好きになったのかよくわかんな

『エドワード・ヤンの恋愛時代 4Kレストア版』／私たちの時代の私たちの恋愛は……

獨立時代／A Confucian Confusion／監督：エドワード・ヤン／1994年／129分／G／台湾／配給：ビターズ・エンド 思っていたのとかなり違う映画だった。 ポスター・アートから、チチ（チェン・シャンチー）とモーリー（ニー・シューチュン）の恋愛関係が描かれて、それが現代の

『最後まで行く』／ここまで来たなら、行けるとこまで行くしかない。

監督：藤井道人／2023年／118分／G／日本／東宝だいぶ前に立川シネマ・ワンにて鑑賞。ちなみに、韓国版はもちろん観ています。苦手な演技をする人ばかりの映画だった。全員、演技が悪いわけじゃないのに、どうもわざとらしくてどんどん気持ちが冷えていくというか。

おピヨの2023年シネマランキング

今さらなんですが、おピヨの2023年シネマランキングを発表します。2023年に観た新作映画は40本。タイトル／劇場or 配信／複数回観た場合は回数・鑑賞日となっております。 1.     ハント／劇場／3回・9月30日、10月14日、10月21日 想像の100倍良かった。観

『ハント』／スパイ・アクションかと思ったら『地獄の黙示録』みたいな映画だった……。

헌트／HUNT／監督：イ・ジョンジェ／2022年／125分／PG12／韓国／クロックワークス私は韓国映画が好きで、特に子どもが産まれて以降は自由に映画を観る時間を取ることが難しいので、意識して韓国映画を選んで観ている。そのきっかけになった映画が『新しき世界』だった。韓国

『アンドレ・レオンタリー 美学の追求者』／美しく生きるために。

The Gospel According to Andre／監督：ケイト・ノバック／2017年／93分／G／アメリカ／REGENTS2023年3月、渋谷Bunkamuraにて鑑賞。この人のことを全然知らなかったんだけど、映画『プラダを着た悪魔』でスタンリー・トゥッチが演じたキャラのモデルとなった人とのこと。スタ

『オマージュ』／過去と現在の女たちをつなぐ映画。

오마주／Hommage／監督：シン・ウォン／2021年／108分／G／韓国／アルバトロス2023年4月、新宿武蔵野館にて鑑賞。ジワン（イ・ジョンウン）の映画監督としての仕事の煮詰まり感や、更年期障害の症状が心身ともに影響が出てところ、そして、この年齢になっても嫁はいつまでも

『ウーマン・トーキング 私たちの選択』／過去のものではない女たちの地獄。

Women Talking／監督：サラ・ポーリー／2022 年／105分／G／アメリカ／パルコ2023年6月、kino cinema 立川高島屋 S.C.館にて鑑賞。フランシス・マクドーマントの表情のすごさよ。ほとんどセリフはないし、出演時間もわずかなのにこの印象の強さ。スカーフェイス（フランシス

『The Which/魔女-増殖-』／広げた風呂敷が大きすぎて、もう、姿が見えません。

마녀 Part2. The Other One／監督：パク・フンジョン／2022／138分／R15+／韓国／ツイン2023年5月、立川シネマ・ワンにて鑑賞。大好きな『新しき世界』のパク・フンジョン監督作なので、めっちゃ期待してたけど、今年一番公開を楽しみにしていた韓国映画の 1本だったけど、

『AKIRA 4K 極上音響上映』／危険な自己の肥大化。

AKIRA／監督：大友克洋／1988年／124分／PG12／日本／東宝2023年3月、立川シネマ・ツーにて鑑賞。極上音響上映めっちゃよかった。最初の「ドンッ！」にビビッて、不覚にもビクッとなってしまったくらいの音響。首都高にバイクの音がグワンッと響くようだった。初めて観たとき

『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』／この男、映画と相思相愛。

QT8: The First Eight／監督：タラ・ウッド／2019 年／アメリカ／101分／R15+／配給：ショウゲート新宿シネマカリテにて鑑賞。私の映画原体験は中学生の時に観た『パルプ・フィクション』です。初めて観た映画という意味ではなく、初めて「自分が『観たい』と思った映画を観

『CLOSE クロース』／僕らの間と外側にあったもの。

監督：ルーカス・ドン／2022年／104分／G／ベルギー・フランス・オランダ合作／配給：クロックワークス、STAR CHANNEL MOVIES新宿武蔵野館、劇場2、B-4にて鑑賞。少年2人の演技が本当にうまくて（映画デビュー作とは！）それだけで見れちゃう。ただ、これレオは悪くないよ、

『THE FIRST SLAMDUNK 山王応援上映』／ザファの応援上映へ行ったら落ち込んだ話をします。

私はこれまで 『THE FIRST SLAMDUNK』（以下、ザファ）を11回観賞していましたが、応援上映には行ったことがありませんでした。すごく行きたいと思っていたけど、これまでの開催は日曜日。私には4歳の息子がおり、週末は絶対にワンオペのため行けなかったのです。しかし、今

『ガッデム阿修羅』／オフィシャルのストーリー説明、納得いかないです……。

該死的阿修羅 Goddamned Asura／監督：ロウ・イーアン／2022年／114m／PG12／台湾／配給：ライツキューブシネマート新宿、スクリーン1、E16にて鑑賞。ツイートや予告から、ハイエナジーなバイオレントなノワールを期待して観に行きました。いわゆる『AKIRA』みたいな、抑圧

『アシスタント』／見えてるのに気づかれない暴力で傷だらけ。

The Assistant ／監督：キティ・グリーン／2019年／87分／G／アメリカ／配給：サンリスフィルム絶対にしんどそうなので観るのが怖かったのですが、上映時間が87分ならと勇気を出して観てみたらやっぱりしんどかったです。

『TAR ター』／ミソジニーとミサンドリーの間で。

TAR／監督：トッド・フィールド／2022年／158分／G／アメリカ／配給：ギャガめっちゃ長かったから、観に行くのをためらっていたけど、ケイト・ブランシェット様の演技は本当にすごかったので観に行って良かった。めっちゃ長いけど、説明的な演出はないので、ぼーっと見てても