日高千湖 さん プロフィール

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日高千湖さん: 夢見月夜曲
ハンドル名日高千湖 さん
ブログタイトル夢見月夜曲
ブログURLhttp://yumemizukiyakyoku.blog.fc2.com/
サイト紹介文日高千湖のオリジナルBL小説ブログです♪『薄き袂に宿る月影』はこちらへ移動しております。
参加カテゴリー
更新頻度(1年)情報提供315回 / 365日(平均6.0回/週) - 参加 2014/02/17 00:03

日高千湖 さんのブログ記事

  • ミスター・K、『S−five』を語る。4
  •  花火が上がる一時間前になると、招待客やスタッフたちが集まりはじめた。料理は出来上がった物からビュッフェコーナーに運んである。席に着いた者は気軽に食事を始め、次々にドリンクの注文が入る。《SUZAKU》のカンタくんが早めに来て、カクテルとドリンクを担当してくれている。橋本店長はエプロンを放棄し、一番に来た《白夜》のナンバーワンホスト・キリヤくんと2人でカンタくんがいるカウンターの前に座り飲み始めた [続きを読む]
  • 恋文・22
  •  僕の教習が終わるまで待っていてくれた恭悟。隣を歩く彼と腕が当たる。「あっ、ごめん」ぶつかった腕。腱に当たったのか、肘から先がジンと痺れた。「ごめん」普通に歩いているだけなのに意識してしまう。僕のちょっとしたドキドキに恭悟は気が付かない。気が付かなくても良い。出来れば気付かないで欲しい。おかしな感情は説明が出来なくて、僕は困ってしまうから。 教習所から駅まで7,8分の距離だ。僕たちを教習所のスクー [続きを読む]
  • ミスター・K、『S−five』を語る。3
  • 「はあっ」颯爽と事務所に消える社長の背中を見ながら、木下専務は大きな溜息を付いた。「俺は去年から全店休業は止めて、《トリスタン》だけ店を開けて従業員はそっちで飲み食いさせたらどうか、って提案してるんですけどね」木下専務は腰に手を当てた。イライラしているようだ。イチャイチャの邪魔をされたからに違いない。薫くんを怒らせてしまって、まさに踏んだり蹴ったりってところだな。「そうですか」そうなると、《トリス [続きを読む]
  • 恋文・21
  •  今日は朝から暖かだった。大座敷の前の縁側の雨戸を開けると目の前が一気に開け、庭の緑が鮮やかに飛び込んでくるようだった。赤い太鼓橋と松の鮮やかな緑が青空に映えて美しかった。清々しい朝の冷気と清廉な緑の景色が、素敵過ぎるサプライズの予兆だったのかもしれない。「・・・恭悟」「元気だったか?」恭悟は笑いながら僕に近付いてくる。「う、うん。どうしたの?」「今日、休みだったんだ。昨日、店の棚卸しがあってさ。 [続きを読む]
  • ミスターK、『S−five』を語る。2
  •  毎年8月10日は花火大会が行われる。『S−five』では創業当時から8月10日は全店休業にして、従業員、アルバイトが《イゾルデ》に集まり花火見物をする。それをもてなすのは、社長以下幹部と各店の店長だ。俺は入社以来、顔を出してすぐに帰っていた。理由は大した事ではない。俺がいるとしらけるんじゃないかと思うからだ。面白い事も言えない。提供する話題もない。それに俺が居ようが居まいが、関係なさそうだからな。「 [続きを読む]
  • ミスターK、『S−five』を語る。1
  • 60万HITキリ番リクエストです。(ブログのカウンターは一人一日一回しか回せないように設定していますが、「キリ番見たよ」のご報告は毎回重複します。今回は日高も含めて4人でした!)本日はaさまよりのリクエストです♪「『S−five』の恋愛事情を語る」と、「章太郎と隼人で学生時代を語る」のどちらかで、とのことでした。がっ!今のところ、ぶちまけるような恋愛事情がないんですよね(笑)皆さん、平穏無事。章太郎と [続きを読む]
  • 恋文・20
  • 「今のところは表向き平和だが、俺らの世界はいつ何時"戦争"になるかわからない。常にスマホの電源だけは入れておけよ。武村が敬治さんとゴルフに行ったりするのを止めようとは思わないが、「もしも」がないとは限らないからな。その時に優先されるのは親父さんや若や敬治さんの安全だ。外にいるお前は二の次になる。有事の際には構成員の家族が標的になることもあるからな。少しは緊張してくれると助かるよ」飄々として「戦争」と [続きを読む]
  • I can't stop loving you.
  • 明日ありと思う心の仇桜【後編】で電話を切った後の耀元さんとニャンコたち+辰弥&奏ちゃんです。 僕たちを乗せたクルーズ船は、勝鬨橋をくぐり晴海埠頭へと向かう。宿泊しているホテル前の桟橋を出たクルーズ船は、左手にお台場を見ながらレインボーブリッジをくぐって大井埠頭から羽田空港へと向かう予定だ。前々から、チャリティーパーティーの労をねぎらおうと比呂人とその甥・辰弥くん、倉和奏くんを誘ってディナークルーズ [続きを読む]
  • 恋文・19
  •  洋子さんと一緒に再度戸締りを確認し、火の元と屋敷の中を一通り見て回ったら旦那さまと奥さまに「何かご用はございませんか?」とお尋ねする。それが終われば、僕の使用人としての一日も終わる。お風呂に入り、洋子さんに「おやすみなさい」を言ってから花子を連れて部屋に戻る。ストーブの前で丸くなっていた花子は眠そうに僕を見たが、ベッドの上に下ろすとすぐに丸くなった。今日の出来事を敬ちゃんに話したかったけれど、今 [続きを読む]
  • 恋文・18
  •  テレビで何度も観た大きな綿あめ。修学旅行生が何人も列を作っていた。その後ろに並んで待つ間に、珍しい方言を聞くのも楽しい。漸く僕たちの順番が回ってきて、七色の大きな綿あめを渡された。「わあっ!」「実はこれ、俺も初めてなんだ」「そうなの?」恭悟も「初めて」と聞き、ちょっと嬉しくなる。彼と『初めて』を共有できているのだ。 修学旅行生に交じって写真を撮った。店の壁はピンク色で、綺麗な虹がいくつも描かれて [続きを読む]
  • 明日ありと思う心の仇桜【後編】
  • ★後半部分、比呂人おじちゃんが張り切っておりますが・・・。年齢制限をするほどの事はないかと思われます。嫌いな方はすっ飛ばしてくださいね。「楠田、耀元はまだ戻らないのか?」間もなくオークションが終わる。オークションの後には猫好きで有名な漫画家と画家と女優の3人の猫トーク。その後に倉和奏くんがピアノを披露してくれる事になっているが、会場にはまだ耀元の姿が見えない。「少々お待ちください。それよりも会長、 [続きを読む]
  • 恋文・17
  •  食堂のちょっと渋いコーヒーを飲み、それぞれで支払いをして店を出たのは午後3時30分くらいだった。ランチタイムが終わり店の中は徐々に人が減っていったのを、話しに集中していた僕たちは気が付かなかったほどだった。恭悟の知り合いに高卒認定を受けた人がいる、とか『春香堂書店』でのバイト先の愚痴とか、他愛もない話し。 恭悟はバイト先を「気に入っている」とは言ったが不満はあるようで、それを面白おかしく話してく [続きを読む]
  • 明日ありと思う心の仇桜【前編】
  • ★60万HITしました折に、キリ番を踏んでくださったSさまよりリクエストを頂いております。耀元さんを、という事だったのですが途中まで書いているものがありましたのでちょっと手直ししてUPさせて頂きます!!「この度はご招待頂きありがとうございます。盛況ですね、井上会長」「本日はお越し頂きありがとうございます。我々の活動にご賛同くださいまして、嬉しい限りです」「いやあ、井上会長が猫好きとは存じませんでし [続きを読む]
  • 恋文・16
  •  スクランブル交差点の白線が輝いて見えた。恭悟は僕の腕を掴み、前から来る人を掻き分けるようにして強引に前に進んでいく。しっかりと掴まれた腕に安心感を抱きながら、恭悟に出会えて良かったと思う。交差点を小走りで抜け、「間に合ったな!」と振り返った恭悟の笑顔が眩しかった。 紺地に《やよい食堂》と染め抜かれたお世辞にも綺麗とは言えない暖簾をくぐると、中から香ばしい香りがする。その香りは懐かしい香りだった。 [続きを読む]
  • 恋文・15
  •  奥さまのお供をして試写会に行った事がある。その時は映画が終わった後に監督と出演者が5,6人舞台に登場して、インタビューが行われた。信吾さんのお姉さんは恭子さんと言って、大貴くんのお母さんだ。恭子さんの友人が業界最大手の『田原プロダクション』という芸能プロダクションの社長だ。その関係で試写会に誘われたのだ。その時奥さまは、「文ちゃんに映画を観せたいの」とおっしゃって、他の予定をキャンセルして映画に [続きを読む]
  • 恋文・14
  •  すでにマンションの中に入ってしまったのか、僕が振り返ると有馬さんの姿はすでにそこにはなかった。膝が痛み始めた足を引き摺りながら、滝山家まで歩いた。足が重くて、肘がズキズキし始めたのは隣に誰もいなくなったからだ。汚れた姿でお屋敷に戻った僕を見て、奥さまと洋子さんは大騒ぎした。膝は擦り傷で血が滲んでいた。肘は打ち身だったが、落ちた時に着いた手の平には擦り傷があり、服やバッグにはあちらこちらに泥が付い [続きを読む]
  • 恋文・13
  • 「ありがとうございました」有馬さんに手を借りて立ち上がった僕。膝がズキズキするけど、立てない程ではない。「いいえ。大丈夫ですか?」堅い挨拶だ。さっきの図書館での「お先に」「お疲れ」、という遣り取りとは程遠い。「はいっ。昨日は親切に教えて頂き、ありがとうございました」僕は頭を下げた。「どう致しまして。お友だちの家にはちゃんと着けましたか?」「はい。有馬さんのおかげで会えました」「会えなかった」とは言 [続きを読む]
  • 恋文・12
  •  図書館は洋子さんが言ったとおり、滝山家から歩いて20分くらいの所にある。高い木々に隠れるようにして建っている図書館と児童館は、重厚感のある2階建てのレンガ造りだ。レンガの壁を囲むように植えられている常緑針葉樹の根元には、昨日の雪がまだ残っていた。駐輪場には10台以上の自転車が停まっている。僕も自転車を買えば早くて楽チンだと思ったけど、よくよく考えたら自転車には乗れなかった。 初めて訪れた図書館。 [続きを読む]
  • 恋文・11
  •  飯坂さんのおかげで、夕飯の時間の前にお屋敷に戻る事が出来た。洋子さんによると奥さまは、「文ちゃんを迎えに行った方がいいんじゃないかしら?」と何度もおっしゃったそうだ。その度に旦那さまは「スマホを持っているから大丈夫だ」、と奥さまを宥めてくださったという。「迎えに行くと言ってもどこに行けば良いのだ?と旦那さまがおっしゃって、奥さまはちょっとムッとなさっていたのよ」「ご心配をお掛けしてしまいましたね [続きを読む]
  • 恋文・10
  •  飯坂さんはつい最近独立して、"飯坂組"という自分の組を構えている。河野組が経営しているフロント会社から何社か譲り受けて「手切れ金だ」、と若に宣言したそうだ。飯坂さんの車を運転しているのは若の事務所にいた高井という人で、助手席にいるのは敬ちゃんが攫われた時の救出チームに加わっていた牧野という人だった。牧野さんと高井さんとは何度も本部で会った事があるし、一緒にご飯を食べた事がある。「滝山さんのお屋敷の [続きを読む]
  • 恋文・9
  •  『ツチヤファイナンス』の事務所には重い空気が流れていた。ここの従業員たちは僕の顔を知らない。僕が河野組総本部の雑魚部屋にいた事を言った方がいいのだろうか。それとも、この場で敬ちゃんに電話した方がいいかな?そしたら敬ちゃんが上から下りて来てくれるかも。だってここは若のビルなんだから。さりげなく僕の様子を見ながら、距離を測るようにして女性2人は奥に消えた。他の男性もそっと席を離れていく。残ったのは一 [続きを読む]
  • 恋文・8
  • 「落ち着いた?」「はい」駅の構内で見っとも無くしゃくり上げた僕に、有馬さんはとても困っていたと思う。でも、嫌がる素振りも見せずに優しくしてくれた。通り過ぎる人々がこちらをチラリと見るから、僕の身体を隠すように壁と自分の身体で視線を遮り、僕が泣き止むまで待ってくれたのだ。 初めて入ったコーヒーショップは全国チェーンの有名なお店だ。テレビで何度も見た事がある。『春香堂書店』とはタクシー乗り場を挟んで向 [続きを読む]
  • 恋文・7
  •  翌朝、僕はいつものように花子に起こされた。催促する花子を廊下に出してやり、身支度を整えるついでにカーテンを開け一面の銀世界に歓声を上げた。去年も一昨年も雪は降ったけれど、何度降っても積もっても雪は楽しい。雪が降っただけでウキウキしてしまうのだ。「わあーっ!」いつもなら僕の部屋から国府田さんの家の緑色の瓦屋根が見えるけど、今日はそれも白い。「真っ白だ」庭に出て雪に触ってみたい。《SWAN》にいた時 [続きを読む]
  • 恋とは戦さのようなもの・22
  •  漸く帰社した隼人たち。蔵野だけではなく、森実則武さんまで揃っている。楽しそうな笑い声が広いホールに響き渡り、目立つ一団に気付いた人々の視線は彼らに集まった。本社のホールには他社からの来訪者もいるのに、派手に笑い声を響かせるのは感心しないな。カツカツと靴音を響かせながら近付いた俺に、まず気が付いたのは春山くんだった。「山下店長」俺の顔を見て、春山くんはさすがにビビッている。それはそうだろうな。上司 [続きを読む]
  • 恋文・6
  •  お屋敷に戻ると、洋子さんが心配そうに玄関で待っていた。「まあ、まあ!心配しましたよ。雪がどんどん降ってくるものだから」「大丈夫ですよ。国府田さんが一緒ですから」「雪で車が動かなくなったらどうしましょうと、奥さまがおっしゃるのよ」「ちゃんと滑らないタイヤに替えてあるから大丈夫ですよ」洋子さんは安心したように微笑んだ。12月に整備工場から人が来て、滝山家にある車は全てスタッドレスタイヤに替えたのは奥 [続きを読む]