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2017/12/26

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  • 白井信雄の経歴

    氏名白井信雄略歴1961年生まれ。静岡県浜松市三ヶ日町育ち。1986年大阪大学大学院前期課程環境工学専攻修了。同大学にて博士(工学)。民間シンクタンク勤務、法政大学教授(サステイナビリティ研究所)、山陽学園大学教授(地域マネジメント学部地域マネジメント学科)を経て、2022年4月より武蔵野大学に着任。現在、同大学のサステナビリティ学科/環境システム学科の教授。シンクタンク時代の環境省、国土交通省、林野庁等の委託調査の経験を活かし、環境・サステナビリティ分野での実践を具体的に支援する研究・教育活動を展開中。専門分野は、サステナビリティ学、環境政策論、持続可能な地域づくりの実践論。気候変動適応策、ゼロカーボン社会、気候変動政策を担う人と組織、再生可能エネルギーと地域づくり、ローカルSDGs、社会転換(トランジ...白井信雄の経歴

  • 新刊「持続可能な発展に向けた地域からのトランジション」

    白井信雄・栗島英明「持続可能な発展に向けた地域からのトランジション~私たちは変わるのか・変えられるのか」環境新聞社が、2023年9月に発刊となりました。編著者としての紹介と本の目次を示します。転換(トランジション)とは根本にある構造やメンタルモデル(考え方の前提や価値観)を変えることである。変容や変化、改善、修正等とは異なる意味だと強調したい。行動変容を進める環境施策も活発であるが、ごみの分別の徹底や空調の設定温度の変更を転換とは言わない。例えば、転換すべき構造とは化石資源に依存するエネルギー構造であり、工業が主導してきた産業構造やグローバリゼーションである。東京一極集中の国土構造や自動車利用を前提とした都市構造も諸問題の根本にある。市場を通じた交換に依存し、自立や共生の歓びが希薄な生き方もまた、転換すべ...新刊「持続可能な発展に向けた地域からのトランジション」

  • 講演及び研修講師・コーディネイター・パネリストの実績(白井信雄)

    森のイノベーションラボFUJINO主催「持続可能な地域づくりに何が必要か~SDGsと地域活性化、気候変動の地元学を通じて」、12月2日(土)15:00-17:00、森のイノベーションラボFUJINO(相模原市)気候ネットワーク「第9回東アジア気候フォーラム」にて講演「日本における気候変動適応策への取組状況、水災害分野の状況と課題」、2023年11月3日(金)13:10~14:10、日比谷図書文化館(千代田区)+オンライン環境省東北地方環境事務所・秋田県「地域脱炭素スキルアップ研修会vol.2第1部気候変動適応ワークショップ」にて話題提供「気候変動適応を通じた地域づくり~多目的、多機能、多主体、多地域、多部署」2023年11月9日(木)10:30~14:00、秋田県庁(秋田県秋田市)社会福祉法人奉優会の集合...講演及び研修講師・コーディネイター・パネリストの実績(白井信雄)

  • SDGsと地域活性化:連載記事のリンク

    講談社のSDGsに関するサイトで、「SDGsと地域活性化」をテーマにした連載を15回、行いました。SDGsに貢献する地域密着の家づくり(公開日:2021年04月09日)多岐にわたってSDGsに貢献する「家づくり」家づくりを通したカーボンゼロ社会への貢献家づくりにおける気候変動への適応「家と暮らしのシステム」によるSDGsの実現と地域の工務店「SDGs商店街」を持続可能な地域づくりの拠点に(公開日:2021年05月11日)SDGsから見出す、商店街の役割と活路とは商店街が目指すべきSDGsのゴール消費者と生産者を結びつける「地産地消」で、SDGsに貢献する商店街の持つ「場所性」「場所愛」に注目すべき理由SDGsに上手に取り組んだ、北九州の「魚町銀天街」誰も取り残されない商店街を目指す「ありがとうファーム」「...SDGsと地域活性化:連載記事のリンク

  • 【公開講座】「サステナブルな地域の理想と現実」のご案内

    武蔵野大学生涯学習講座にて、「サステナブルな地域の理想と現実」というテーマで講演を行います。場所:WEB講座日時:2023年7月26日~2023年10月24日概要:サステナブルな社会の実現に向けて、地域におけるモデル計画づくりやモデル事業が進められてきました。それらのモデルのこれまでとこれからについて、①と②の2回にわけて、お話します。①は、環境保全型都市の計画・構想としてのエコトピア、環境問題だけでなく、経済・社会の問題の同時解決を目指すSDGs未来都市を中心にした内容です。これまでのエコビレッジやトランジションタウンの運動における社会変革性、エコトピアにおける環境研究としての統合性、SDGs未来都市における行政施策としてのバランス配慮など、それぞれに特徴があるわけですが、これらのさらに融合させた地域が...【公開講座】「サステナブルな地域の理想と現実」のご案内

  • 持続可能な地域づくりに向けた統合転換を担う人と組織 ~気候変動の緩和と適応、SDGsの推進を中心として

    2022年度に、武蔵野大学しあわせ研究所の研究予算を使い、地域におけるゼロカーボンや気候変動適応、SDGsへの取組を進めるための統合転換を担う人と組織に関する研究を行いました。その概要をここに報告しておきます。1.研究の背景気候変動による非常事態が露わになるなか、ゼロカーボンに向けた緩和策(温室効果ガスの排出削減)の加速化と、緩和策の最大限の実施でも避けられない気候変動の影響に対する適応策の推進が最優先の取組課題となっている。地域においては、国の政策に追随するだけでは政策の受容性と効果を高めることができず、地域特性に応じた地域主導の気候変動への緩和策と適応策の推進が必要となっている。また、地域においては、人口縮小、高齢化、地域産業の衰退等の社会経済的な面での地域課題が深刻であり、これらのローカルSDGsに...持続可能な地域づくりに向けた統合転換を担う人と組織~気候変動の緩和と適応、SDGsの推進を中心として

  • 政策と連動する気候変動教育の実践と評価:「気候変動のおかやま学」実践塾のケース

    武蔵野大学環境研究所の紀要に下記の原稿が掲載されました。「政策と連動する気候変動教育の実践と評価:「気候変動のおかやま学」実践塾のケース」次のような内容です。(1)本研究の目的筆者が首謀し、2021年度に岡山市の事業として実施した「気候変動のおかやま学」実践塾(以下、おかやま実践塾)について、気候変動教育のあるべき要件を満たすどうかを評価し、今後の改良点などを検討することを目的とする。おかやま実践塾の目的や実施内容は日本環境教育学会「気候変動教育」研究会が提示した気候変動教育のあるべき5要件に対応して設計したものと考えているが、プログラムの内容や目的の達成度等において、まだまだ改良すべき点がある。新しい試みを評価することで、今後の取組みへの具体的な示唆を得ることができる。(2)評価対象となる「気候変動のお...政策と連動する気候変動教育の実践と評価:「気候変動のおかやま学」実践塾のケース

  • 気候変動教育の必要性と課題

    1.気候変動対策の動きと気候変動教育の必要性2015年の第21回動枠組条約締約国会議(COP21)では2020年以降の温室効果ガスの排出削減を話し合い、これを契機に、ゼロカーボンの実現時期を前倒しとし、短期的な対策を強める動きとなってきた。日本では、2019年6月、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」を策定し、菅総理大臣(当時)は2020年10月の所信表明演説において、「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル(=ゼロカーボン)、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言した。「2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロ」を表明する国内地方自治体も増え続け、表明自治体の数は766(42都道府県を含む)、表明自治体の総人口は約1億1,853万...気候変動教育の必要性と課題

  • 気候変動教育の必要性と課題

    1.気候変動対策の動きと気候変動教育の必要性2015年の第21回動枠組条約締約国会議(COP21)では2020年以降の温室効果ガスの排出削減を話し合い、これを契機に、ゼロカーボンの実現時期を前倒しとし、短期的な対策を強める動きとなってきた。日本では、2019年6月、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」を策定し、菅総理大臣(当時)は2020年10月の所信表明演説において、「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル(=ゼロカーボン)、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言した。「2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロ」を表明する国内地方自治体も増え続け、表明自治体の数は766(42都道府県を含む)、表明自治体の総人口は約1億1,853万...気候変動教育の必要性と課題

  • 研究の全体像

    手がけている研究の全体像をグラレコ作家さんにイラストにしてもらいました。研究の全体像

  • パンデミックと地域づくり

    環境新聞で5月より、連載「リスク社会と地域づくり」の2回目より転載(図は変更)近年のパンデミックパンデミックとは、地理的に広い範囲の感染流行、あるいは非常に多くの数の感染者や患者を発生する流行を意味する。2020年から私たちを苦しめてきた新型コロナによる累積死亡者数は600万人超。2000年以降に限ってみれば、SARS、MERS、エボラ、デング熱といったパンデミックが起こっているが、死亡者数はデング熱で4万人弱、エボラが約1万人、SARSとMERSは1千人弱である。14世紀のペスト、20世紀初頭のスペインかぜ、20世紀後半以降のエイズなどは世界で1千万人を超える死者がいたと推測されている。しかし、当時に比べて、医療の進歩が著しいことを考えると、新型コロナ感染症の拡大はやはり近代・現代の大災害である。死に至...パンデミックと地域づくり

  • 講談社のサイトで「SDGsと地域活性化」を連載

    講談社のサイトで「SDGsと地域活性化」をテーマにした連載をしています。2022年7月時点の掲載原稿は下記です。SDGsに貢献する地域密着の家づくり|SDGsと地域活性化【第1回】「SDGs商店街」を持続可能な地域づくりの拠点に|SDGsと地域活性化【第2回】「地域公共交通」は持続可能な地域づくりのための重要な資源|SDGsと地域活性化【第3回】再生可能エネルギーによるローカルSDGsの実現|SDGsと地域活性化【第4回】気候変動への適応を通じた地域づくり|SDGsと地域活性化【第5回】SDGs未来都市と地域循環共生圏を考える|SDGsと地域活性化【第6回】コンパクトシティ:持続可能な都市の構造とは|SDGsと地域活性化【第2部第1回】地方回帰と分散型国土で実現する、国土構造の変革|SDGsと地域活性化【...講談社のサイトで「SDGsと地域活性化」を連載

  • 環境新聞連載「リスク社会と地域づくり」連載を始めるに当たり

    環境新聞で5月より、連載「リスク社会と地域づくり」の1回目大地震、豪雨・台風、パンデミック日本は地震大国と言われる。阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)ではともに最大震度7を観測した。新潟中越地震(2004年)、能登半島地震(2007年)、熊本地震(2016年)等も地域に甚大な被害をもたらした。豪雨や台風による水・土砂災害も頻繁にある。近年でいえば、台風第12号(2011年)、九州北部豪雨(2012年、2017年)、西日本豪雨(2018年)、台風19号(2019年)、7月豪雨(2020年)の被害は記憶に鮮明である。そして、2019年から現在に至る新型コロナ災害。地震や豪雨等の災害は突発的局所的に甚大なダメージをもたらすのに対し、新型コロナは長期にわたり、じわじわと世界中を苦しめてきた...環境新聞連載「リスク社会と地域づくり」連載を始めるに当たり

  • 気候変動に対する緩和策と適応策、両立策と

    気候変動に対する緩和策と適応策気候変動対策には、緩和策と適応策という2つの対策がある。緩和策とは、大気中の温室効果ガスの濃度上昇を抑制し、安定化させるための対策である。石油資源の消費抑制のための省エネルギー、再生可能エネルギーの導入、森林整備による二酸化炭素吸収等が緩和策である。緩和策の到達目標がカーボンゼロであり、地球上の温度上昇をどの範囲まで許容するかによって、これからの排出枠(カーボンバジェット)やカーボンゼロの実現の時期と経路が異なるものとなる。緩和策を最大限に実施しても避けられない影響に対する対策が適応策である。既に、豪雨等の気象災害に対する防災、熱中症対策、農産物の高温障害対策等という従来の対策があるが、気候変動の進行に対して、これらを強化したり、追加したり、将来に予測される影響に対して準備をするこ...気候変動に対する緩和策と適応策、両立策と

  • 報告:岡山から東京へ、岡山での仕事のまとめ

    2022年4月より、次の所属になりました。武蔵野大学工学部環境システム学科教授引き続き、持続可能な地域づくり・環境政策・環境学の研究室をやっていきます。また、同学科は2023年度からサステナビリティ学科になります。サステナビリティに関する教育・研究、仕事の確立と普及に貢献していきたいと思います。新たな展開での計画は別途、記すとします。ここでは、山陽学園大学地域マネジメント学部地域マネジメント学科教授として務めた、岡山での4年間の仕事をまとめておきます。論文や原稿、講演等は下記です。論文の本数は法政大学時代より減りましたが、約60回数の講演(うち20回が岡山県内)をさせていただいたことに感謝します。アクションの成果はこれからで道半ばでしたが、岡山で仕事ができてよかった、できることをしたと言えると思っています。でき...報告:岡山から東京へ、岡山での仕事のまとめ

  • 地域大学と持続可能な地域づくり

    2019年9月から2021年3月まで、環境新聞で「地域の研究・教育機関と持続可能な地域づくり」というリレー連載をさせていただきました。その企画・監修者としてのまとめの記事を共有します。山陽学園大学地域マネジメント学部地域マネジメントが2018年4月に開設され、そこに着任して、地域の大学で何ができるのかを実践しながら、考えていこうと取り組んできました。そして、4年がたち、完成年度となりました。大学での教育や研究を通じて、持続可能な地域づくりのリフレーミングとトランジションをどこまでできるかにチャレンジをしてきたつもりですが、短期間でできることでもないですね。地域大学と持続可能な地域づくり

  • メディア出演・非常勤講師・審議会委員等の実績

    メディア出演テレビせとうち「プライドせとうち経済の力」出演(専門家コメント):「太陽光発電固定価格買取の10年」について、2019年10月19日RSKラジオ「あもーれ!マッタリーノ」月曜日のコーナー「エコdeあもーれ」出演:西日本豪雨と気候変動(地球温暖化)について、2018年10月30日NHK7時のニュース:適応国家計画についてコメント、2015年10月23日NHKラジオ第一「私も一言!夕方ニュース」夕方特集「IPPC総会あす横浜で開会~温暖化への"適応策"とは?」、2014年3月24日NHKニュース深読み「人類は"適応"できるのか?進む地球温暖化」出演、2013年9月28日非常勤講師・研修講師法政大学社会学部兼任講師(エネルギー自治実践論)、2016年・2017年法政大学社会学部兼任講師(環境政策論、環境自...研修講師・審議会委員等

  • 近年の大災害と人・社会の転換~コロナ後の未来を予測し、提案する

    2021年度山陽学園大学・山陽学園短期大学公開講座「『コロナ後の社会を考える』~歴史から考えるコロナ後&近年の事象から考えるコロナ後~」の第2回が11月27日(土)に開催されました。2回目は、環境政策・持続可能な地域づくりを専門とする地域マネジメント学科の私(白井信雄)による講座でした。「近年の大災害と人・社会の転換~コロナ後の未来を予測し、提案する」と題し、私たちをとりまく多様なリスクの中から、東日本大震災と福島原発事故、西日本豪雨、そしてこの新型コロナ禍という大災害をとりあげ、いずれであっても私たちの社会経済システムの欠陥が被害を甚大なものとしていると指摘しました。新型コロナ禍については、①近年のパンデミックの多くが動物由来感染であり、人類と自然との関係のバランスの取り方が人類のパンデミックリスクを高めてい...近年の大災害と人・社会の転換~コロナ後の未来を予測し、提案する

  • 対話をテーマにした新聞コラム

    対話をテーマにしたミニ原稿を、山陽新聞の「一日一題」というコラムで連載させていただきました(2021年4月・5月に週1回)。論文・寄稿の紹介論文・寄稿の紹介-山陽新聞の一日一題というコーナーで、2021年4月・5月と8回、連載をしました。白井信雄研究室対話をテーマにした新聞コラム

  • カーボンニュートラルと地域ビジネス

    カーボンニュートラル(ゼロカーボン)は2050年までに実現するという大きな目標ですが、そのためには2030年に二酸化炭素等の温室効果ガスの排出を半分近くに減らすことになります。カーボンニュートラルは長期のあるべき目標ではなく、2020年代に今から取組むアクションになっています。このため、国や地方自治体、民間金融機関による経済的支援が活発になり、再生可能エネルギーや省エネルギー、電気自動車等に関わるビジネスは市場の追い風を受けます。この意味で、カーボンニュートラルを目指す今日の状況は、間違いなく、事業拡大や新規参入の大きなチャンスです。グリーンリカバリー(緑の復興)という政策があります。これは、新型コロナが災害ともいうべき状況になり、地域経済が大きなダメージを受けている今日、アフターコロナの復興策として示されてい...カーボンニュートラルと地域ビジネス

  • 「気候変動のおかやま学」実践塾

    多くの主体がカーボンゼロ社会(及び気候変動適応社会)を学び、考え、動きだすような大きな仕組みづくりが必要です。この大きな仕組みの一部として、また中核となるように、岡山市内の企業・市民活動・行政における各分野において、カーボンゼロ社会(及び気候変動適応社会)を担うフロントランナーの人材育成を行なうことを目的とした実践塾を始めます。実践塾参加者にとっては、異なる立場の参加者とともに将来ビジョンを考える機会を得ることができ、また講師及び参加者の人脈形成、塾終了後のプロジェクト実現に向けたフォローアップ等を期待することができます。昨年度、自主的にやっていたカーボンゼロ社会研究会でこうした実践塾を含めた気候変動への大作戦の提案をしてきた経緯から、講師及び受付窓口もさせていただきます。講師は私の他にも数人が務めます。岡山市...「気候変動のおかやま学」実践塾

  • 「気候変動の地元学」のススメ

    1.「気候変動の地元学」とは2013年から、「気候変動の地元学」を全国各地に提案し、実践をしてきた。「気候変動の地元学」とは、「地域住民等が、地域における気候変動の影響事例調べを行い、それらを共有し、影響に対する具体的な適応策を話し合うことで、気候変動問題を地域の課題あるいは自分の課題として捉え、適応策への行動意図と能力(具体的な備えや知識)の形成を図り、適切な適応策の実施につなげる環境学習及び普及啓発、計画策定の手法」である。ただし、「気候変動の地元学」を型にはめるつもりはなく、地域毎にカスタマイズをしている。影響事例調べを行なわずに、適応策への自助・互助を検討する場合もある。適応策の検討とあわせて、カーボンゼロを目指す緩和策のワークショップを行なう場合もある。「地元学」は仙台の結城登美雄さん、水俣の吉本哲郎...「気候変動の地元学」のススメ

  • カーボンゼロ社会に本気になれない理由

    気候変動(地球温暖化)の非常事態、カーボンゼロ社会を目指すというが、市民はそれほど本気になっていない。その前提となる理由(原因ではなく)は何か。市民はどのような考え方でいるのだろうか。例えば、次の前提があると考えられる。こうした前提は正しいのか、変えられるのか、変える必要があるのか、どうしたら変わるのか。自分の考えにもっとも当てはまるものを選び、相互批判をしあう対話は効果があるだろうか。その理由を列挙してみます。みなさんのコメントをもとに追加しています。分類や集約はしていません。1.非常事態というが、私のまわりではそれほど深刻な影響は生じていない2.将来もっと深刻になるというが、不確実な予測であり、絶対にそうなるわけではない3.途上国の人々や弱者に影響が深刻だというが、そうした人たちのことをよく知らないし、自分...カーボンゼロ社会に本気になれない理由

  • 「地域における持続可能なカーボンゼロ社会の選択」についての提案をまとめました。

    「地域の主体による持続可能なカーボンゼロ社会の選択に向けた研究会」(主宰:白井信雄山陽学園大学地域マネジメント学部教授)では、2020年度に岡山県岡山市をケースとして、次の検討を行ないました。1.省エネルギー技術と再生可能エネルギーの導入といった「技術対策」によってカーボンゼロを実現する可能性の試算2.価値観や生活様式、社会や地域の構造の転換といった「根本対策」も含めて、市民がカーボンゼロ社会を考える際の論点の整理3.地域の市民や事業者がカーボンゼロ社会の姿(ビジョン)を考える場、そしてカーボンゼロ社会先駆者(フロントランナー)がプロジェクトの立ち上げに動き出すような仕組みの検討このたび、この検討の結果を報告書にまとめ、各地での検討に役立つように報告書要旨を公開することにします。岡山市での実践とともに、各地での...「地域における持続可能なカーボンゼロ社会の選択」についての提案をまとめました。

  • 持続可能な発展への転換を進めるための「哲学的な対話」

    環境政策を進めるうえで(あるいは持続可能な発展への転換を進めるために)、「哲学的な対話」を広げる時代になっていると思う。例えば、次のような問いがあったとしたら、どう答えるだろうか。1.気候変動(地球温暖化)への対策としては、経済成長のあり方を見直すことも必要になる。そもそも経済成長はなぜ必要なことなのか。2.地球の歴史では多くの生物種が絶滅をしてきた。絶滅のおそれのある生物を、なぜ絶滅から守る必要があるのか。3.里山は人が手をかけることでできた自然。里山は、人の関わり次第で姿を変えきたのが里山していく自然。こうでなければいけないというものではない。里山はどのような姿であるべきか。4.SDGsでは、「誰も取り残さない」という考え方で目標をつくっている。では、「誰を取り残されない」とは、誰を取り残さないことなのか。...持続可能な発展への転換を進めるための「哲学的な対話」

  • 気候変動適応策に検討に資する社会科学的アプローチ

    気候変動(地球温暖化)が進行する中、温室効果ガスの排出削減を図る緩和策の最大限の実施ととともに、適応策の検討が活発化してきた。国内においては、環境省の「第四次環境基本計画」(2012年)に適応策が記述され、2015年11月には「気候変動の影響への適応計画」が閣議決定、2018年12日には「気候変動適応法」が施行され、地方公共団体における地域の気候変動適応計画の策定が進められてきた。地域の適応策は、気候変動の地域への影響を評価し、適応策に相当する既存施策(潜在的適応策)と対照させたうえで、新たに実施すべき施策(追加的適応策)を立案するという手順で検討される。この適応策の検討においては、気候変動の地域への影響評価と将来予測において、自然科学の成果である専門知を起点とする。気候変動緩和策、廃棄物処理計画、大気汚染の防...気候変動適応策に検討に資する社会科学的アプローチ

  • カーボンゼロ社会に向けた多様な対話について

    はじめに気候変動(地球温暖化)の問題は、不特定多数を発生源とする問題であるため、不特定多数の意識・行動変容を促す普及啓発手法が重要である。このため、社会心理学や行動経済学に基づく普及啓発施策が実践され、気候変動の問題への関心づけや100人の最初の1歩を促す段階において、の成果を得てきた。例えば、2010年にマイナス6%削減を目指した国民運動では、クールビズの普及に成功した。その後も、クールシェアの啓発やナッジの手法導入が進められてきた。その段階を経て、今日では、気候変動の非常事態が目に見える状況となり、2050年のカーボンゼロを目指して、温室効果ガスの排出削減につながる取組みを加速させ、大胆な変革を伴う対策をとるべき段階になっている。これまでのように技術的対策の普及を促す企業と行政の取組みにまかせ、市民は出来る...カーボンゼロ社会に向けた多様な対話について

  • 新型コロナと気候変動のリスクを考える

    2020年後期の吉備創世カレッジで、「リスク社会を生きる~新型コロナ、異常気象(気候変動)」と題した講演をさせていただいた。内容を報告しておく。1.リスクとは何か・リスクとは、危険性、すなわち将来、何か悪い事が起こる可能性のこと。リスクを評価する場合、不確実性×影響の度合いで評価する。・リスクを発生構造を考えると、リスクは危険源(ハザード)、暴露、脆弱性によって規定される。脆弱性に関する概念としては、感受性(ecposure)、吸収力(capacityofabsorb)、対応力(capacitytorespond)、適応力(adaptability)、変革力(transfomability)等がある。・リスクを次のように構造として捉えることが大切である。①リスクとは、2つの要因(危険源(ハザード)の側の要因と危...新型コロナと気候変動のリスクを考える

  • 【ご案内】「持続可能な社会のための環境論・環境政策論」の出版

    拙著「持続可能な社会のための環境論・環境政策論」が2020年9月30日に発刊となります。この本のはしがきの一部を以下に転載する。本書は、出版社である大学教育出版のサイトはもとより、オンラインで購入できます。*************本書は、環境問題や環境政策(解決方法)を学ぼうとする大学生と社会人(企業人)、そして行政で環境政策を担当する人に向けた教科書として作成している。環境問題や環境政策は一般教養として学ぶべきテーマであり、また工夫と熱意が求められる行政分野である。環境問題や環境政策に関心がない人には、本書を入門編として関心を高めてもらえるように、既に関心がある人は環境問題や環境政策の奥深さを知り、さらに思考を深めてもらえるように、本書を作成している。また、本書は環境政策の現場にも役立つことを意図しており、...【ご案内】「持続可能な社会のための環境論・環境政策論」の出版

  • SDGsを活かす地域づくりの10原則

    地域活性学会SDGsを活かす持続可能な地域づくり研究部会2020年9月9日(1)地域ぐるみで、大胆な転換を目指す原則1大胆な転換を実現する道具としてSDGsを活用する・人口減少と高齢化、気候変動による異常気象の頻繁化、新型コロナによる経済不況など、持続可能な発展を損なう諸問題が深刻になる非常事態において、諸問題の根幹を見直す社会転換が必要な状況である。・この状況において、変わる・変える道具として、SDGsを使うことが必要である。SDGsを使い、これまでの社会の構造や方法の大胆な転換を目指し、足下からのイノベーションを起こしていく。・SDGsを使うことで、どのような地域社会を目指すのか、それを実現するために、これまでの地域づくりのどこを変えるのかを明確にする。・SDGsウオッシュとならないように常に内省をしながら...SDGsを活かす地域づくりの10原則

  • 「気候変動の地元学」で重視したいこと

    「気候変動の地元学」は、市民参加型の気候変動の影響調べにおいて、市民学習をさらに促せないか、また学習した市民を主役として気候変動適応策の検討ができないだろうかという観点で、考案し、試行してきたボトムアップによる気候変動適応策の検討手法である。1.「気候変動の地元学」とは各地域において、適応策を計画に記述する動きが活発化しているものの、その多くは適応策に相当する関連施策を関連部局から集め、それらを列挙するスタイルとなっています。「行政内での適応策の位置づけと基本方針の作成という段階にあり、将来影響予測情報を用いた検討や取組み方針の具体的検討には至っていない場合が多い」(白井(2016))という状況は、十分に改善されていない。こうした原因の一つとして、適応策の検討がトップダウン・アプローチを中心としており、ボトムア...「気候変動の地元学」で重視したいこと

  • 持続可能な発展の規範を満たす脱炭素社会

    地球温暖化対策計画(2016)において「環境・経済・社会の統合的発展」、さらに長期低炭素ビジョン(2017)においては「環境と経済社会の同時解決」という方針が強調された。脱炭素に向けた取組は、人口減少・低成長時代における社会経済問題を解決するチャンスとだと位置づけられている。こうした統合的発展や同時解決という点を加味した脱炭素社会の方向性を表に示す。表では、筆者が持続可能の規範として整理している4つの側面(社会・経済の活力、環境・資源への配慮、公正への配慮、リスクへの備え)に対応させて、赤字の部分の脱炭素を実現しつつ、他の規範を満たすように配慮するという考え方で、脱炭素社会の方向性を整理している。ただし、この方向性においても、価値規範等が異なれば、目標とする具体的な社会像が一するとは限らない。従来の社会経済構造...持続可能な発展の規範を満たす脱炭素社会

  • 3蜜から3脱へ

    ウイズコロナと環境問題新型コロナに対する非常事態の中、在宅での自粛、不要不急の外出と移動制限が求められてきた。その結果として生じた行動変容により、環境に対してプラスとマイナスの両面の影響が生じている。プラス面としては、産業活動の停滞や移動量の減少、収入不安による節約や外出自粛による消費抑制、自給や手づくりの活発化等による非意図的な結果である環境負荷の減少がある。マイナス面としては、巣ごもり生活による民生家庭部門、あるいはデリバリーへの依存による運輸部門での環境負荷の増加、配達物の包装・梱包や農業や飲食業での食品ロス等による廃棄物の増加がある。ウイズコロナの状況においては、マイナス面の環境影響を改善する工夫が求められる。一方、アフターコロナに向けては、経済復興に伴う環境負荷の増加(リバウンド)が懸念される。ウイズ...3蜜から3脱へ

  • アフターコロナ社会の選択肢

    アフターコロナ社会に関する原稿を依頼され、考えています。次のようなメッセージを書いていきたいと思います(図参照)。【アフターコロナ社会の3つの選択肢】アフターコロナに向けた対策を検討するうえで、アフターコロナではどのような社会を目指すのかという議論が必要である。当然であるが、短期的に経済復興を重視するとしても、気候変動対策やグローバル経済への依存、国土構造の歪みの問題解消に手をつけなければ、その先にある社会は中長期的にみて持続可能な社会とはいえない。アフターコロナ社会として考えられる3つの選択肢を図に整理した。特に、選択Cの「サステイナブル・トランジション」を国の政策や地域での取組みに位置づけ、パンデミックや気候変動の問題の根本解決につながるような社会への動きを加速させる必要がある。アフターコロナ社会の選択肢

  • 環境問題を解決する力、持続可能な社会を築く力

    (1)持続可能な社会のためのリテラシー環境問題を解決し、持続可能な社会を実現するためには、一人ひとりが知識や姿勢を改善するだけでは不十分である。環境問題は複雑であり、問題の全体像を捉え、深く考えて、取組みを選択し、実行していくことが必要となる。このため、一人ひとりが「環境問題を解決し、持続可能な社会を築いていくためのリテラシー」を高めなければならない。リテラシーとは、目的に対して必要とされる知識、姿勢、能力、行動のことである1)。必要とされる知識は、環境問題の状況や構造、対策、行動に関する幅広いものであり、生態学、生物学、化学、気象学、工学、経済学、社会学、政治学、心理学、哲学、倫理学等の多様な学問にまたがる横断的な知識である。必要とされる姿勢とは、問題の重さや関係者の気持ちを受けとめる感性、問題への関心、加害...環境問題を解決する力、持続可能な社会を築く力

  • 何のために環境問題・環境政策を学ぶのか

    環境問題や環境政策をなぜ学ばなければいけないのだろうか。学ぶ必要性を感じていないと、学びは受動的になってしまう。学びにとっては、面白い、ワクワクするという知的好奇心が大事である。しかし、環境問題という人の生命や基本的人権の侵害に関わるような問題を学ぶにあたっては、それだけを学ぶ動機とするわけにはいかない。環境問題や環境政策を学ぶ必要性(理由)として、9つの側面を図に示し、以下に説明する。あなたはどの必要性(理由)を感じるだろうか。学びとは考え方(枠組み)の変化である。本書を通じた学びにより、あなたが9つの側面を理解し、あなた自身の考え方(枠組み)が変化すれば、あなたの学習がなされたことになる。【環境問題や環境政策を学ぶ9つの必要性(理由)】今の社会や自分や家族の暮らしを維持し、守っていくことが必要であり、そのた...何のために環境問題・環境政策を学ぶのか

  • 環境問題におけるジレンマ

    (1)環境問題におけるジレンマとは何か1)囚人のジレンマ私(たち)は利己的な行動をとるが、利己的な行動が自分に不利益をもたらす場合がある。環境問題は、まさに利己的である私(たち)が、自分の利己的な行動(加害)により、自分自身に被害を受けるという不合理な結果である。こうした不合理はなぜ生じるのだろうか。利己的である私(たち)が不利益な結果を得る仕組みは、「囚人のジレンマ」というゲーム理論によって説明される。1950年に数学者のアルバート・タッカーが考案した理論である。・ある犯罪で使った2人の囚人が別々に尋問を受け、自白を求められている場合、2人の自白の仕方で刑罰の重さが異なる。例えば、2人とも黙秘すれば2人とも懲役2年、いずれかが自白し、いずれかが黙秘であれば、自白した者は釈放、黙秘は懲役10年、2人とも自白すれ...環境問題におけるジレンマ

  • 環境基本計画を象徴する用語:転換、イノベーション、統合、同時解決

    これまでの環境基本計画における用語の出現頻度を調べてみした。1994年に最初の環境基本計画が策定され、以後、第二次(2000年)、第三次(2006年)、第四次(2012年)、第五次(2018年)と計画が策定されてきた。この5つの計画におけるキーとなる用語の出現頻度から次のことがいえる。・「大量生産、大量消費、大量廃棄」が問題だという記述は、第一次で9か所、第二次で12か所であるが、第三次以降は5→3→1と記述箇所数が減少している。・「転換」という用語の記載箇所数は、計画順に3→42→23→12→26である。第二次計画の傾向を象徴している。・「イノベーション」という用語の記載箇所数は、計画順に0→0→3→45→28である。第四次計画の傾向を象徴している。・「統合」という用語の記載箇所数は、計画順に4→20→29→...環境基本計画を象徴する用語:転換、イノベーション、統合、同時解決

  • 普及・波及・転換のプロセス

    (1)「転換」に至る2つの方法持続可能な社会を目指す環境政策は、環境問題の根本にある社会経済システムの「転換」を目指す。このため、個別問題への対症療法に留まる従来の環境政策だけではなく、「統合的環境政策」や「構造的環境政策」といった拡張された環境政策を進めることが必要である(第7章、第11章)。拡張された環境政策は、経済・社会へのプラス作用を促す環境政策、コンパクトな都市づくり、分散型国土の形成、地産地消やサービサイジングを進める政策であり、「転換」の要素を個別に実現する政策である。拡張された環境政策による「転換」へのアプローチは、「転換」後の姿を設定して、積み木を積み上げる。このアプローチは、目的と手段が明確という意味で線形的であり、要素を積み上げ全体をつくるという意味で要素還元主義的である。しかし、「転換」...普及・波及・転換のプロセス

  • 気候変動適応策のフレーミングとコデザイン

    環境新聞「地域の教育・研究機関と持続可能な地域づくり」第18回目より転載気候変動適応研究における市田柿との出会い気候変動の悪影響が顕在化する中で、緩和策(温室効果ガスの排出削減)では避けられない気候変動の影響に対する適応策の検討が進められている。これまで適応策の検討は、気候変動の地域への影響の将来予測という“専門知”を起点とするトップダウン・アプローチが中心である。しかし、専門的な将来予測データを地域に渡しさえすれば、地域の能動的なアクションを立ち上がるものではない。そこで必要となるのがボトムアップ・アプローチである。これは気候変動の地域への影響や適応策に対する地域主体(住民や生産者等)の持つ“現場知”を掘り起こして共有し、地域主体の学習と能動的な取組みを促す方法である。法政大学地域研究センターに所属していた筆...気候変動適応策のフレーミングとコデザイン

  • PDCAの欠点

    行政における計画策定と進行管理の方法として、PDCA(plan-do-check-act)サイクルが普及している。この方法は、企業等における生産管理の国際規格としても採用されており、改善を継続的に運用していく方法として有効である。しかし、PDCAには次のような欠点がある。計画段階では、これまで実施されてきた取組みの改善が重視される前例主義となり、新たな対策は正統性を強く主張しないと採用されにくい。決められた時期に見直しを行なうことがあらかじめ決められてしまうため、既に形骸化した対策の改善、新たな対策の追加が遅れる。つまり、変化への迅速かつ柔軟な対応が遅れ、後手後手や手遅れになる可能性がある。組織内の担当部署毎に、守備範囲の対策の実行と自己評価、見直しを行なうという方法がとられがちであり、分野横断に担当部署毎に連...PDCAの欠点

  • 構造的環境政策(脱物質化、サービサイジング)

    (1)モノを生産・消費しない経済(脱物質経済)とはモノの生産・消費を抑制しつつ、経済を発展させる脱物質経済は、循環型社会、脱炭素社会、自然共生社会を根本的に実現する手段となる。脱物資経済には2つの方向性がある(図11.5)。1つの方向は、付加価値が高く、かつ長く使えるモノを生産し、モノを長く使う経済(高付加価値・長寿命化による脱物質経済)である。モノを長く使う経済のメニューは、誰がモノを所有するかという観点から分類することできる。例えば、①製造者によるメンテナンスや修理事業者によるリペア・リフォーム等のように同じ所有者が長く使い続ける場合、②リユースびんの回収・再充填、中古製品の売買等のように所有者を変えながらモノが長く使われる場合、③カーシェアリング等のように、複数の利用者が共同利用を行なう場合がある。2つめ...構造的環境政策(脱物質化、サービサイジング)

  • 環境と社会をつなげる環境政策

    環境と社会の統合的発展は、「環境から社会へのプラス作用」と「社会から環境へのプラス作用」の双方向の効果を高めていく発展である。「環境から社会へのプラス作用」を考える際、社会面の捉え方が曖昧になりがちである。まずは、社会面とは何かを明確にする必要がある。社会面の範囲を設定するうえで、SDGsを参考にすることもよい。貧困、飢餓、健康と福祉、教育、ジェンダー、平等、平和と公正、パートナーシィップが社会面に該当する。また、持続可能な発展の規範に基づき、社会面を設定することができる。社会面には、「社会・経済の活力」のうちの経済面によらない部分と「公正への配慮」といった2つの側面がある。「リスクへの備え」もまた、経済面とは異なるため、社会面と位置づけることができる。ここで、筆者は、持続可能な発展の規範を、「社会・経済の活力...環境と社会をつなげる環境政策

  • 環境と経済をつなげる環境政策

    (1)環境と経済の統合的発展の考え方環境と経済の統合的発展とは、「環境から経済へのプラス作用」と「経済から環境へのプラス作用」の双方向の効果を高めていくことである。「環境から経済へのプラス作用」は環境活動や環境保全が経済活動を活発化させる効果であり、表に示すように多様な側面がある。「経済から環境へのプラス作用」は、経済活動が活発化すれば企業は環境対策のための投資や人材配置を行い、行政は税収増により環境政策を活発化させるという側面である。「環境から経済へのプラス作用」について、重要な3点を示す。第1に、経済効果には“フロー”効果と“ストック”効果がある。経済循環効果がフロー効果、資本形成効果あるいはその他の効果がストック効果である。フロー効果とは、環境対策によって生産・雇用・消費といった経済活動が創り出され、短期...環境と経済をつなげる環境政策

  • 2030年「未来都市の暮らし」はこうなる(2012年に書いたこと)

    僕たちの暮らしを紹介します僕は2010年に大学を卒業しました。大泉翼です。現在、42歳。2歳年下の美咲と結婚して15年。11歳になる一人娘ひかりと3人で、大都市郊外の街に暮らしています。僕が住んでいるK市は、20年前に「環境未来都市」の国の指定を受け、市長の強引ともいえるリーダーシィップにより、大きな変化を見せました。環境に配慮するとともに、少子高齢化時代を先取りして、市街地の大改造を行いました。国の特区の指定も受け、厳しい条例をかけるとともに、市民参加によるまちづくりを徹底してきました。環境ビジネスに熱心な沢山の企業が自らの技術をアピールしようと先端技術をK市に提案し、普及実験を重ねてきました。そうした試みの結果、K市は「世界の環境首都」コンテストの常連となり、世界各地から視察団が訪れるようになっています。ま...2030年「未来都市の暮らし」はこうなる(2012年に書いたこと)

  • 2030年と2050年の脱炭素社会の具体像

    温室効果ガスの排出量は、省エネや再エネ導入といった削減努力だけでなく、人口や経済活動の量、産業構造の変化によって規定される。次のように中間項の分解を行なって、各要因の増減を見ることができる。右辺の第1項は炭素密度、第2項はエネルギー原単位である。二酸化炭素排出量=二酸化炭素排出量/エネルギー消費量×エネルギー消費量/国内総生産×国内総生産/人口×人口1.2030年に向けた脱炭素への取組み2030年に向けた対策を示す地球温暖化対策計画(2016)の基本方針では、「環境・経済・社会の統合的発展」を最初に掲げ、地球温暖化対策を経済活性化、雇用創出、地域課題の解決にもつなげることを強調している。また、このために、革新的な技術開発とそれによる世界の地球温暖化対策への貢献を進めることとしている。2030年に向けた二酸化炭素...2030年と2050年の脱炭素社会の具体像

  • 「私たちは気候変動時代をどう生きるか」セミナー&シンポジウム(構想案)

    「私たちは気候変動時代をどう生きるか」セミナー&シンポジウム(構想案)発案者:白井信雄(山陽学園大学地域マネジメント学部教授)1.開催趣旨●異常気象は気候変動と関連する近年、猛暑や豪雨といった異常気象が頻繁となり、甚大な気象災害がどこでも起こり得ることを覚悟しなければいけない状況となっている。異常気象は人類の活動を原因とする気候変動が、自然変動をかさ上げするために起こっている。この因果関係に未解明な部分があるとしても、不確実性を理由に気候変動への対策を先送りしてはならない。気候変動がますます進行し、対策が後手後手となることによって失われる生命の尊さを誰が補償できるだろうか。五輪マラソンの札幌開催も、小手先の対策に限界があるにも関わらず、抜本対策を先送りしてきた結果であり、対策の遅れは対策に必要な費用を高いものと...「私たちは気候変動時代をどう生きるか」セミナー&シンポジウム(構想案)

  • 地域マネジメント草書~岡山の地域づくりに学ぶ

    はじめに求められる地域マネジメントと本書の構成今日、マネジメントは様々な分野で使われる言葉である。経営の分野では、アメリカの経営学者P.F.ドラッカーの生み出した概念とされ、組織に成果をあげさせるための道具・機能・機関と定義されている。ものづくりの分野では、人・設備・材料・方法を投入して、品質・コスト・納期の要求に応えることをマネジメントという。環境マネジメントといえば、組織や事業者が環境に関する方針や目標を自ら設定し、これらの達成に向けて取り組んでいく自主的な取組みである。行政面からいえば、目標と現状のギャップ(問題)を解決することを政策というが、政策を実現する施策や事業を体系的に組みたて、その進行管理を行うことが政策マネジメントだといえる。まとめると、マネジメントとは、課題を解決するために、目標を持ち、それ...地域マネジメント草書~岡山の地域づくりに学ぶ

  • 【参加者募集中】第11回 市民・地域共同発電所全国フォーラム in 岡山

    基調講演と全体会コーディネーターをさせていただきます。第11回市民・地域共同発電所全国フォーラムin岡山~自然エネルギーで地域を豊かに、しなやかに~2019年11月1-3日岡山市内にて開催============================================「市民・地域共同発電所全国フォーラムin岡山」の開催まであと2か月となりました。このフォーラムは関西より西のエリアでは初めての開催です。総勢26名の登壇者の方々の先進的な取り組みや課題解決のための提案など、お聞きできるまたとない機会です。ぜひご参加ください。なお、3日めのエクスカーションは、定員40名の半数が予約済みとなりました。参加ご希望の方はお申し込みをお急ぎください。◯日程:2019年11月1日(金)、2日(土)、3日(日)◯会場:オ...【参加者募集中】第11回市民・地域共同発電所全国フォーラムin岡山

  • 再生可能エネルギーの歴史と新たな局面

    (1)再生可能エネルギーの歴史①産業革命により石炭利用が拡大し、大量生産・大量消費時代が始まったイギリスで始まった産業革命は、エネルギー問題と大きく関連する。湿潤でやせた土地が多いイギリスは、薪炭利用により森林の草原化が進みやすい状況にあった。このため、森林を破壊しない燃料として石炭にいち早く、切り替えていた。しかし、炭坑では人力で水をくみ出す作業が過酷であり、必要を母として、蒸気機関によるポンプが発明された。蒸気機関によって採掘の効率があがり、大量に掘り出された石炭は蒸気機関を動力とする鉄道や船舶によって都市に運ばれ、暖房や機械工業の動力として使われた。工業が生産性を高め、農村部であふれた人々は、資本家が経営する都市部の工場の労働力として吸収された。大量生産による価格低下により、上流階級の文化が庶民に普及し、...再生可能エネルギーの歴史と新たな局面

  • シンポジウム「近年の豪雨と気候変動、今後の適応策」

    2019年8月20日開催したシンポジウムの報告です(環境新聞より転載)西日本豪雨から1年を経て平成30年7月豪雨(西日本豪雨)は、九州から中国、四国、近畿、中部といった広範囲に、深刻な水土砂災害の被害をもたらした。気象庁は、梅雨前線の停滞による異常気象であるが、地球温暖化に伴う水蒸気量の増加が影響していると見解を示した。未だ復興が完了したとは言えず、被災された方々にお見舞いを申し上げたい。1年がたった今、文部科学省「気候変動適応技術社会実装プログラム(SI-CAT)」の一環として、岡山市内でシンポジウムを開催した(2019年8月20日午後、岡山国際交流センター)。西日本豪雨のみならず、九州北部豪雨等の近年の豪雨災害が気候変動と関連すること、さらに今後に気候変動が進行するなかで、従来の防災対策に追加する気候変動へ...シンポジウム「近年の豪雨と気候変動、今後の適応策」

  • 拡張された環境政策(連環的環境政策と根幹的環境政策)

    環境政策の枠組みは拡張されつつある。その理由として、次の3点がある。①不特定多数が加害者となる都市生活型公害や地球環境問題が対象となり、大量生産・大量消費・大量廃棄型の構造が問題視されてきたこと、②エコロジー的近代化の流れにより環境と経済の統合的発展という方向が示されたこと、③持続可能な発展という概念が提示され、環境・経済・社会という3つの側面への配慮が規範となり、環境政策もそれへの対応が求められたこと、拡張された環境政策には、環境問題と社会・経済問題の同時解決(環境と経済・社会の統合的発展)を図る「連環政策(統合発展的環境政策)」と、環境問題と社会・経済問題の根幹にある構造の改善を図る「根幹政策(構造的環境政策)」がある。従来の環境政策に膠着感があり、新機軸を打ち出ししにくい状況にあるなか、連環政策と根幹政策...拡張された環境政策(連環的環境政策と根幹的環境政策)

  • エネルギー自治、その先にある社会

    *「地方自治職員研修」2019年7月号の巻頭「自治、来るべきもの」に掲載された記事です。●これまでになく、動いた2010年代2011年の東日本大震災時の福島原子力発電所の事故以降、固定価格買取制度(FIT)の施行、小売りにより再生可能エネルギー(再エネ)発電の事業採算性が高まった。これにより、太陽光を中心とする大規模な発電所の立地、個人住宅への太陽光発電の設置が活発化するとともに、市民出資による小規模な発電所(市民共同発電)事業が活発化した。滋賀県湖南市、愛知県新城市、長野県飯田市、兵庫県宝塚市、神奈川県小田原市等のように、地域資源としての再エネを地域主導で利用する理念や仕組みを条例で定める地域も現れてきた。2016年4月からは、電力小売の完全自由化が導入され、群馬県中之条町、福岡県みやま市、滋賀県湖南市等は、...エネルギー自治、その先にある社会

  • 再生可能エネルギーとライフスタイル再生

    ●再エネの普及促進は何のため?2010年代、太陽光発電や小水力、風力等の再生可能エネルギー(以下、再エネ)による発電所の設置が進んできました。2017年7月に開始された制度(固定価格買取制度)がその設置を促してきました。同制度は、再生可能エネルギーによる電気を高い価格で買い取り、発電所の採算性を高め、設置を促すものです。買取に使うお金は、私たちの支払う電気料金に上乗せ(再エネ賦課金)されてます。では、私たちは、なぜ再エネの費用を負担するのでしょうか。●行政における位置づけ~気候変動防止、防災、地域経済の活性化国や地方自治体は、気候変動(地球温暖化)防止、防災(非常時の電源)、地域経済の活性化という3つの側面を強調します。再エネは二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーであるため、気候変動防止に役立ち、自宅に設...再生可能エネルギーとライフスタイル再生

  • シンポジウム 近年の豪雨災害と気候変動、今後の適応策

    私は安全だ、災害のおそれがないとはいえない時代になっています。西日本豪雨、九州北部豪雨など、近年になって、大きな被害をもたらす豪雨が増えています。これらの豪雨は、私たちが排出する二酸化炭素等を原因とする気候変動(地球温暖化)により、より極端で、頻繁なものとなっています。このシンポジウムでは、豪雨と気候変動の関連を明らかにして、将来的に備える防災、気候変動に対する適応について、科学者の調査や研究の成果をわかりやすく紹介し、皆さんと一緒に考えます。趣旨説明と調査報告西日本豪雨からの気づきと住民意識(山陽学園大学白井信雄)基調報告西日本豪雨の岡山の被害と要因(岡山大学前野詩朗)問題提起豪雨への気候変動影響(京都大学中北英一)近年の豪雨災害の特徴と緊急的適応策(九州大学小松利光)地域からの気候変動への適応策(法政大学田...シンポジウム近年の豪雨災害と気候変動、今後の適応策

  • 岡山県内の銅山:吉岡銅山の繁栄と煙害・鉱毒

    ●公害の原点:明治時代の鉱毒事件明治時代、富国強兵・殖産工業は、生産設備、兵器等の輸入によって急ぎ進められたが。その対外支払い手段として、生糸とならび銅が海外に輸出された。この世界有数の銅生産国となった日本を支えたのが、四大銅山と言われた足尾鉱山、別子銅山、日立鉱山、小坂鉱山であった。その中で最大規模の採掘を行っていたのが足尾銅山である。足尾銅山は1550年代に発見され、幕領として採掘された。1871年(明治4年)に古川市兵衛が経営権を持ち、新鉱脈を発見し、経営を拡大した。一方、銅精錬の排煙中の硫黄酸化物や重金属類(ヒ素・鉛・カドミウム等)を含む粉塵による大気汚染、銅山排水中の硫酸銅や重金属類・ヒ素・鉛・カドミウムによる水質汚濁が広範囲で生じた。大気汚染では足尾銅山周辺の数万ヘクタールの森林が荒廃し、水質汚濁は...岡山県内の銅山:吉岡銅山の繁栄と煙害・鉱毒

  • 岡山の魚と気候変動(地球温暖化)

    岡山で食べる魚は美味しい。穴子(あなご)、蝦蛄(しゃこ)、飯蛸(いいだこ)、鰆(さわら)、そし飯借(ままかり)という別名で知られる鯯(さっぱ)。どれも岡山の漁港で水揚げされ、岡山らしい食文化に貢献してきた。しかし、瀬戸内での穴子や蝦蛄、飯蛸等の水揚げの減少が著しい。現在の瀬戸内海の水質は改善されているとはいえ、かつての汚染物質が底泥(これを漁師さんは“ヌマ”という)に蓄積しているためという声もある。水がきれいになりすぎて、プランクトンが減り、生態系に影響を与えている可能性もある。加えて、気候変動(地球温暖化)の影響もある。例えば、鰈(かれい)が減っているが、鰈は高温を好まないことも一因であろう。一方、気候変動で増えている魚もある。例えば、鱧(はも)。鱧は水温が高い所を好む。鱧が増えて、その食害が穴子等の減少の原...岡山の魚と気候変動(地球温暖化)

  • SDGsの使い方~3つのステージと必要条件

    持続可能な開発目標(SustainableDevelopmentGoals=SDGs)を学ぼうという講演会やシンポジウムが活発に行われている。「こくちーず」でSDGsをキーワードにしてイベントを検索すると、166件もヒットする(そのうち関東が69、近畿が43)。SDGsの17のゴールのラベルを張り付けた名刺をもらうことも多い。サステイナビリティという言葉のもつ曖昧さや難しさを解消し、具体的かつわかりやすいとして、環境活動や社会貢献活動に取り組む人々に歓迎されているようである。国のSDGs関連の助成事業が増え、その助成を得るためにSDGsを名乗る活動も増えている。一方、SDGsウオッシュの懸念を表明する声もある。SDGsウオッシュとは、「ホワイトウォッシュ:上辺だけ取り繕う」をもじったもので、実態がなく、雰囲気だ...SDGsの使い方~3つのステージと必要条件

  • 2019年の

    初春をお喜び申し上げます。岡山の山陽学園大学地域マネジメント学部に着任し、9か月がたちました。とにかく岡山の地域に出かけることを重視するとともに、教育の充実、地に足をつけた研究と社会貢献に着手してきました。以下に2018年の報告をさせていただきます。2019年は、岡山で取組始めたことの形をつくっていく年だと考えています。さらに地域に出向きながら、新たな仕事をたちあげていく予定です。ご縁を大切に、協働の機会をいただければ幸いです。今年もよろしくお願いします。以下、2019年の報告事項***************教育・校務1.新設の学部なので講義はまだ少ないですが、地域政策概論、環境論を開講しました。環境論は、看護学部、総合人間学部の教養科目としても担当し、いい経験になっています。2.オープンキャンパスでのミニ講...2019年の

  • SDGsの不十分さと活用上の工夫

    1.SDGsの策定の経緯と活用の動き(1)SDGs策定に至る2つの流れ持続可能な開発目標(SustainableDevelopmentGoals=SDGs)は、国際的な2つの流れが合流して、作成された。1つは、リオサミットの流れで、持続可能な発展の目標として検討された流れである。最初は、2011年、リオ+20の開催を控えた準備会合の際、コロンビアが提案し、グアテマラが支持する形でSDGsが提案された。やがて、リオ+20の目玉成果として注目が注がれるようになってきた。塚本(2018)は、「リオサミットから20年の間に個別のアジェンダごとに条約の締約国会議に代表される独自の議論の場が形成され、様々な経緯のある決定がなされてきた。こうした長年のしがらみの中でリオ+20では個別のアジェンダに係る議論の新たな進展はもはや...SDGsの不十分さと活用上の工夫

  • 環境新聞連載:「再生可能エネルギーと地域再生」より、29回目:まとめ(2)

    2030年あるいは2050年頃を見通す長い目でみたとき、再エによる地域再生は、ようやく全国各地で活発化したばかりの揺籃期にある。2010年代に東日本大震災と原子力発電所の事故がおき、そこで得た気づきが原動力となり、地域・住民主導の再エネ事業が活発化した。中央の大資本が大規模メガソーラーの用地を求め、黒船のごとく、地域に迫ってきたことも動機となった。地域・市民主導の多くの事業が動き、多くの人々が意識を高め、人々の関係が形成された。こうした2010年代の動きをしっかりと共有し、次の取り組みにつなげていかなければならない。それが本連載の趣旨であった。連載を閉じるにあたり、展望と提案をまとめる。●再エネによる地域再生は何を目指すのか再エネによる地域再生を進める全国各地の動きを調査する中で、筆者はボトムアップによる社会転...環境新聞連載:「再生可能エネルギーと地域再生」より、29回目:まとめ(2)

  • 環境新聞連載:「再生可能エネルギーと地域再生」より、28回目:まとめ(1)

    本連載では、長野県飯田市、滋賀県湖南市、長野県上田市、神奈川県小田原市、岡山県西粟倉村、岐阜県郡上市、秋田県にかほ市、福岡県みやま市といった8つの先進地、そして、韓国の済州島、福島県内の4地域の取組みを紹介してきた。今回と次回に分けて、各地の取組みから学ぶべき点をまとめる。●再エネの中核的事業体の立ち上がりと地域内の連携筆者は、再エネによる地域再生の目標として、(1)エネルギーの自治、(2)対話とネットワーク、(3)地域経済の自立、(4)公正と安全・環境共生、(5)地域主体の自立共生、といった5つの側面を設定している(5つの側面の理念や詳細は、拙著「再生可能エネルギーによる地域づくり~自立・共生社会への転換の道行き」を参照)。この5つの側面について、8つの先進地で実施されていることを抽出し、集約して、15のアジ...環境新聞連載:「再生可能エネルギーと地域再生」より、28回目:まとめ(1)

  • 環境新聞連載:「再生可能エネルギーと地域再生」より、27回目:被災地における再生可能エネルギーへの取組み(3)

    今回は、白河市の「白河エナジー株式会社(以下、白河エナジー)」、会津若松市・喜多方市の「会津電力株式会社(以下、会津電力)、について、各々のたちあがりの経緯と事業の特徴、今後の展開方向について、インタビュー結果をもとに概要を紹介する。●中小企業同友会の危機感とビジネスチャンスの見出し白河地域再生可能エネルギー推進協議会(エネ協)は2012年1月に発足した。代表である商工会議所の副会頭・鈴木俊雄氏は地元で不動産業を営んでいる。原発の風評被害で地元中小企業がダメージを受けるという危機感が募っていたなか、FITに地元のビジネスチャンスを見出した。エネ協の構成員は広く募り、建設事業を始めとした地元企業が手をあげた。中小企業同友会のメンバーの多くが会員となり、最初は20の個人団で設立総会を開いた。しばらくは視察や勉強に時...環境新聞連載:「再生可能エネルギーと地域再生」より、27回目:被災地における再生可能エネルギーへの取組み(3)

  • 環境新聞連載:「再生可能エネルギーと地域再生」より、26回目:被災地における再生可能エネルギーへの取組み(2)

    東日本大震災以降、福島県内における地域主導の再生可能エネルギー事業が県内各地で多様な形で立ち上がってきた。今回は、南相馬市の「一般社団法人えこえね南相馬研究機構(以下、えこえね南相馬)」、いわき市の「いわきおてんとSUN企業組合(以下、いわきおてんとSUN)」、について、各々のたちあがりの経緯と事業の特徴、今後の展開方向について、活動の中心となった2人へのインタビュー結果をもとに概要を紹介する。●農業とエネルギーでまちの復興えこえね南相馬の理事長である高橋荘平氏の父親は、産婦人科の医師であった。被災後も現地に残り、動けない妊婦のことを考えて活動をしていた父親の影響を受けた高橋氏は、妊婦や線量の高い人への支援のため、放射線の測定や除染等を始めた、2011年8月に除染研究所を設立した(現在も活動を継続)。しかし、「...環境新聞連載:「再生可能エネルギーと地域再生」より、26回目:被災地における再生可能エネルギーへの取組み(2)

  • 環境新聞連載:「再生可能エネルギーと地域再生」より、25回目:被災地における再生可能エネルギーへの取組み

    東日本大震災の被災地においては、再生可能エネルギー事業をどのように位置づけ、どのように成果を得てきているのだろうか.とりわけ、被災地では、再生可能エネルギーに係る国家事業が持ち込まれた。これらは中央政府による被災地への傾斜配分であり、被災地の復興を支援する意図のものであったが、果たして被災地の復興(ひいては地域再生)に本当に役立つものとなっているのだろうか。一方、被災地の地方自治体や市民活動団体は、地域事業として再生可能エネルギーをどのように位置づけ、取組みを展開してきたのか。これらの複層的な動きは、住民意識に見合うものとなっているのだろうか。●3県の関連計画岩手県、宮城県、福島県における復興関連計画及びエネルギー関連計画をみると、原子力災害の被害があった福島県と他の2県において、再生可能エネルギーの位置づけや...環境新聞連載:「再生可能エネルギーと地域再生」より、25回目:被災地における再生可能エネルギーへの取組み

  • 2018年度の研究計画

    この学校閉鎖期間を利用して、土木学会環境システム委員会の全国大会に提出する論文、なんとか作成しました。アブストラクト審査のみで査読付き論文ではない、B論文というものです。地域で活動される方々に読んでいただけるように、できるだけ専門的になりすぎないように作りました。査読を通過するために、論文の作法や専門性や正確性を強調せざる得なくて、誰も読まないだろうなと自分でも思う論文をたくさん作ってきた反省があります。誰もが読みやすい学術論文(査読付き論文)を作ればいいのですが、それは次の機会に作成します。もっとも、「環境論・環境政策論・持続可能な地域づくり論」の教科書がまだ手付かずですので、当面はそちらを優先します。また、岡山に居て実施していく研究プロジェクトは次の通りです。研究論文にするのは2年後になるかと思います。1....2018年度の研究計画

  • 西日本豪雨に関する報道情報の抽出と整理(2018年8月5日時点)

    西日本豪雨により被災をされた方々に、心よりお見舞いを申しあげます。そして、今後のいち早い復旧・復興をお祈り申し上げます。私自身は、復旧・復興に直接役立つ専門もなく、岡山に移住してきたばかりで直接的な強い関わりがない中、まずは情報整理だけでも行うことにしました。また、気候変動適応策(二酸化炭素の排出削減を最大限に行うとともにそれでも避けられない影響への対策)の研究に参加してきた立場として、気候変動と今回の災害を関連づけることも役割と考えました。ここでは、西日本豪雨に関する報道情報を毎日、検索し、整理を行ってきた結果を示します。今後、さらに情報を追加し、改訂版を作成します。これらの情報は、私が今後、岡山で行う気候変動に関する講演やセミナー講師、大学講義等に活用していきます。また、必要とされる方にこうした情報整理が役...西日本豪雨に関する報道情報の抽出と整理(2018年8月5日時点)

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