中古車に潜む怪

居酒屋のママから聞いた話。 今から20年近く前、店の常連に木下さん(仮名)という人がいた。 ある日のこと、木下さんが何時にも増して機嫌良く飲んでいるので何か良い事でもあったのかと聞いてみると、車を買ったとの事。 木下さんが買ったのはトヨタ｢クラウン｣。当時は「いつかはクラ...

印刷できない名札

友人が勤務している会社での話。 友人の田村(仮名)が、社員全員の名札を作ることになった。名札のデザインはすでにできており、事業所ごとに社員の名前を入れてプリンターで印刷したものを市販の名札に挟むだけという簡単なもので、4つの事業所あわせて約80人という人数を考えてもそう大変な...

ホテル｢ジョイ｣の怪

知り合いの美紀ちゃんが大学生だった頃の話。 美紀ちゃんには同じ学校に通う彼氏がいた。2人ともアルバイトはしているのでお金に困ることはないが、余裕があるというほどでもない。デートをするときもあまり無駄遣いはしないように心がけていた。 そんな2人がときどき使うのがH市にあるホ...

病院の怪

数ヶ月前、母はちょっとした病気で入院していたのだが、そこで母が体験した話。 明け方4時頃に目が覚めた母は、トイレに行った。 時間が時間なため病棟内は静かで、廊下を歩く人もいない。 トイレに着いてドアを開けた母は思わず動きを止めた。 2つある個室の奥側が使用中になってい...

旅館の鏡台

5年ほど前の12月、地元消防団の旅行で某温泉地に行った時のこと。 宿泊する旅館は温泉地の中心を大きく外れたところにあり、温泉地らしい景観はなく、どことなくさびしい印象。その分宴会は派手だということだった。消防団の旅行は忘年会を兼ねた宴会がメインなので願ったりかなったりだったの...

絶景が見える場所は…

私の中学時代の恩師、和光先生(仮名)が学生時代に体験した話。 親元を離れ、遠く北海道で学生生活を送っていた和光先生は、親からの仕送りだけで生活費すべてをまかなうのは無理なので、アルバイトをしていた。そのバイト先の先輩で一番気が合ったのが佐藤さん(仮名)という女性だった。お互い...

探し物

わたしの中学時代の担任の和光先生(仮名)が大学生時代に体験した話。 当時和光青年が住んでいたアパートの近くにある踏切で人身事故があり、男の人が亡くなった。通学途中にあるのでほとんど毎日その踏切を通っていたW青年は、見通しもよく、人通りもまばらで事故などおきるような所じゃないの...

トンネルの中で

友人Aの学生時代の話。 Aは自宅から電車で2時間ほどのところにある大学に通っていた。入学式でB,C,Dの3人と仲良くなり、よく遊んでいた。Bは地元出身、C,Dの出身はAより少し遠いくらいのところで、Dは大学近くにアパートを借りていた。 4人ともいたって普通の学生なのだが、Bに...

トイレの窓に

ある友人が大便をするため自宅でトイレに入っていた。 彼の家のトイレは洋式で、便座に座ると正面にドア、後ろのやや上のほうに明り取りの小さな窓があるというオーソドックスなつくりになっている。左右は壁だ。 彼は比較的ゆっくり用をたすほうで、雑誌等を読みながらということも多いそうで...

安値の理由

今から20年近く前、私や友人達は車の免許を取得し、誰が何を買ったとか、どんな車が欲しいかなんていう話題が多くなっていた。当時私達の間で人気があった車といえばトヨタのソアラやクラウン、日産のレパード等の高級車だった。 しかし、高校卒業後に進学した者はもちろんの事、社会人になった者に...

涸沼の怪

現在は残念ながら店を閉めてしまったが、よく通っていた居酒屋があり、その店のママは客達の間では霊感が有る事で有名だった。 いろいろと恐怖体験をしていたし、占いとまではいかないが、時折してくれる助言はよく当たった。 私が怖い話が好きだと知ると、私の帰路の途中に昔は追いはぎが出たところ...

ホテル京都にて…

今から15年ほど前の話。 当時は暇さえあれば仲間が集まってカラオケに行ったり、酒を飲んだりしていたが、それらに飽きてきた頃に提案されるのが肝試しだった。どこから聞きつけてくるのか、ずいぶん離れた街の心霊スポットの情報もあった。 心霊スポットと言ってもたいていはただの廃墟だったり、...

虫の知らせ

今から10年ほど前、私が結婚して間もない頃の話。 当時、結婚を機にPCを新調し、初めてインターネットに接続。かねてから興味があったのでのめり込み、毎晩夜中までPCに向かう生活を送っていた。PCを見ている部屋には嫁も寝ていたため明かりは消していて、モニターのみが部屋をうっすらと照ら...

Kちゃんのキーホルダー

今回はちょっと切ない話をお届けしようと思う。 友人のM君が中学1年生のときの話。 M君の家の近所にKちゃんという女の子が住んでいた。Kちゃんは小学校3年生。おとなしく、とてもかわいらしい子だった。Kちゃんの両親は共稼ぎで、祖父母もいなかったため、Kちゃんは小さい頃から家の近...

六万坂にて…

私の家の近くに六万坂という名の坂がある。 六万坂は市街から郊外へ向かう途中にある全長300mほどの坂で、おおよそ中間地点が一番低い底の部分になる。家も少なくないし途中にはコンビニもあり、何の変哲もない坂なのだが、霊感がある人は一度通っただけで嫌な雰囲気を感じ取るというほどの場所...

脇道の奥に

友人から聞いた話。 夏の暑い時期、暇を持て余すと肝試しを提案する奴が一人くらいはいないだろうか。 A、B、Cの男3人で集まっていた時もAが肝試しに行かないか？と言い出した。というのもAは知人から新しい心霊スポットの情報を聞いたばかりだったから。 その噂というのは隣町...

狐の坂

私の実家の近くに坂がある。 坂の最も下ったところがT字に交差していて、坂の周囲は林が囲んでいる。 今から20数年前、当時中学生だった私が体験した話。 その日は部活が終わったあと友人宅に寄り道していたため、いつもは通らないその坂を通って帰る事になった。 時間は9時近くにな...

和光先生のアパート

私が中学生の時お世話になった先生方の中に和光先生(仮名)という先生がいる。 この先生はさまざまな霊体験をしており、ごくたまにだが授業そっちのけで怖い話をしてくれた。 今回はその中のひとつを書こうと思う。 まだ先生が大学生の頃のこと。先生は親元を遠く離れ、北海道で学生生...

スキー場への道

今から15年位前、3月の初めごろだったか、当時付き合っていた彼女に誘われてスノーボードに行くことになった。 私の住んでいる県にはスキー場がないので、隣県にあるスキー場を目指す事になる。 早めに出かけたほうがスキー場近辺で混雑しないということで、午前3時ごろに彼女の運転する車で...