正論
「腹が立つくらいの正論」というものがありますが、聞いた人が腹を立てた時点ですでにその「正しさ」が他人に及ぼす効果は失われています。【ただいま読書中】『土偶を読む』竹倉史人著、晶文社、2021年、1700円(税別)「土偶」は「妊娠した女性」とか「デフォルメされた人体」とか「宇宙人」なんてことも言われています。しかし「本当に女性なのか?そもそもあれは人体か?デフォルメと言うが、本当か?」という疑問を持った著者は人類学の立場から土偶を“読む"ことにします。土偶のレプリカを常に手もとに置き、縄文人と同じような生活をすることで、縄文人が何を思ってあのような造形を生んだのかを知ろうというのです。そこから浮かんだのは、驚愕の解釈。土偶は「縄文人が大切にしていた食材(主に植物、一部貝類)を精霊として表現した写実的なフィギ...正論
2023/01/05 07:02