5月1日(水)雨 退院して3151日 / 手術から3233日 入院中の心身ともに苦しく絶望の淵にあった頃から、 ことあるごとに魂の支えとなり、 そして病むということを前向きにさせてくれた言葉がある。 玉島にある教会の牧師の詩。 今でも折に触れ、 自戒を込めて反芻する。 ...
5月1日(水)雨 退院して3151日 / 手術から3233日 入院中の心身ともに苦しく絶望の淵にあった頃から、 ことあるごとに魂の支えとなり、 そして病むということを前向きにさせてくれた言葉がある。 玉島にある教会の牧師の詩。 今でも折に触れ、 自戒を込めて反芻する。 ...
4月24日(水)曇 退院して3144日 / 手術から3266日 今日、退院してから47回目のがんセンター通院日。 今日も行きの下道約50km、1時間10分の車中は、 これまで通り、験担ぎではないけれど「グレゴリオ聖歌」が厳かに流れる。 血液検査、上部内視鏡、頸部~胸部造影C...
4月22日(月)曇 退院して3182日 / 手術から3264日 「恥の多い生涯を送って来ました」 太宰の人間失格の中のあまりにも知られた一文。 ことあるごとに、 その一文が我がことのように頭の中を駆け巡る。 これまでの我が人生、 恥に恥を上塗りするような日々の積み重ねであっ...
4月12日(金)曇 退院して3172日 / 手術から3254日 薄桃の花びらが散り急ぐように風に舞う。 散りゆく姿さえもこんなに愛でられる花を他に知らない。 朝方は少し冷え込むものの、 お日様が昇ると既に初夏を思わせるような陽気だ。 先日は車中では暑くて冷房を効かせた。 山...
4月8日(月)曇 退院して3168日 / 手術から3250日 光は日、陰は月。 光陰矢のごとしとはよく言うけれど、 まったくその通りだ。 今日はプー、5度目の命日。 いまだにともに過ごした日々のさまざまを、 思い起こさない日はない。 振り返ってみれば、 奴が我が家にいた10...
2月8日(木)晴 退院して3108日 / 手術から3190日 暦の上では春ですが、、、。 立春とは名ばかりの、、、。 春浅く、、、。 そんな時候の挨拶が思い浮かぶ如月の頃。 音もなく粛々と降る冬の雨は、 身も心もしんしんと芯から冷えるようで、 しんみりと寂寥感が募る。...
1月24日(水)曇 退院して3093日 / 手術から3175日 目覚めてから何やら目映い気配に違和感を覚え、 カーテンを開けると一面の雪景色。 西風強く、瀬戸内海沿いの温暖なこの地域では珍しい寒々とした光景だ。 おかげで通常なら十数分の距離の歯医者へ行くのに、 40分もかか...
1月17日(水)晴 退院して3086日 / 手術から3168日 新年早々から芸能界の方々の訃報が立て続けに届き、 北陸では何千年に1度という大災害。 間髪入れず飛行場ではまるで映画のワンシーンのような惨劇。 どうかこれ以上の悲劇が繰り返されない穏やかな年でありますようにと ...
12月31日(日)曇時々雨 退院して3069日 / 手術から3151日 暖かい年末だ。 連日日中の気温が15度前後だなんて、 やはり身震いするほどの寒さでないと、 大晦日という雰囲気が希薄だ。 術後8年半が過ぎた。 10月の検診で、 今後PET-CTの必要はないでしょうとの...
11月30日(木)曇 退院して3038日 / 手術から3120日 山中での観光施設の管理の仕事を始めて、はや半年が過ぎた。 北海道から沖縄まで、全国各地からいろんな方々がやってくる。 ただ、老境に差しかかった方々の一人旅は、 一様にどこかさびしげで愁いを帯びている。 それは...
11月10日(金)雨 退院して3018日 / 手術から3100日 大病を得て4ヶ月にも及ぶ入院生活を過ごしたのは、 もう8年も前のことになってしまった。 当時の一喜一憂した場面が事あるごとに思い出されて、 今となってはなにやら懐かしい。 先日、入院に関わる各種書類をまとめて...
11月4日(土)晴 退院して3012日 / 手術から3094日 11月だというのにまだ夏日だなんて いったいどうなっているのかねえ。 古来から慣れ親しまれてきた季節ごとの風情が、 年々希薄になっていく。 立春、春分、夏至、大暑、秋分、冬至、大寒、、、。 太陽に基づいた二十四...
10月30日(火)晴 退院して3007日 / 手術から3089日 日中はまだ暑い暑いと嘆いているうちに、 ようやく朝晩本格的に冷え込んできた。 今朝は8度台にまで下がった。 おお、さむい。 今日は敬愛してやまない先輩Tさんの一周忌だ。 1年前の今日昼下がり、 訃報の知らせが...
10月24日(水)晴 退院して3001日 / 手術から3083日 もう10月も終えようというのに、 日中戸外でぞごぞと動いているとすぐに汗ばんでしまう。 車に乗るにもエアコンが要る。 暖かいでなく暑い。 その影響か、山の木々の色づきが遅れ気味のようだ。 猛暑に大雨。そして想...
10月10日(火)曇時々晴 退院して2987日 / 手術から3069日 神無月を迎えた途端すっかり秋めいて、 日差しの強さはまだ残るものの、空高く空気が爽やかだ。 朝晩はめっきりと肌寒く、夏布団の下にタオルケットを重ねる。 彼岸花が儚くもその短い開花の時を終え、 黄金色に色...
8月21日(月)晴後曇 退院して2937日 / 手術から3019日 昔はお盆過ぎればてきめんに朝晩涼しくなって、 夕方になると赤とんぼが風に舞い しみじみと秋の気配を感じたものだが、 近頃はいつまでも酷暑が続く。 風情感じられる昔の季節感などはもう望むべくもないのか、 など...
7月3日(月)曇 退院して2888日 / 手術から2970日 心の原風景ともいうべき美しい情景を、 今年も目の前にしている。 今にも降り出しそうな曇天の下、 田舎に在ることのしあわせを覚えながら 畦道にまんじりと立つ。 水田を吹き渡る風に 田植えされてほどない苗と背後の竹林...
6月26日(月)曇 退院して2881日 / 手術から2963日 2日経った今も やや放心気味。 土曜日、ひとり息子の結婚式が広島であった。 両家代表お礼のスピーチ。 「8年前に病を得まして、うまく話せません。どうかお許し下さい」 と最初にお断りしてから話し始める。 列席の方...
6月13日(火)曇 退院して2868日 / 手術から2950日 いかにも梅雨らしい不順な天気が続いているが、 昨日今日のように雨降らず曇天で蒸し暑いだけの梅雨は、 陰気くて不快なだけでどうもいけない。 降り続く慈雨、時に梅雨寒。 田んぼを吹き渡る風に雨蛙の鳴き声。 雨に濡れ...
5月9日(火)晴 退院して2837日 / 手術から2919日 五月病などとはまったく無縁の環境で とぼけた顔して日々呑気に過ごしているが、 それでも先のゴールデンウィークの後、 なんとなく憂鬱で気分が優れない、というか優れない気がする。 長年働いてきて、その頃の生体反応とか...
4月28日(金)晴 退院して2826日 / 手術から2908日 遠く山々の緑が目に清々しくも美しい。 ふるさとの 山に向ひて 言うことなし ふるさとの山は ありがたきかな 啄木のこの歌が自然と思い出されるのは、 いつもこの時期だ。 うっすらと霞む山々に目を遣りなが...
4月19日(水)晴 退院して2817日 / 手術から2899日 今日は術後8年、 退院して45回目のがんセンター診察日。 血液検査、頸部~胸部造影CT、上部内視鏡などの諸検査と、 頭頸科、歯科、皮膚科の診察。 下道を使い約50km、75分の行きの車中では、 験担ぎも兼ねて今...
4月6日(木)曇時々小雨 退院して2804日 / 手術から2886日 桜は哀しくも散り際がいい。 はらはらと舞い散る姿に、短い命のその儚さが際立つ。 桜のいにしえからの異称に、 「徒名草」もしくは「仇名草」というのがあるが、 なんと大和心を揺さぶる言葉だろう。 今がまさに、...
3月26日(日)雨 退院して2793日 / 手術から2875日 スギからヒノキへと花粉が変わりつつあるようで、 ようやく花粉症が治まりかけてきた。 老化が幸いし、若い頃ほどその症状はひどく出なくなってきたけれど、 それでも目のかゆみや鼻水など耐えがたいときがある。 そしてそ...
3月17日(金)雨 退院して2784日 / 手術から2866日 「祈る」ということについて、 もうひと月半も前に平戸や天草周辺の教会を巡り、 地元の人たちの飾ることのない素朴で敬虔な祈りの姿に接し、 加えて彼の地における壮絶な迫害の歴史にも触れ、 それ以来、あてどのない自問...
2月27日(月)晴 退院して2766日 / 手術から2848日 三寒四温を繰り返しながら 少しずつ春の足音が近くに聞こえるようになってきた。 来週には梅も満開の時を迎え、 微風にのって馥郁たる香りが漂うだろう。 夜桜ならぬ、夜梅を楽しみに出かけるのも一興か。 桜のような儚く...
2月19日(土)雨 退院して2758日 / 手術から2840日 夜半から降り始めた雨がまだ降り続いている。 昼には止む予報だけれど、全くそんな気配が感じられない。 しとしとと降り続く冬の雨は、 身にも心にも寒々と感じられて、寂寥感が募る。 先週、1週間ほどの九州一人旅を終え...
1月31日(火)晴 退院して2739日 / 手術から2821日 朝晩の冷え込みが、 毎日毎日こんなにも厳しかったことは自分の記憶にない。 野良のいぬねこたちが不憫でならない。 近所でよく見かける薄茶のニャンはこの寒さをどう凌いでいるのだろうか。 なつきさえしてくれれば。 あ...
1月20日(金)曇 退院して2728日 / 手術から2810日 早朝は冷え込んだもののその後昼にかけてぽかぽかと暖かく、 午後から久しぶりに愛車を駆ってこようかと思っていたが、 お昼ご飯を食べ終えた頃から急に雲行きが怪しくなってきた。 おまけに風まで吹き始めたではないか。 ...
1月13日(金)曇 退院して2721日 / 手術から2803日 日中はぽかぽかと、 縁側でネコでも抱いて日向ぼっこしていたいような陽気が続いている。 小春日和は初冬の季語であるけれど、 冬本番のよく晴れた穏やかで春のような天気のことを 粋な言葉でどう表現するのだろう。 冬日...
1月7日(土)雨後曇 退院して2715日 / 手術から2797日 目覚めたら雨。 久しぶりに雨の音を聞くように思うけれど、 それも早くに止んでしまい、 いつの間にか吹き出した風の庭木を揺らす景色も いかにも冬らしくて寒々しい。 近いうちに、 ひとり車で1週間ほどかけて...
12月22日(木)曇一時晴 退院して2699日 / 手術から2781日 けうもまたこころの鉦を うち鳴らしうち鳴らしつつあくがれて行く (今日もまた、巡礼者が鐘を鳴らすように、 私も心の鐘を打ち鳴らしながら、あこがれの旅を行く) 若い頃、若山牧水...
12月17日(土)雨 退院して2694日 / 手術から2776日 氷雨。 蕭々と降り続く冬の冷たい雨は、 身も心も芯から凍えるようで。 昨夜、 生前故人に親しくしていただいた者数人が集い、 「偲ぶ会」を開いた。 黙祷を捧げた後、 乾杯。 なんかこんなときに「乾杯」でいいのか...
12月14日(水)曇一時雨 退院して2691日 / 手術から2773日 西高東低の気圧配置が容赦なくその本領を発揮している。 昨日夕方に吹き始めた風が夜半から凄まじくなり、 そのごうごうとうなる音に何度も目覚めた。 更には、昼前には強く降っていた雨が突然あられに変わり、 し...
12月7日(水)晴 退院して2684日 / 手術から2766日 師走を迎えた途端 朝晩の冷え込みがめっきり厳しくなり、 高い山々の中腹あたりにまでうっすらと白いものが降りてきている。 異常気象だなんだと言われるようになって久しいが、 自然の移ろいは確実に我々に季節の移り変わ...
12月1日(木)曇 退院して2678日 / 手術から2760日 〈大切なものは、いつだって、目には見えない。 人はとにかく、目に見えるものだけで判断しようとするけれど、 目に見えているものは、いずれは消えてなくなる。 いつまでも残るものは、目に見えないものなのだよ。 ...
11月24日(木)晴 退院して2671日 / 手術から2753日 南に向いた和室の畳に寝そべり、読書三昧。 縁側のレースのカーテン越しに、柔らかく心地よい日差しが射し込む。 ここ数年、小説はあまり読む気にならなくて、 もっぱらエッセーばかりを好んで読んでいる。 少し前に、同...
11月4日(土)曇 退院して2666日 / 2748日 朝方は冷え込んだものの 心地よい日の光が差していたのに、 いつの間にやら空一面灰色に覆われてしまった。 愛車にまたがり紅葉を求めて山中に分け入ろうかと思っていたが、 曇天に気持ちが萎えてしまった。 カラスと近所の飼い犬...