映画「天使のいる図書館」で公立図書館のレファレンスサービスのあり方を考える
図書館の力に戻る FACTION的物語〈高校教師〉に戻る (1)17年に制作・公開された映画「天使のいる図書館」<右図は公式サイト(ミラー)より/Wiki>で、公立図書のレファレンスサービスが描かれました。この映画の公式サイトとWikiで得られる情報を基に、公立図書館のレファレンスサービスのあり方を、考えたいと思います。(2)司書の吉井さくらは、少女から「王子さまの出てくる本、どこですか?」と聞かれたとき、王子様といっても様々な国の王子がいる。どこの国の王子様?と聞くべく、いろいろな国の名を少女にぶつけた。このように質問の内容を確認するための質問は、子どもと司書がよほどの顔なじみであればやってもよいが、そうでない場合はやってはならない(小学校の図書室では司書教諭と子どもが顔なじみなので、むしろ交流となるのでやるべきだろう )。子どもは意を決して質問するのであり、それについて質問を返されるのは怖いことである。現に映画では、少女はおびえた表情を見せている。この場合、さくらは、「わかりました」といいながら児童図書室へつれていき、本棚から王子様が出てくる本を適当に手渡し「どの本がいい?」と聞く。すると少女は、「暑い国の王子様でなく砂漠の国の王子様がいい」などというだろう。(3)女子高校生に探している本を紹介するとき、聞かれもしていないのに、その本の内容についてべらべらとしゃべっている。司書は聞かれたことにのみ答える。それ以外のことをしゃべると。「蘊蓄をたれるウザい司書」として忌避されるようになる(小中高の学校図書館の場合は、その本に係わることやその本の内容について積極的に述べるべき)。なお、レファレンスの質問があったとき、その動機・目的等も聴いてはならない。それは、気軽にレファレンスを依頼することを妨害するからである(小中高の学校図書館の場合は、これらのことは積極的に聴いた方がよい 。より的確な本やより多くの本の紹介につながるからである)。(4)ご婦人から「神社を背景に成人男女の写った写真」を見せられたとき、こういう時こそ「質問の内容を確認する質問」をすべきなのに、さくらは「写真に写っている神社」に行きたいと思っている、と勘違いして神社に連れて行く。それは結果オーライだったが、それは映画の中でのことであって、現実には「ピンボケの回答」を利用者に与えて司書への信頼感を損ねてしままう。成人からの質問については、それが不明な
2023/12/24 20:01