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性別
『性と進化の秘密』(団まりな、角川ソフィア文庫)を読んで、いろいろ考えさせられた。昨日からずっとそのことを考えていたといってもいいくらいだ。朝起きた時に、何か夢を見ていたようなのだが、性別が「上位概念」として、その「下位概念」は何かを夢の中の私は追及して
2022/02/20 12:24
『性と進化の秘密』団まりな
団まりなはもう故人であるが、発生生物学の泰斗だった女性博士だ。音楽家の団伊玖磨(だんいくま)の従妹にあたるそうだ。ともに祖父が団琢磨(だんたくま)で、三井三池炭鉱の経営に当たっていたが、血盟団事件で右翼活動家に射殺されたと本書のあとがきにまりなが書いてい
2022/02/19 21:57
『個人的な体験』大江健三郎
大江健三郎が若い頃、結婚して第一子をもうけたころに書いた申告の小説だそうだ。大江氏の長男が脳に障害をもって生まれてきたことは広く知られている。物語は「鳥(バード)」と周囲から呼ばれている大江氏とおぼしき人物を主人公として、三人称で語られ、バードの内心を読
2022/02/14 20:50
石の物語(2)
雲が山を転がるように降りてくる。カール・ヴィルヘルム・シェーレと山師イェルム、助手のローザの一行は、ファールン銅山の入り口で、近衛部隊の制服の衛兵にウプサラ大学の紹介状を見せて、鉱山内に入れてもらうことができた。ファールン銅山の歴史は古く、坑道が無数に開
2022/02/11 16:26
石の物語 (1)
その日はたいそう西風の強い朝だった。ローザは寝床から出ると、かたかたと風に鳴っている窓辺に近づいた。窓の外には見なれたストックホルムの街並みが眺められた。「そうだ、先生との約束があったのだわ」彼女が「先生」と呼んで尊敬している薬師(くすし)のシェーレが、
2022/02/08 22:06
目標はベクトルの先に
一年の計に目標を定めた人は多いだろうと思います。目標は達成するために立てるのですが、どうもその目標に向かうことが無理そうに感じられることもあります。はやばやと諦めるのも、体面が悪い。自分にもウソをついているようで、お尻の座りも悪い。ちょっと視点を変えてみ
2022/02/07 20:24
私、気づいたんです
先週から夫が尿路感染症で入院しています。このコロナの時期に救急で入りました。発熱していたんですね。放っておくと命にかかわるそうです。抗生物質投与で様子を見るということで退院のめどがまだ立ちません。夫が片麻痺になって、はや十一年が過ぎ、介護生活に、私も疲れ
2022/02/06 22:13
『いのちの初夜』北條民雄
川端康成が見出した、奇才の作家北條民雄は昭和十二年の師走に二十三歳の生涯を閉じた。民雄は十代後半で「癩病(ハンセン病)」を発症し、二十歳(はたち)で「全生病院(癩患者収容施設)」に入院し、その短い三年間を執筆にいそしみ、最期は腸結核で衰弱死するのだった。
2022/02/05 16:17
『エッフェル塔ものがたり』再々読
この岩波新書をまた読んだ。ギュスターヴ・エッフェルの生涯と、フランス人の「鉄の娘」への憧れと自信が、日本における「象徴天皇」に匹敵するものになったことに興味を抱かせるのである。前はざっと塔の歴史と、背景を味わったが、もうすこしセクションを定めて読み直して
2022/02/01 17:27
健常者
国の施策や制度上では「健常者」や「障害者」の分類は必要なのかもしれないが、ほんとうに「健常者」などいるのだろうか?私は最近、自分の体が健常だと思っていたがそれは思い上がりで、かなりできないことがあることに気づいた。長くご無沙汰していたアマチュア無線での経
2022/01/30 11:04
間髪を入れず
最近、「間髪を入れず」の「間髪」を「かんぱつ」と読むか「かんはつ」と読むかで議論になっている。私は「かんぱつ」派であり、日本語変換ソフトも「かんぱつ」で変換できる。むしろ「かんはつ」と入れると誤変換することがある。実は「かんはつ」が正しく、「かんぱつ」は
2022/01/29 11:26
追憶
部屋はシンナーの香りで満ちていた。私は、戦艦「榛名(はるな)」の甲板のウェザリング(汚し塗装)を朝からやっているのだった。左舷から始めて右舷に差し掛かろうとしたところだった。「洋上模型」と呼ばれる、艦船を吃水(きっすい)で切ったプラモデルは大手メーカーか
2022/01/26 17:04
艦隊これくしょん
四、五年前だったろうか、塾生の当時高校二年生の男の子、辰也と実来(みらい)の勉強をみてやっていたころ、『艦これ』と『ガルパン』で意気投合したことがあった。あたしが、軍艦や戦車の名前を知っていたから、彼らから一目置かれたわけだ。あたしの中学時代を思い出させ
2022/01/24 00:29
むまそうな雪
母の遺した古い本の中に荻原井泉水(おぎわらせいせんすい)の選んだ『一茶俳句集』(岩波文庫)があり、それをぱらぱらめくっている。ハトロン紙に包まれたこの文庫は、もう手に入らないだろう。もっとも小林一茶の句に触れたければ、いくらでも本はあるはずで、俳人井泉水
2022/01/20 17:48
つなみ!にげて!
昨日、南太平洋のトンガで火山が噴火して地震が起き、それによる津波が環太平洋地域に押し寄せました。気象庁は当初、被害は軽微で津波の規模は20㎝程度だと主張していましたが…1mを超す大波が日本に押し寄せたのです。慌てたのは気象庁だったでしょう。日本でも高知県で漁
2022/01/16 10:11
仕事始め
玄関の生け花を新しくして、仕事を始めることにしました。センリョウ(赤い実の花木)とニホンスイセンが庭にあったので、刈り取ってきて、市販の菊花と若松、白梅、ハボタンに足しました。「初釜」じゃないですが、お湯を沸かします。これから作る製品に「滅菌湯冷まし」が
2022/01/15 18:08
定款
昨年末に勤め先が倒産したので、私ともう一人の設計担当と会社を興すことにしたわけで、いろいろ手続きを始めています。資本金はいくら用意したらいいのか、代表権は二人とも持つのか、一人に絞るか、定款はどうするんだとか、めんどくさいことが山積しているのに、商品の注
2022/01/07 23:19
今年もよろしく
寅年である。私は年女だ。1962年生まれが2022年を迎えた。目出度いのだろうか?よくわからん『紅白歌合戦』を観て年が明けた。Youtubeで懐かしい昭和歌謡を追ってみた。奥村チヨだ。『恋の奴隷』は、なかにし礼の作詞で、今のご時世なら、とんでもない内容である。女性蔑視も
2022/01/01 16:58
数へ日(かぞえび)
数へ日となりたるおでん煮ゆるかな (久保田万太郎)「数え日」とは、あと数日でお正月が来るという、年の押し詰まったせわしなさを表現する言葉だ。官庁御用納めぐらいから大晦日(おおみそか)までが「数え日」だろうか?もちろん師走の季語になる。「おでん」は冬の季語
2021/12/29 12:43
散歩
寒波も過ぎ去って、京都にも日差しがやってきた。近くのスーパーマーケットに徒歩で買い物に出かけた。運動のために歩くように主治医から言われているからでもある。ああ、すがすがしい。職を失ってからというもの、糸の切れた凧のような毎日である。ハローワークにも通わな
2021/12/28 16:21
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