海月のように 日和に揺られ 過ごし流される又 緩んじまった 頭のネジまで ふらふわする季節 おっとりとした 陽気と涼風に 抱かれどこへやら 俺の空っ穴な心は みるみると暈け 際限なく薄まる 重い着包み抜けて 夢宙に漂うんだ 稀に見る気持ちよさ ふっと運ばれほら なにやら時折...
気力も尽きそな だらしなく緩んだ躰で 心も闇の中 人気のない 繁華街の路地裏を 仕事で ほっつき歩いてんだ ぽつぽつ 頼りないネオンの 薄光んなか すっとまた一片が てぃらら、ぴぃらら と 漂い踊りながら 時に前髪を掠め 胸元辺りの 少し先を横切り 不意を突き 足許に 不...
Very bad, late-night complaints
ふっ飛んでしまえば 地球なんて 不謹慎なことを考えてしまう この、忙しい時期に ろくでもねぇな こん畜生め 夜更けの闇に囚われて 長閑な風と 月明かりの寂静 断崖絶壁に弛み立ち 有り得やしない ぶち当たる先の見えない フリーフォール ひと思いにこのまま ダイブしてやりてぇ ...
毛布に包まる 枕元の闇に ノイズの洪水 突然、怒涛の如く傾れこみ 浅い眠りを打ち砕く 瞬く薄目から じわり次第 その高鳴る音嵐に 瞼は完全に剥かれ 快晴続きの 好記録 二週間余り 地に足つかず夢心地 突発的豪雨に破られた ほのぼのした 暖かな早春の日々が 一区切り ...
雑樹山に囲まれた 隠れ里 細く縫い走る県道 暗に目醒めた猛獣たち 地の奥底で 唸り声を上げ 次々と アスファルトに 這い出し その重く分厚い響きは とっぷり闇色に暮れる 野放図の静寂に 頑強な釣鐘を 打ち鳴らすよう轟く 遠くから徐々に 近づき 頭蓋に潜り 電動ハンマで穿るよ...
外気に晒された 柔肌を 引き裂くよう 辛い痛みを浴びせては 酷しい寒さは また 何も告げず退いて 霧に霞む昼下り 隣で しれっと 丸めた背中向け 寝そべる 不機嫌に口を噤む 恋人のような 垂れ籠める天上と 窓越しの宙空に揺れ散る 細やかな 惑い雨のなかに いつかしら 胸に焼...
氷点下の激波が 山間部を襲う ぴりり骨まで麻痺る 指先を振っては 擦り合わせ 無駄踏みを繰り返し じんじんと 冷たさののたくる 足裏を宥めた そんな馴染めない 苛酷な日々が 続く、容赦なしに 陽漏れさえ 覗かぬ未明を へべれけの 轍も硬直する、 険しい道筋 スローペースで長...
白黒縞の 小鳥が 無邪気な鳴き声を 砕石塗れの トラックヤードに転がして 番で 戯れ合う 帆布小屋の 短い桁幕へ 初陽に溶かされた霜が 光る雫を 拵えて ゆっくり落ちる その僅かな間、 こんなことを思った 音信不通になった 知性溢れる 気を病んだ か弱いあの人は...
薄い残照が 緩やかな稜線を縁どる 遠退く夕空 冬の通り雨 ばさばさ と、短く降り弾け そして途絶え 七色を超えて 高角度の 巨大な虹が昇る (これは予兆なのか (偶然の悪戯なのか 色濃い印象が 脳裏に焼き付いたまま 場は見送られ 星屑の瞬きだす 夜の帷に橙の 焔の...
毎晩のように 浅い眠りの中 がなり立てて来やがる ねちっこい 過去の記憶を突っぱねて 明けない夜 を蹴り上げる 今日も 継ぎ接ぎだらけ 車検何か切れっ放しの おんぼろな身体で 下らない言葉 腹から捻りだし 書き散らしながら まるで公害噴火 このどうでもいい 頓珍漢な世界のな...
今日も自分なり 頑張ったけど お帰り、なんて 誰も言ってはくれない 脱け殻になった 独り身の俺だけ いいさ、いいのさ ずっこけてばかり 出来損ないのポンコツで 誰に必要とされることも 誰に慕われる必要もない 勝手気儘 気持ち投げ遣り気味に 暮らすのさ 寝床にぶっ倒れ 溜...
廃れ切った 簾みたいな 隙間だらけの心のなか 空っ風が吹き抜ける 昨日の記憶にも 一昨日の記憶にも ダサい俺しか 見えては来ない スッ転がった気分で 天空を見上げたら ほんのりと 青みがかるだけの 無駄にだだっ広い 胸中の虚しさにそっくりで 「何か馬鹿みたいだ」 そんなこと...
何処へと 吸い寄せられるよう すうらりと流れる 朝霧に梳かれ艶剥け 弛い色鉛筆の スケッチにも似た かすれた風景のなか 暗色で身を包んだ 自分が佇む 顔前には 節くれ立つ梢がそそと 横疎らに伸びだし その腹と赤緑の 錆ゆく尖った葉先へ まるい雫を携え そっと光らせる 濡れた...
広く続くばかりの空で 斑に伸べる 鈍色の群雲達に 強い陽熱の 遮られた緩い早朝 そこから漏れだす か弱げな優しい光が 池面に流れる 淡い蒸気霧と静けさ 美しく包み照らし 山中に開けた 見晴らしのよい場景を クリアに浮きぼる 長息をひとつ放し 何げに俯く視線 足許に吹き溜まる...
純愛映画かなんかで 感傷に浸り 瞳を潤ませる刻も割けず ただ、胸身に ひたすらになだれ込む 苦い重みをしょって 辛い登り坂道を もくもくと歩き続ける 先は東雲、帰りは暗闇 水鳥が不意つき 飛び去るように 過ぎゆく日々また日々 心太を食べ忘れ ビーチにもいかず 真っ黒に日焼け...
遠くを数える 眩い光を放つ ディスプレイの向こう側 雲行きの妖しい 黒ずんだ天上が広がる そう、遥か彼方にも 僕らは時々 もう過ぎ去った 記憶の零す残像を見る 嬉々と脳裡に思い描く 今はまだ細やか 朧げなビジョンも 薄っすらと くっきりと 視界の情景に浮かばせ 静けさのなか...
間違えない 俊敏で冷酷な爬虫類の 艶皮のよう鋭く 光り脈打つ 今、僕のなかに嘲笑う 穢れた血の色 入れ替えなくては 猛毒の混じる滑る液体を また輸血が必要だ 過去三度の 難手術で 継ぎ傷だらけの身体に 一刻も早く 色濃い熱帯びる人間の血 取り戻さねば 湿気にまみれた 苦る空...
透き通る飛沫 振り撒くように 降りては止む 翌朝の残雨 遠い景色を遮り 全方に 立ち込める 霧に呑まれた山林 白濁りのモザイクに 垣間見える 険しい木立の深く 絞り出すように 茹だる暑さ 名残惜しげに唄う 蛁蟟の叙情は 真っさらに 戻った胸へじわり沁む それに重なり 甲高く...
頭蓋のなかで 猟弾銃が撃ち放たれる 森木枝に休む鳥たちは 仰天し、 蒸した夕空へ 一斉に散り羽ばたいた 背中から 倒れ込んだのは何故か 六畳のマイルドな芝生 寸秒、皮膚呼吸まで静止 ぐうの音もでない ぼろ布に成り果てた 役たたずな生もの 灼熱に蕩けた脳味噌で 何とか直立し続...
完全な真夏の 熱い陽射しを 全身に浴びながら 火照る肌を潤すように すうっと靡く 絹帯のような 風が触れる、時に 側道を足早に 進む 人影 洗い晒しの 爽や香りを清しく退ける そのなかにはきっと 浮きつ流る 粒汗の匂いも 前面に背に 見渡す ストレートロード この道は遥か西...
久方ぶり 夏夕刻の空に鈍く転がる 豪大な重低音 せなせな と寂しげに下る蜩の声は 次第 仄明る 薄帷の向こうで 人気ない通りに 浮かび始めた 細かな雨脚の響くなか 遅れ拍子で 地面に打ち弾ける 甲高い雨垂れに また一瞬 手品のように隠されては か弱く零れ 暮れ泥む 今日の外...
峠脇路の下り端 上目に眺む折 斑模様に流れる 汚れ雲間から照す丸陽 山型に落ちた 木陰に留まり しおらかに戦ぐ 枝葉の涼を 無意識に嗅ぎ過ごす と不意に颯爽 圧倒的な勢いで吹きつける 突風が緩い眠気を揺すり その直後 多次元宇宙の あらゆる処 梱包緩衝材の空気玉 一粒を両手...
あら不思議 こんなことまで 出来ますよ的な プロバカンダ どっぷり浸って 豊かな生活 夢に見る 日に十件は来るPR広告 悪質な迷惑メール 全て削除するを クリックします 放送終了後三十分 今ならなんと 半額の割引価格 で特別ご奉仕 送料無料 分割手数料無料 ...
薄れだす藍の帷 せせこまし住宅街 涼らと 風だけ吹き通す 目醒めたままの くしゃくしゃ頭 後ろに反らして 細く開けた屋根間に高く 快夏青天 きらりと重なり 珠には も少し遠くに行けよ 何て語りかける 草臥れ尽くして 眠るだけ 日々ゆく躰は重いけど まだまだ ちょいと もうひ...
未だ 梅雨も降りださぬまま 夜闇、 深く静まる 紺色の刻は瞬きもせず 満開に晴れ渡り もう 昇りもせず 暮れもしない火輪 明日に目醒めた半球で 今頃きっと 厳めしく睨みを利かし 輝いていることだろう 茹だる暑さに涼し風 アンバランスな毎日 ...
生温い空気が 淀み、籠り始めた 穴蔵から 飛びだし走り出す 剰りにも爽やかな 鮮緑の情景 目一杯 吸い込みながら 追い越してゆく いつもの寄り道 いつもと違い 広々と 開き、満ち満ちて 光り揺蕩う 貯水池の畔 からりと乾いた 快晴の眩さ 初夏の昼下がり 典雅に 団扇から生ま...
冷やりと 透き通る 瑠璃色と思しき ビー玉が 空っぽの頭蓋のなかを 不可思議な速度で 転げつつ 回っている その 遠心力と微揺動が 宙空に薄ら 映し出されるのを 熊の縫いぐるみのように 眺めている 上がり目の 角度は依然 曖昧に游いでいて ここぞとばかり 振り下ろす 虫取網...
触れられはしない けど、時折 ひっそりと 浸ることのできる 曇りのない 清らかな 透明感 例えば、 白み始めたばかり 人気少ない早朝の 街場景に 湿らかに充ちる 冷たい静寂のなかに ちょっぴり 嫌味のない程度 スパイスが 振り掛けられる 硝子コップに注がれた 炭...
変則で命中 深夜勤務 通い途上に立ち寄る 近く藪沼が隠れた 傾き気味の広い路側帯 細く 伸び掲ぐ外灯の 白明かりに 擦られ 薄く照らし出される 乱れた種々 雑木類の形 輪郭 涼やかで無色な匂い を呼吸する 足元の先に 絡む迷い草 小さな獣達だけが 入り込めるほどの 隙間を...
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海月のように 日和に揺られ 過ごし流される又 緩んじまった 頭のネジまで ふらふわする季節 おっとりとした 陽気と涼風に 抱かれどこへやら 俺の空っ穴な心は みるみると暈け 際限なく薄まる 重い着包み抜けて 夢宙に漂うんだ 稀に見る気持ちよさ ふっと運ばれほら なにやら時折...
ちるはら ふっと顕れる眼前に ひらちら 宙で瞬くように翻し するいら 浮き廻り漂いそっと 紛れ込む 斑点模様の絨毯なか 零れ静かに 降りてゆく花片達 傍えだけの桜並樹 柵に沿い林道の半ば 踏み留まり眺め その儚く麗しい姿を 辺りに立ち込める 甘い香りと 幻景が誘う束の間 夢...
漸く訪れた春に 咽び泣く空の下 物憂げに満ちない桜も 艶やかな滴を 弾けそうな無数の蕾に 抱えてはまた零す 灰霧に滲む森 薄暗さ纏う並木道 悲雨に打たれるまま 虚ろな足を運び どこかで逸れた 追憶の欠片にすがる 取り戻せるものは 何にもありはしないけど 気を落とす両肩に ま...
閑散とする街並みに 聳える唯一の旅宿 橙の灯りを落とした 取っ散らかった一室 真白な部屋が真っ黒な 陰で気味悪く染まる 明るみ始めたばかり 狭いひとつ窓を見詰め その優しい空の向こう 飛び立ちたいと淡く望み そうまた 行き止まりのない 苦悩の坂道を転げ落ちる 静寂に囚われた...
ああな、まるで 魂を切り売りして 生き延びているみたいだ 誰のどんな役に 立っているとも知れず 俺は自分自身を綴る この減点方式の評価社会 どうにも遣る瀬なく 覆しようも無い real に打ちのめされる度 有りっ丈の思いを 腹から湧きだす渾身の力で 破格の紙切れに注ぎ込む ...
立て続けに起こる 職場での不測の事態 careless mistake やってらんねえな くだらない記憶夢に 柔頬をつねられ 起き抜けの重い瞼擦る めちゃんこ寒い未明 引っ込んだ空きっ腹で 齧り付く菓子パン 淹れたて熱々の緑茶 パンチの効いた渋みで覚醒 分かってんだよ 俺の...
何ーにも plan通りに 運びゃしない そんな塩っぺえ時が 歩む背中に積もる日々 後味の悪い昼間の 気疲れ癒そと Free Tube ずらり並ぶお勧め動画 たらたら眺めても 毎晩お約束の タイトルばっか pick up うんざりし過ぎ click して観る気もしねえ 重い溜...
noiseに占拠された すかすか髑髏の頭ん中 今、俺はいねぇな 草臥れてもないのに 何の考えも湧きゃあしない 高台にどっしりと鎮座する 洋城のような完璧なビル群 その周りに配置された 振動する金属boxの臓器 格子状に登り繋ぐ 亜鉛色の夥しい組鉄骨 血管みたく枝分け走る 重...
まるで世紀末のよう 有り得ねえ年明け 地震に火災に殺傷事件 とうの昔に 過ぎ去った筈なのにさ 世界の最期が 近付いてそな嫌な予感 どこまで走って 逃げてゆこうが実際 地球は丸いんだ また同じ居場所に 舞い戻って来るかな だからって 何もしない訳にも 行かねえだろうから いよ...
そりゃ仕方がねえよ 不遇な生い立ち呪っても どうにもなりゃしねえ その場限りの鬱憤晴らし 気分はすっきりだけど 現状が覆る訳でもねえ 塞ぎ込んでも荒れても ぶつくさ文句たれても 不満だらけの時間が 悪夢じみた辛い記憶を 過去に残して進んでく ああ、そうだよな 分かるぜ 言い...
虚無に支配された 覇気のない胸にぽっかり 口開けた洞穴は深く だんまりを決め込む 寒風に色褪せた景色は 静かに乾き だだっ広い峠路の外れに 留まって佇むばかり 表情をなくした顔で 半分気持ちは笑ったまま 誰の為の何ものでもない 上っ面のしがない自分 振り返り見詰めている だ...
高く木立の向こう 鈍曇の切れ目に 覗く陽 絡む内の網枝を照らし 麓に急き走る北風が 見渡す情景に染まりゆく 森の樹々を騒がせる 家々で犇めくばかり 人影少ない寡黙な狭道 潜り抜け登った辺地 散る葉ら宙に踊り そしてふらり落ち かさり鳴って舞い転び 路壁の隅へ打ち留まり また...
いつから孤独に 慣れてしまったんだろう 記憶すら霞んで 信頼できる友たち 遠く何処へ 繋がりを断って久しい 振りかえり 気がつけば 長い長い歳月が過ぎ去った 一体どこに 向かって進んでいるのか、 今俺は寒空のなか 矛盾が入り乱れる 思考を頭に抱えたまま 枯れ藪に包まれた道程...
待っているのかも知れない あの日からずっと 遠く夕陽が照らす 東の暮れ空を見詰めながら 待っているのかも知れない 記憶の中でずっと 薄闇に染まる峠の池畔 冷たい風吹くベンチに佇み 震える手の平を擦りながら 待っているのかも知れない 何もかも無茶苦茶に ぶち壊してしまいたい衝...
西空へ夜はぐれ星残し 明るみ始めた 仄暗い早朝の幹線道で 排煙の苦臭いトラック 疎らな車達がすっ飛ばす 俺は俺でいつものよう 気忙しく心拍数を上げ 原チャを唸らせて 小賢しく、ぶっ飛ばす 山裾のバイパスを潜る 脇道へと左折する 道なりに進んでいけば 痩せ川の橋路に繋がる 高...
きっと 逃避願望なんだろうな 冷んやりとする山気 狭い登坂路に被さる木陰 久々のんびりとした ブロッコリー型の雑林 入口付近に届き集まる 極めて密やかな囀り 何気に胸撫で下ろし 兎にも角にも落ち着く 山裾のありふれた場所 無心でゆるり と歩みながら 寒気に移ろう樹々や落ち葉...
ゴォンロゴロゥリリー グヮォンダウダララー 二日間もお休みもらいの 薄暗い部屋に日がな一日 ぐでぇっと寝そべり お前何してんのかって? 捻ってんのさぁ スッカラカンな頭ん中で なんかわかんないけど、 いいアイデア湧いて 出て来ねえかなって 気張ってもいるんだぜ う゛~ん ブ...
君のなかに俺からは 早朝の湖を臨むみたく 取り乱すものが微塵も見えない 透明なそよ風にそっと 送られてくるような手紙 受け取るだけだからかな 一体どこにいるんだい? とても柔らかに澄んだ 仄か柑橘の香りが浮かぶ 目映いほどに真っ白で Gも二の足を踏み 後退るような崇高潔癖な...
曇りがちな日々に移ろう 猛暑を脱した 乾いた晴天 緑の高台 吹き下ろす風は踊りながら 煩わしい作業着の 皺くちゃな長袖シャツん中を 心地よく潜るんだ 別に変わったこと何か 全然ありゃしねえけど ただ煮え滾る真夏の監獄から 漸く抜け出せた感が すっきりとくっきりと頭上に だだ...
どっかに開いた針先程の 小穴から空気の抜けていく 萎んだ浮き輪に掴まって 自棄くそでバタつき 疲れて足着きゃ浅瀬に独り 遠い海原はまるで蜃気楼 一向に近づく気配なし おぅ、見詰める両の目は 涙の滲む虚しさの双眼鏡 俺ぁここ数年 無我夢中って程じゃないけど 懸命にぼちぼちとぼ...
気力も尽きそな だらしなく緩んだ躰で 心も闇の中 人気のない 繁華街の路地裏を 仕事で ほっつき歩いてんだ ぽつぽつ 頼りないネオンの 薄光んなか すっとまた一片が てぃらら、ぴぃらら と 漂い踊りながら 時に前髪を掠め 胸元辺りの 少し先を横切り 不意を突き 足許に 不...
ふっ飛んでしまえば 地球なんて 不謹慎なことを考えてしまう この、忙しい時期に ろくでもねぇな こん畜生め 夜更けの闇に囚われて 長閑な風と 月明かりの寂静 断崖絶壁に弛み立ち 有り得やしない ぶち当たる先の見えない フリーフォール ひと思いにこのまま ダイブしてやりてぇ ...
毛布に包まる 枕元の闇に ノイズの洪水 突然、怒涛の如く傾れこみ 浅い眠りを打ち砕く 瞬く薄目から じわり次第 その高鳴る音嵐に 瞼は完全に剥かれ 快晴続きの 好記録 二週間余り 地に足つかず夢心地 突発的豪雨に破られた ほのぼのした 暖かな早春の日々が 一区切り ...
雑樹山に囲まれた 隠れ里 細く縫い走る県道 暗に目醒めた猛獣たち 地の奥底で 唸り声を上げ 次々と アスファルトに 這い出し その重く分厚い響きは とっぷり闇色に暮れる 野放図の静寂に 頑強な釣鐘を 打ち鳴らすよう轟く 遠くから徐々に 近づき 頭蓋に潜り 電動ハンマで穿るよ...
外気に晒された 柔肌を 引き裂くよう 辛い痛みを浴びせては 酷しい寒さは また 何も告げず退いて 霧に霞む昼下り 隣で しれっと 丸めた背中向け 寝そべる 不機嫌に口を噤む 恋人のような 垂れ籠める天上と 窓越しの宙空に揺れ散る 細やかな 惑い雨のなかに いつかしら 胸に焼...
氷点下の激波が 山間部を襲う ぴりり骨まで麻痺る 指先を振っては 擦り合わせ 無駄踏みを繰り返し じんじんと 冷たさののたくる 足裏を宥めた そんな馴染めない 苛酷な日々が 続く、容赦なしに 陽漏れさえ 覗かぬ未明を へべれけの 轍も硬直する、 険しい道筋 スローペースで長...
白黒縞の 小鳥が 無邪気な鳴き声を 砕石塗れの トラックヤードに転がして 番で 戯れ合う 帆布小屋の 短い桁幕へ 初陽に溶かされた霜が 光る雫を 拵えて ゆっくり落ちる その僅かな間、 こんなことを思った 音信不通になった 知性溢れる 気を病んだ か弱いあの人は...
薄い残照が 緩やかな稜線を縁どる 遠退く夕空 冬の通り雨 ばさばさ と、短く降り弾け そして途絶え 七色を超えて 高角度の 巨大な虹が昇る (これは予兆なのか (偶然の悪戯なのか 色濃い印象が 脳裏に焼き付いたまま 場は見送られ 星屑の瞬きだす 夜の帷に橙の 焔の...
毎晩のように 浅い眠りの中 がなり立てて来やがる ねちっこい 過去の記憶を突っぱねて 明けない夜 を蹴り上げる 今日も 継ぎ接ぎだらけ 車検何か切れっ放しの おんぼろな身体で 下らない言葉 腹から捻りだし 書き散らしながら まるで公害噴火 このどうでもいい 頓珍漢な世界のな...
今日も自分なり 頑張ったけど お帰り、なんて 誰も言ってはくれない 脱け殻になった 独り身の俺だけ いいさ、いいのさ ずっこけてばかり 出来損ないのポンコツで 誰に必要とされることも 誰に慕われる必要もない 勝手気儘 気持ち投げ遣り気味に 暮らすのさ 寝床にぶっ倒れ 溜...
廃れ切った 簾みたいな 隙間だらけの心のなか 空っ風が吹き抜ける 昨日の記憶にも 一昨日の記憶にも ダサい俺しか 見えては来ない スッ転がった気分で 天空を見上げたら ほんのりと 青みがかるだけの 無駄にだだっ広い 胸中の虚しさにそっくりで 「何か馬鹿みたいだ」 そんなこと...