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最底辺から大空へ飛びだす俺感
腰低く優しさせびり 他人の親切 ちょいと拝借 貰うだけ貰って知らん振り 雷型に血走る 黄ばんだギョロ眼で 銭金の嫉妬 不幸をほのめかすように 嫌味を浴びせ高笑い なんか悪い女の霊に 夜な夜な精気を 吸い取られているような 年々痩せ細っていく 老いゆく躰が 皆は気がかりなだけ...
2023/05/18 14:35
桜樹の根元に埋めてくれ
気力も尽きそな だらしなく緩んだ躰で 心も闇の中 人気のない 繁華街の路地裏を 仕事で ほっつき歩いてんだ ぽつぽつ 頼りないネオンの 薄光んなか すっとまた一片が てぃらら、ぴぃらら と 漂い踊りながら 時に前髪を掠め 胸元辺りの 少し先を横切り 不意を突き 足許に 不...
2023/04/19 18:38
Very bad, late-night complaints
ふっ飛んでしまえば 地球なんて 不謹慎なことを考えてしまう この、忙しい時期に ろくでもねぇな こん畜生め 夜更けの闇に囚われて 長閑な風と 月明かりの寂静 断崖絶壁に弛み立ち 有り得やしない ぶち当たる先の見えない フリーフォール ひと思いにこのまま ダイブしてやりてぇ ...
2023/04/14 10:58
降り剥がす 激雨は愚図つく心を
毛布に包まる 枕元の闇に ノイズの洪水 突然、怒涛の如く傾れこみ 浅い眠りを打ち砕く 瞬く薄目から じわり次第 その高鳴る音嵐に 瞼は完全に剥かれ 快晴続きの 好記録 二週間余り 地に足つかず夢心地 突発的豪雨に破られた ほのぼのした 暖かな早春の日々が 一区切り ...
2023/03/14 19:47
茫然自失に抱かれる夜に
雑樹山に囲まれた 隠れ里 細く縫い走る県道 暗に目醒めた猛獣たち 地の奥底で 唸り声を上げ 次々と アスファルトに 這い出し その重く分厚い響きは とっぷり闇色に暮れる 野放図の静寂に 頑強な釣鐘を 打ち鳴らすよう轟く 遠くから徐々に 近づき 頭蓋に潜り 電動ハンマで穿るよ...
2023/03/01 12:10
ただ愉しげに 雨鳴りだけは
外気に晒された 柔肌を 引き裂くよう 辛い痛みを浴びせては 酷しい寒さは また 何も告げず退いて 霧に霞む昼下り 隣で しれっと 丸めた背中向け 寝そべる 不機嫌に口を噤む 恋人のような 垂れ籠める天上と 窓越しの宙空に揺れ散る 細やかな 惑い雨のなかに いつかしら 胸に焼...
2023/02/20 19:48
吐き出せず 奮い起てず 泣き言は胸に堪えながら
氷点下の激波が 山間部を襲う ぴりり骨まで麻痺る 指先を振っては 擦り合わせ 無駄踏みを繰り返し じんじんと 冷たさののたくる 足裏を宥めた そんな馴染めない 苛酷な日々が 続く、容赦なしに 陽漏れさえ 覗かぬ未明を へべれけの 轍も硬直する、 険しい道筋 スローペースで長...
2023/02/04 14:52
dropping memories (滴る追憶)
白黒縞の 小鳥が 無邪気な鳴き声を 砕石塗れの トラックヤードに転がして 番で 戯れ合う 帆布小屋の 短い桁幕へ 初陽に溶かされた霜が 光る雫を 拵えて ゆっくり落ちる その僅かな間、 こんなことを思った 音信不通になった 知性溢れる 気を病んだ か弱いあの人は...
2023/01/03 08:07
looking back
薄い残照が 緩やかな稜線を縁どる 遠退く夕空 冬の通り雨 ばさばさ と、短く降り弾け そして途絶え 七色を超えて 高角度の 巨大な虹が昇る (これは予兆なのか (偶然の悪戯なのか 色濃い印象が 脳裏に焼き付いたまま 場は見送られ 星屑の瞬きだす 夜の帷に橙の 焔の...
2022/12/19 04:05
like me
毎晩のように 浅い眠りの中 がなり立てて来やがる ねちっこい 過去の記憶を突っぱねて 明けない夜 を蹴り上げる 今日も 継ぎ接ぎだらけ 車検何か切れっ放しの おんぼろな身体で 下らない言葉 腹から捻りだし 書き散らしながら まるで公害噴火 このどうでもいい 頓珍漢な世界のな...
2022/12/03 19:17
ささやかな幸せ
今日も自分なり 頑張ったけど お帰り、なんて 誰も言ってはくれない 脱け殻になった 独り身の俺だけ いいさ、いいのさ ずっこけてばかり 出来損ないのポンコツで 誰に必要とされることも 誰に慕われる必要もない 勝手気儘 気持ち投げ遣り気味に 暮らすのさ 寝床にぶっ倒れ 溜...
2022/11/23 11:31
stupid me
廃れ切った 簾みたいな 隙間だらけの心のなか 空っ風が吹き抜ける 昨日の記憶にも 一昨日の記憶にも ダサい俺しか 見えては来ない スッ転がった気分で 天空を見上げたら ほんのりと 青みがかるだけの 無駄にだだっ広い 胸中の虚しさにそっくりで 「何か馬鹿みたいだ」 そんなこと...
2022/11/10 03:36
霧寂の過る繊細さと甘さ 折にそこに生けるものの激しい情動と
何処へと 吸い寄せられるよう すうらりと流れる 朝霧に梳かれ艶剥け 弛い色鉛筆の スケッチにも似た かすれた風景のなか 暗色で身を包んだ 自分が佇む 顔前には 節くれ立つ梢がそそと 横疎らに伸びだし その腹と赤緑の 錆ゆく尖った葉先へ まるい雫を携え そっと光らせる 濡れた...
2022/10/24 01:32
Another fall
広く続くばかりの空で 斑に伸べる 鈍色の群雲達に 強い陽熱の 遮られた緩い早朝 そこから漏れだす か弱げな優しい光が 池面に流れる 淡い蒸気霧と静けさ 美しく包み照らし 山中に開けた 見晴らしのよい場景を クリアに浮きぼる 長息をひとつ放し 何げに俯く視線 足許に吹き溜まる...
2022/10/15 03:49
諸々のタスクは無常に至れり
純愛映画かなんかで 感傷に浸り 瞳を潤ませる刻も割けず ただ、胸身に ひたすらになだれ込む 苦い重みをしょって 辛い登り坂道を もくもくと歩き続ける 先は東雲、帰りは暗闇 水鳥が不意つき 飛び去るように 過ぎゆく日々また日々 心太を食べ忘れ ビーチにもいかず 真っ黒に日焼け...
2022/10/04 18:44
寂れゆく風に心掬われ
遠くを数える 眩い光を放つ ディスプレイの向こう側 雲行きの妖しい 黒ずんだ天上が広がる そう、遥か彼方にも 僕らは時々 もう過ぎ去った 記憶の零す残像を見る 嬉々と脳裡に思い描く 今はまだ細やか 朧げなビジョンも 薄っすらと くっきりと 視界の情景に浮かばせ 静けさのなか...
2022/09/18 14:58
卑しくも非情な血
間違えない 俊敏で冷酷な爬虫類の 艶皮のよう鋭く 光り脈打つ 今、僕のなかに嘲笑う 穢れた血の色 入れ替えなくては 猛毒の混じる滑る液体を また輸血が必要だ 過去三度の 難手術で 継ぎ傷だらけの身体に 一刻も早く 色濃い熱帯びる人間の血 取り戻さねば 湿気にまみれた 苦る空...
2022/09/11 13:05
解け下る朱夏の熱
透き通る飛沫 振り撒くように 降りては止む 翌朝の残雨 遠い景色を遮り 全方に 立ち込める 霧に呑まれた山林 白濁りのモザイクに 垣間見える 険しい木立の深く 絞り出すように 茹だる暑さ 名残惜しげに唄う 蛁蟟の叙情は 真っさらに 戻った胸へじわり沁む それに重なり 甲高く...
2022/08/28 09:46
御盆出勤消沈確定
頭蓋のなかで 猟弾銃が撃ち放たれる 森木枝に休む鳥たちは 仰天し、 蒸した夕空へ 一斉に散り羽ばたいた 背中から 倒れ込んだのは何故か 六畳のマイルドな芝生 寸秒、皮膚呼吸まで静止 ぐうの音もでない ぼろ布に成り果てた 役たたずな生もの 灼熱に蕩けた脳味噌で 何とか直立し続...
2022/08/13 02:56
瞬く幻影の淵へ 彷徨いただ無心に 落ち委ねるままに
完全な真夏の 熱い陽射しを 全身に浴びながら 火照る肌を潤すように すうっと靡く 絹帯のような 風が触れる、時に 側道を足早に 進む 人影 洗い晒しの 爽や香りを清しく退ける そのなかにはきっと 浮きつ流る 粒汗の匂いも 前面に背に 見渡す ストレートロード この道は遥か西...
2022/08/07 06:07
胸撫で晴らす梅雨の戻りに
久方ぶり 夏夕刻の空に鈍く転がる 豪大な重低音 せなせな と寂しげに下る蜩の声は 次第 仄明る 薄帷の向こうで 人気ない通りに 浮かび始めた 細かな雨脚の響くなか 遅れ拍子で 地面に打ち弾ける 甲高い雨垂れに また一瞬 手品のように隠されては か弱く零れ 暮れ泥む 今日の外...
2022/07/22 14:58
時として飛躍し過ぎた内在的思想は昇華へ至らず
峠脇路の下り端 上目に眺む折 斑模様に流れる 汚れ雲間から照す丸陽 山型に落ちた 木陰に留まり しおらかに戦ぐ 枝葉の涼を 無意識に嗅ぎ過ごす と不意に颯爽 圧倒的な勢いで吹きつける 突風が緩い眠気を揺すり その直後 多次元宇宙の あらゆる処 梱包緩衝材の空気玉 一粒を両手...
2022/07/10 19:37
バリ暑に逆上せる心はエスケイプ
あら不思議 こんなことまで 出来ますよ的な プロバカンダ どっぷり浸って 豊かな生活 夢に見る 日に十件は来るPR広告 悪質な迷惑メール 全て削除するを クリックします 放送終了後三十分 今ならなんと 半額の割引価格 で特別ご奉仕 送料無料 分割手数料無料 ...
2022/07/01 05:46
このままふらっと
薄れだす藍の帷 せせこまし住宅街 涼らと 風だけ吹き通す 目醒めたままの くしゃくしゃ頭 後ろに反らして 細く開けた屋根間に高く 快夏青天 きらりと重なり 珠には も少し遠くに行けよ 何て語りかける 草臥れ尽くして 眠るだけ 日々ゆく躰は重いけど まだまだ ちょいと もうひ...
2022/06/20 12:47
鎮む熱り 途の鳴り頻る その声を無尽に浴び
未だ 梅雨も降りださぬまま 夜闇、 深く静まる 紺色の刻は瞬きもせず 満開に晴れ渡り もう 昇りもせず 暮れもしない火輪 明日に目醒めた半球で 今頃きっと 厳めしく睨みを利かし 輝いていることだろう 茹だる暑さに涼し風 アンバランスな毎日 ...
2022/06/14 03:49
解き放される瞬間は ありふれた道程のなかに
生温い空気が 淀み、籠り始めた 穴蔵から 飛びだし走り出す 剰りにも爽やかな 鮮緑の情景 目一杯 吸い込みながら 追い越してゆく いつもの寄り道 いつもと違い 広々と 開き、満ち満ちて 光り揺蕩う 貯水池の畔 からりと乾いた 快晴の眩さ 初夏の昼下がり 典雅に 団扇から生ま...
2022/06/08 01:50
論理的推考で計る 自身喪失の距離
冷やりと 透き通る 瑠璃色と思しき ビー玉が 空っぽの頭蓋のなかを 不可思議な速度で 転げつつ 回っている その 遠心力と微揺動が 宙空に薄ら 映し出されるのを 熊の縫いぐるみのように 眺めている 上がり目の 角度は依然 曖昧に游いでいて ここぞとばかり 振り下ろす 虫取網...
2022/05/27 05:00
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